ものづくり補助金平成25年度製造業茨城県

デジタル温度表示付き温調部グリップ内蔵型はんだこての開発

日本ボンコート株式会社

成果設定温度到達後の安定までの時間 15分→3分

この事例のポイント

  • 無鉛はんだは融点が高く、それに合わせてこて先の温度を上げて使うと、こて先の摩耗や酸化が早まり寿命が短くなる。
  • デジタル温度表示付き温調部グリップ内蔵型はんだこてを開発した。
  • 設定温度到達後の安定までの時間 15分→3分。こて先の温度を1℃単位で設定でき、設定温度に達してから安定するまでの時間を15分から3分に短縮した。

事業者のプロフィール

事業者名日本ボンコート株式会社
所在地茨城県 水戸市
業種電気機械器具製造業
技術分野接合・実装,測定計測,立体造形
従業員数8人
資本金1,000万円
設立1966年

事業の背景

はんだづけは昔から使われる手法で、現代でも電子機器の基板接合に使われている。はんだは環境への影響から鉛入りから無鉛はんだが主流となった。同社は1966年の創業以来、はんだこてを製造販売している。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 品質・精度無鉛はんだは融点が高く、それに合わせてこて先の温度を上げて使うと、こて先の摩耗や酸化が早まり寿命が短くなる。
  • 生産能力温度を調節できないはんだこてで出力を上げると必要以上に温度が上がり、はんだづけ促進剤のフラックスが蒸発するなど作業に支障が出る。
  • 人手・技能温度表示がなく、職人の長年の勘で作業していた。
  • コスト・採算こて先の寿命が3分の1から5分の1と短くなり、家電メーカーなどで終日作業すると1日で使えなくなることもあった。

やったこと

デジタル温度表示付き温調部グリップ内蔵型はんだこてを開発した。3DCADを導入して設計にかかる時間を短縮し、これを元にグリップ用の金型を作製した。試作品の動作を確認するためDSS用温度測定器を導入した。こて先の温度は手元で操作して1℃単位で指定でき、一目で分かるデジタル表示にした。こて先を温めるヒーターが破損した場合は、顧客自身が簡単に交換できるよう構造を見直した。

ソフト3DCAD
金型グリップ用の金型
検査測定DSS用温度測定器

新しい製品・サービス:デジタル温度表示付き温調部グリップ内蔵型はんだこて

事業の効果

  • 設定温度到達後の安定までの時間 15分→3分

こて先の温度を1℃単位で設定でき、設定温度に達してから安定するまでの時間を15分から3分に短縮した。顧客自身がヒーターの交換を簡単にできるようになり、こて先の摩耗や酸化を抑えつつスムーズに作業できるようになった。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.5 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性67%
  • これまでの取組との一貫性3

    1966年創業以来はんだこてを作り続け、グリップ内蔵型温調はんだこてを1985年に開発したと書かれ、過去の取組との一貫性がうかがえる。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    無鉛はんだの普及という市場変化を捉え、温度表示付き製品で顧客ニーズに応える点は読み取れるが、競争優位の定量的根拠は薄い。

  • 課題の認識と解決4

    無鉛はんだで温度が約350℃に上がりこて先の寿命が3分の1から5分の1に短くなる課題を明示し、温度調節で解決を図る計画になっている。

事業の実現可能性52%
  • 付加価値・賃上げの目標3

    安定までの時間を既存品の15分から3分に短縮したと数字で示されているが、付加価値額や賃上げの目標値は書かれていない。

  • 事業を進める体制2

    従業員数8人と記載があるが、補助事業を遂行する体制や事務処理能力については書かれていない。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    1℃単位の温度設定、一目でわかるデジタル表示、顧客自身によるヒーター交換など、顧客にとっての価値が具体的に書かれている。

  • 事業化までの道筋3

    3DCAD導入や金型作製、DSS用温度測定器での試作確認と工程は示されているが、中長期の検証や全体スケジュールは薄い。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    無鉛はんだ向けに温調器内蔵・デジタル表示のはんだこてを開発し、既存の鉛入り向け製品との差別化が明確に示されている。

公的補助の必要性33%
  • 波及効果・雇用2

    無鉛はんだという環境配慮の流れは触れられているが、波及効果や雇用創出など国が補助する理由は書かれていない。

  • 費用対効果2

    寿命短縮や作業時間短縮の効果はうかがえるが、補助金額に対する付加価値増加や費用対効果の数字は書かれていない。

  • イノベーションへの貢献1

    公開されている事例からは読み取れません。

政策面30%
  • 成長分野への進出1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 地域経済への波及2

    水戸市に所在することは書かれているが、地域の特性を活かした付加価値や雇用創出について記述はほぼない。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

ユーザーのニーズを敏感に察知し、新しい商品を作り続けたいという。

事業者の声

常に市場潜在ニーズをいかに商品化できるかが、技術開発の要と考えている。顧客の立場に立った品質改善、コストダウンを提唱することにより、広く社会に貢献したいと願う。はんだこてのグローバルスタンダードを目指している。

公式の事例集より(原文のまま)

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成25年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。