ものづくり補助金平成25年度情報通信業茨城県

人工衛星観測データとICTを利用した高度水稲営農情報提供サービス

株式会社ビジョンテック

この事例のポイント

  • 稲作では農家が圃場に行って土地や稲の状況を観察し、田植えの時期や肥料の管理、収穫のタイミングを見極めており、人手と労力がかかっていた。
  • 人工衛星観測による水稲の成育状況や気象データなどを複合的に利用し、収量予測と高温障害の発生危険度分布の予測モデルを開発した。
  • アグリルックにより、PCやスマートフォン、タブレットで圃場と気象の状況をリアルタイムかセミリアルタイムで把握でき、早期対策と軽労化、品質と種集の安定化につながるとされる。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社ビジョンテック
所在地茨城県 つくば市
業種情報サービス業
従業員数15人
資本金2,000万円
設立1997年

事業の背景

同社は1997年にベンチャー企業として設立され、人工衛星で観測した地球表面のデータを農林水産業や防災、環境分野で活用できる情報として蓄積・解析して提供してきた。約10年前に主業務を防災事業から農業分野に移した。かつて衛星データは高額だったが、近年は欧米各国が商業目的で打ち上げる衛星が増え、比較的低価格で観測頻度や解像度の高いデータが入手できるようになった。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力稲作では農家が圃場に行って土地や稲の状況を観察し、田植えの時期や肥料の管理、収穫のタイミングを見極めており、人手と労力がかかっていた。
  • 品質・精度人工衛星は周回のため欲しい場所と時間に上空にあるとは限らず、雲がかかると地表を観測できないという欠点があった。

やったこと

人工衛星観測による水稲の成育状況や気象データなどを複合的に利用し、収量予測と高温障害の発生危険度分布の予測モデルを開発した。衛星データを取得、解析、処理、データベースへの蓄積を自動化し、生産者が気軽に情報を活用できる環境を構築した。雲の下の状況を類推する手法を開発し、課題となっていた雲による観測の欠落を解消した。収穫時期は圃場ごとに葉色の濃さをカラー表示し、食味も予測して最も食味が良い状態で収穫できるようにした。情報はPCやスマートフォン、タブレットで閲覧できるようにし、一部の生産者に試験的に提供した。

ソフト人工衛星データ・気象衛星データ収集システム

新しい製品・サービス:水稲に特化した営農管理システム「アグリルック」

事業の効果

アグリルックにより、PCやスマートフォン、タブレットで圃場と気象の状況をリアルタイムかセミリアルタイムで把握でき、早期対策と軽労化、品質と種集の安定化につながるとされる。山間部の圃場では特に効果が認められ、少ない労働力と短い労働時間で高品質の米を確実に多く得られるという。雲の下の状況を類推できるようになったことで、降雨量の多い国々での注目度も高まると予想される。秋田県や埼玉県などの自治体、新潟県のJA、営農法人で試験運用されている。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.9 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性67%
  • これまでの取組との一貫性4

    1997年設立以来の衛星データ蓄積を基に、約10年前に防災から農業へ主業務を移行し、アグリルックへ一貫して発展させている。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    欧米の衛星データ増加で低価格・高頻度データが入手可能になったと外部環境に触れるが、市場規模や競合との比較は示されていない。

  • 課題の認識と解決3

    高温障害の危険度予測や雲下の類推手法で課題に対応するとあるが、事業計画としての売上や付加価値の目標は読み取れない。

事業の実現可能性48%
  • 付加価値・賃上げの目標1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 事業を進める体制3

    従業員15人のうち博士5人と記載があり研究体制はうかがえるが、補助事業の遂行体制の詳細は書かれていない。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    秋田県や埼玉県の自治体、新潟県のJA、営農法人で試験運用され、早期対策と軽労化、品質安定につながると具体的に示されている。

  • 事業化までの道筋3

    雲下類推手法が実用化済みでスリランカ実証や海外展開、他作物への拡大を視野に入れるとあるが、スケジュールや課題解決方法は薄い。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    水稲に特化した衛星ベースの営農情報提供で、雲下の状況を類推する手法は同分野で新しい取組として位置づけられている。

公的補助の必要性60%
  • 波及効果・雇用3

    スリランカ支援や世界への展開、新たな雇用は書かれるが、川上・川下への波及効果は具体的に示されていない。

  • 費用対効果2

    少ない労働力と短い労働時間で高品質米を得られるとあるが、補助金額に対する費用対効果の数字は示されていない。

  • イノベーションへの貢献4

    人工衛星データの自動処理と雲下類推という先端技術の活用で、農業のイノベーションに貢献する内容が具体的に書かれている。

政策面60%
  • 成長分野への進出3

    農業分野へのシフトやデジタル農業の展開は読み取れるが、日本経済の構造転換への言及は明示されていない。

  • 地域経済への波及3

    山間部の圃場で特に効果が認められると地域特性への適合がうかがえるが、地域経済への波及効果は書かれていない。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

スリランカの次世代農業支援の取り組みがJICAの中小企業海外展開支援事業に採択され、9月から実証を開始し事業展開も視野に入れている。水稲だけでなく果樹や各種農産物、流通業界へと運用の裾野を広げていく方針。

事業者の声

世界進出と、稲作以外の作物での運用も視野に入れていきたい

公式の事例集より(原文のまま)

業種と困りごとが近い成果事例

大阪府情報通信業平成25年度

無電池型棚札システムの試作

電池内蔵型の電子ペーパー棚札の電源部を改造し、無線給電に対応した試作品を完成させた。

効果:表示書き換え時間 180秒→10秒

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成25年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。