ものづくり補助金平成25年度製造業茨城県

自社材料開発による環境負荷の低い生分解性ワームの高度化

ニッコー化成株式会社

成果生産コストが約30%削減することが可能となった

この事例のポイント

  • 釣り場で使われる塩化ビニール製ワームが水底に残り、魚の生態系にダメージを与えている。
  • 電動射出成形機を導入し、従来の油圧射出成形機より成形精度を高めた。
  • 生産コストが約30%削減することが可能となった。電動射出成形機の導入により成形精度が向上し、生産性が上がった。

事業者のプロフィール

事業者名ニッコー化成株式会社
所在地茨城県 下妻市
業種その他の製造業
技術分野複合・新機能材料,立体造形
従業員数36人
資本金2,800万円

事業の背景

釣り場の環境問題への意識が高まる中、釣具業界では環境に優しい製品の開発が進んでいる。芦ノ湖などでは環境保護のためワームの使用が禁止されている。同社は2009年11月から経済産業省関東経済産業局の支援を受け、生分解性材料とワームの製造を始めたが、新連携支援事業は2014年2月に終了した。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力釣り場で使われる塩化ビニール製ワームが水底に残り、魚の生態系にダメージを与えている。
  • 新製品・新技術「本物の餌により近い疑似餌」というユーザーの要望を満たすため、生分解機能を改善する必要があった。
  • コスト・採算従来の油圧射出成形機では成形精度と生産性に限界があり、製造コストも高かった。

やったこと

電動射出成形機を導入し、従来の油圧射出成形機より成形精度を高めた。従来使用してきた生分解性エラストマーに、植物由来のポリ乳酸を配合して生分解が進む配合を見出した。硬度ゼロ素材の加工技術を確立し、複雑な形状の製品を作れるようにした。製造からパッケージまですべて結城事業所で行う体制をとった。

加工機電動射出成形機

新しい製品・サービス:生分解性エラストマーにポリ乳酸を配合した生分解性ワーム(疑似餌)。オキアミの疑似餌「スーパーオキアミ」など。

事業の効果

  • 生産コストが約30%削減することが可能となった

電動射出成形機の導入により成形精度が向上し、生産性が上がった。製造コストは約30%削減された。生分解性を高めた新製品で、釣り場の環境負荷を減らせるようになった。国内外で評価を得て製造・販売している。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.6 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性60%
  • これまでの取組との一貫性3

    新連携支援(2009年開始)から生分解性材料の開発を続けてきた経緯が書かれ、過去の取組との一貫性がうかがえる。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    芦ノ湖などの規制や環境意識の高まりを背景に、生分解性で釣り人のニーズに合うと書かれるが、競争優位の定量的根拠は薄い。

  • 課題の認識と解決3

    塩化ビニール製ワームによる生態系ダメージという課題認識は明確だが、高付加価値化の計画数値は示されていない。

事業の実現可能性52%
  • 付加価値・賃上げの目標2

    生産コスト約30%削減という数字はあるが、付加価値額や賃上げの目標値は書かれていない。

  • 事業を進める体制3

    製造からパッケージまで結城事業所で行い、従業員36人の体制が書かれるが、補助事業の遂行体制の詳細は薄い。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    自然に還る生分解性、釣り人のニーズに合う形状変更、保存の容易さなど製品価値と顧客ニーズが具体的に書かれている。

  • 事業化までの道筋3

    270日経過の分解実験や展示会でのPRなど今後の進め方は書かれるが、スケジュールや課題解決方法は具体性が薄い。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    中国産塩ビワームより価格は約1.5倍と割高だが、生分解性の高付加価値製品として位置付けられている。

公的補助の必要性47%
  • 波及効果・雇用2

    水底のワームによる魚の生態系被害の解決という社会的意義がうかがえるが、経済波及や雇用創出の記述はない。

  • 費用対効果3

    補助金額は書かれないが、生産コスト約30%削減や成形精度向上という効果が数字で示されている。

  • イノベーションへの貢献2

    植物由来ポリ乳酸の配合や電動射出成形機の導入はあるが、サプライチェーン全体への貢献は書かれていない。

政策面30%
  • 成長分野への進出1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 地域経済への波及2

    神奈川県や茨城県下妻市の地域企業として製造する点はうかがえるが、地域特性を活かした雇用創出の記述は薄い。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

従来品の在庫を考慮しながら新製品へ順次切り替える。展示会でPRし市場基盤を確立する。海外市場への進出も視野に入れ、米国展示会に出展し、ブラックバス用サンプルを製作した。自社製品の売り上げを拡大し、OEMへの拡張を目指す。

  • 目標:中国産の塩化ビニールワームに比べ価格は約1.5倍と割高

事業者の声

現状の釣り場環境を患うために、次世代ソフトワーム(疑似餌)を開発することができた。これまでより短期間で環境負荷を減らすことが可能となり、国内外より一定の評価をいただき製造、販売している。今後は、分解速度(微生物分解)の短縮、現状以上の集魚力アップ、コスト削減を重点課題と考えて技術革新を継続し、将来、全世界がかかわる環境問題の一助となりたい。

公式の事例集より(原文のまま)

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成25年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。