ものづくり補助金平成25年度製造業茨城県

複数枚カッター刃を用い、カメラシャッター絞込み機構を応用した「新型ケーブル被覆剥離装置」の開発

株式会社MKエレクトロニクス

成果被覆剥離精度 0.2mm→0.05mm

この事例のポイント

  • 次々登場する新型ケーブルに対応するため、従来のアーム型回転方式では太物ケーブルで刃のくい込み力が出し切れず、ケーブルによっては被覆を平行に正確に引き抜けないケースが生じていた。
  • 新装置のカッター回転部に「カメラシャッター絞込み方式」を採用し、カメラのシャッター絞込み機構を応用して4枚刃が回転しながらスライドして被覆を剥離する構造とした。
  • 被覆剥離精度 0.2mm→0.05mm。被覆剥離精度が向上し、導体と被覆の密着性が高まった。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社MKエレクトロニクス
所在地茨城県 水戸市
業種その他の製造業
技術分野製造環境
従業員数12人
資本金2,000万円
設立28年

事業の背景

同社はケーブル被覆剥離装置の開発・製造・販売を主軸に事業を展開している。10年ほど前に開発したデジタルケーブルストリッパ「V刃2枚アーム回転式」は業界トップクラスの性能・操作性で高いシェアを誇る。しかし、ケーブルは太さ、素材、構造、被覆の材質・厚み・硬さなどが異なり、現在何万種類もあり、エコケーブルなど新ケーブルが次々登場している。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 新製品・新技術次々登場する新型ケーブルに対応するため、従来のアーム型回転方式では太物ケーブルで刃のくい込み力が出し切れず、ケーブルによっては被覆を平行に正確に引き抜けないケースが生じていた。
  • 生産能力産業用太物ケーブルの被覆剥離作業は被覆が厚く硬いため扱いにくく、現場での作業効率が悪かった。

やったこと

新装置のカッター回転部に「カメラシャッター絞込み方式」を採用し、カメラのシャッター絞込み機構を応用して4枚刃が回転しながらスライドして被覆を剥離する構造とした。これにより被覆剥離精度は±0.2ミリから±0.05ミリに高まり、導体と被覆の密着性が高い状態で剥離できるようになった。従来型は被覆剥離加工に約8秒かかっていたが、新方式では5秒に短縮された。外径2〜24ミリのケーブルに対応し、キャブタイヤケーブルやゴム、多芯シールドケーブルなど多彩な材料のケーブルを扱える。刃のくい込み量、ストリップ長、回転数、カッターバック値はすべてタッチパネル方式でデジタル設定でき、誰でも簡単に操作できる。緊急停止ボタンや作業状態が見える透明カバーも備えた。

加工機カメラシャッター絞込み方式の被覆剥離装置(太物用)

新しい製品・サービス:カメラシャッター絞込み方式の被覆剥離装置(太物用)

事業の効果

  • 被覆剥離精度 0.2mm→0.05mm
  • 被覆剥離加工時間 8秒→5秒

被覆剥離精度が向上し、導体と被覆の密着性が高まった。加工時間が短縮され作業効率が向上した。外径2〜24ミリの多様なケーブルに対応できるようになり、タッチパネル操作により誰でも簡単に扱え、安全性も高まった。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均3.0 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性73%
  • これまでの取組との一貫性3

    10年前の初のデジタル製品開発から継続してケーブル被覆剥離装置に取り組んでいることは読み取れるが、経営戦略上の位置付けの明示は薄い。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    「V刃2枚型」が業界トップクラスの性能で高いシェアを誇ると記載があり、新ケーブル増加という外部環境への対応も示されている。

  • 課題の認識と解決4

    従来型の回転方式では太物ケーブルの刃のくい込み力が不足する課題を認識し、精度±0.2ミリから±0.05ミリへの改善を示している。

事業の実現可能性56%
  • 付加価値・賃上げの目標4

    被覆剥離加工時間を約8秒から5秒に短縮する目標と成果が数字で示されており、達成の裏付けもある。

  • 事業を進める体制2

    従業員12人の会社である点はうかがえるが、補助事業を遂行する体制や人材の具体的記述は見当たらない。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    外径2〜24ミリ、多芯シールドなど対象ケーブルを具体的に示し、誰でも簡単に操作できる点を選ばれる理由として挙げている。

  • 事業化までの道筋3

    CE宣言を目標に安全評価試験を行い、QRコード対応型装置を来年早々に発売予定とする時期の見通しが示されている。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    ケーブル被覆剥離装置は同分野で高水準の性能を持つとされ、特許・意匠権を取得し業界トップクラスと記載されている。

公的補助の必要性60%
  • 波及効果・雇用3

    自動車産業や次世代エネルギー産業で使用量が増えるケーブル処理への貢献がうかがえるが、雇用創出や波及効果の数字は示されていない。

  • 費用対効果3

    作業時間の短縮(8秒から5秒)や売上の伸びは示されるが、補助金投入額に対する費用対効果の記述はない。

  • イノベーションへの貢献3

    タッチパネル設定やQRコード対応など、デジタル技術の活用による作業ミス低減が記載されている。

政策面40%
  • 成長分野への進出2

    次世代エネルギー産業や自動車産業への言及はあるが、日本経済の構造転換に資するとの明確な記述はない。

  • 地域経済への波及2

    水戸市の本社所在地は記載されているが、地域の特性を活かした付加価値創出や雇用拡大の記述は見当たらない。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

カメラシャッター絞込み方式の装置は製品化されて売上が予想以上に伸び、海外トップメーカーからのオファーでOEM販売も進んでいる。今後は自動車関連、配電盤関連、エネルギー関連など幅広い市場でユーザー拡大が見込まれ、来年早々にはQRコード対応型装置を発売予定である。また、CE宣言を目標に安全評価試験を行い、海外市場も視野に海外販路拡大を見据えている。

事業者の声

10年前には考えられなかったことが、今や現実となっています。弊社のように小さな会社でも、世間が求める製品を作る能力があることが証明できた。次のステップでは、必ずや主役となるはず

公式の事例集より(原文のまま)

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成25年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。