ものづくり補助金平成25年度製造業宮城県

日本初、スプリンクラー配管設備のステンレス化と溶接レスによる省エネ化

ジャパン.エンヂニアリング株式会社

成果ねじ込み加工時間からグルーブ接続時間への短縮 48分→4分

この事例のポイント

  • スプリンクラー設備の配管は鉄管が多く使われており、軽量で錆びにくいステンレス管への切り替えが進んでいない。
  • 新型ベンダー加工機(パイプ曲げ加工機)および曲げ加工用金型(呼び径30~100mm)7口径を株式会社大洋群馬工場へ発注した。
  • ねじ込み加工時間からグルーブ接続時間への短縮 48分→4分。スプリンクラー配管のステンレス化により、エルボ継手個数を100%削減し、加工箇所数を40%削減、接続箇所数を83%削減…

事業者のプロフィール

事業者名ジャパン.エンヂニアリング株式会社
所在地宮城県 東京都文京区
業種その他の製造業
技術分野情報処理,精密加工,接合・実装
従業員数158人
資本金1億円
設立1973年

事業の背景

当社は建築設備用の配管のプレハブ加工メーカーで、鋼管、ライニング管、ステンレス消火設備配管などの各種加工管を手がけている。仙台工場はステンレス加工を専門にしている。スプリンクラー設備の市場規模は5000億~6000億円と推定され、消防設備関連企業18社の売上高合計は約2700億円となっている。保守の割合から見ると、市場規模は200億円を見込むことができるとされている。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 新製品・新技術スプリンクラー設備の配管は鉄管が多く使われており、軽量で錆びにくいステンレス管への切り替えが進んでいない。
  • 人手・技能建設現場では人手不足と高齢化が大きな課題になっている。
  • 生産能力ねじ込み継手を使う従来の配管工法は加工や現場施工に手間と時間がかかり、工程削減や生産性向上が求められていた。

やったこと

新型ベンダー加工機(パイプ曲げ加工機)および曲げ加工用金型(呼び径30~100mm)7口径を株式会社大洋群馬工場へ発注した。装置の仕上がり状況を確認して修正を依頼し、仙台工場から作業員を派遣して操作方法の指導を受けた。大洋群馬工場で作製した3口径分の試作品が配管寸法基準内であることを確認してから納品を依頼し、仙台工場で据え付けを行った。30Su~100Suの7口径全ての試作加工を実施し、芯先寸法、減肉厚み、扁平率を測定した結果、いずれも材料規格の許容寸法を満足した。最終的に基準内であることを確認し、ステンレス曲げ加工管の生産体制を整えた。

加工機新型ベンダー加工機(パイプ曲げ加工機)
金型曲げ加工用金型(呼び径30~100mm、7口径)

新しい製品・サービス:溶接不要のステンレス曲げ加工管(スプリンクラー配管用)

事業の効果

  • ねじ込み加工時間からグルーブ接続時間への短縮 48分→4分
  • 口径 50A→40A

スプリンクラー配管のステンレス化により、エルボ継手個数を100%削減し、加工箇所数を40%削減、接続箇所数を83%削減した。口径のサイズダウンにより重量は74%軽くなり、加工時間は50%削減された。加工・作業コストは85%ダウンし、現場の施工性や安全性の向上、工数削減、省資源化にもつながると見込まれる。これまで参入できなかったスプリンクラー設備の事業展開が可能になった。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均3.1 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性80%
  • これまでの取組との一貫性3

    既存のパイプ加工事業とプレハブ加工の経緯から新規参入と位置づけられ、一貫性は読み取れるが、経営戦略上の位置づけの明示は薄い。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    消防設備専門業者という既存取引先を通じ営業できる点や、市場規模200億円の見込みが書かれ、強みを踏まえた内容と読み取れる。

  • 課題の認識と解決5

    接続箇所83%削減、加工時間50%削減、施工時間91%削減、コスト85%ダウンなど数字つきで課題解決と高付加価値化が示されている。

事業の実現可能性60%
  • 付加価値・賃上げの目標4

    事業化1年後に年間1億円、5年後に年間5億円の売上目標が数字で示され、開発目標もほぼ達成とある。

  • 事業を進める体制3

    仙台工場の作業員派遣や操作指導など実施体制は読み取れるが、人材や事務処理能力の確保には具体性が薄い。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    現場作業の負担軽減や人手不足対応、既存取引先への提案という顧客ターゲットと選ばれる理由が具体的に書かれている。

  • 事業化までの道筋3

    試作、寸法測定、既存取引先への営業展開という手順は読み取れるが、中長期の課題検証や詳細スケジュールは薄い。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    ステンレス配管によるスプリンクラー設備の分野は鉄管が主流で普及が進んでおらず、高付加価値化の内容が具体的に示されている。

公的補助の必要性60%
  • 波及効果・雇用3

    建設現場の人手不足や高齢化への対応が語られるが、経済波及効果や雇用創出の数字は示されていない。

  • 費用対効果4

    補助金投入額との対比は書かれていないが、コスト85%ダウンや工程削減率など費用対効果を示す数字が多い。

  • イノベーションへの貢献2

    ステンレス化と工場内加工によるサプライチェーン面の変化がうかがえるが、先端デジタル技術の活用は書かれていない。

政策面30%
  • 成長分野への進出2

    建設業の人手不足対応という文脈はうかがえるが、日本経済の構造転換への言及は見られない。

  • 地域経済への波及1

    公開されている事例からは読み取れません。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

ユーザーは既存取引先でもある消防設備専門業者のため、既存製品と同時に営業でき、既存製品からステンレス配管への切り替えを提案していく。予定製品の売上規模は1現場につき2000万円で、事業化1年後に年間1億円、5年後に年間5億円の売上高を目標としている。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成25年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。