ものづくり補助金平成28年度製造業滋賀県

1点からのオリジナル形状スケールの生産体制の確立

株式会社ワークス松下

成果加工コスト 100%→50%

この事例のポイント

  • ユーザーからデザイン性と機能性を兼ね備えたオリジナル形状スケールへの要望が増えていたが、1点からの任意形状を生産する体制がなかった。
  • レーザー切断加工機の加工要件を、ユーザーニーズを基に素材はステンレスに限定し、サイズ・形状・微細加工性・切断面仕上がりへの対応として整理した。
  • 加工コスト 100%→50%。レーザー切断加工機の導入とアシストガスなしの加工条件により、1点からのオリジナル形状スケールを低コストで生産できる体制…

事業者のプロフィール

事業者名株式会社ワークス松下
所在地滋賀県 大津市
業種その他の製造業
技術分野製造環境
従業員数5人
資本金1,000万円
設立1955年

事業の背景

株式会社ワークス松下は、建築家など作図のプロが使うプロ仕様の高精度スケールを製造している。製品販促用ノベルティーや自社オリジナル商品として、ロゴや図柄、名前を刻印したオリジナルスケールを1点から受注製造販売していた。近年はデザイン性と機能性を兼ね備えた文具が注目され、オリジナル形状のスケールを求めるユーザーが増えている。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 新製品・新技術ユーザーからデザイン性と機能性を兼ね備えたオリジナル形状スケールへの要望が増えていたが、1点からの任意形状を生産する体制がなかった。
  • コスト・採算レーザー切断による外形加工では窒素などのアシストガスを使うのが一般的で、小ロット・低コストでの生産が難しかった。

やったこと

レーザー切断加工機の加工要件を、ユーザーニーズを基に素材はステンレスに限定し、サイズ・形状・微細加工性・切断面仕上がりへの対応として整理した。その要件を踏まえ、レーザー出力・加工範囲・微細性と加工品質・タクトタイム・ランニングコストを考慮して、澁谷工業株式会社のレーザー切断加工機SILAS-SAMSPL2305を導入した。操作の習得には当初2週間程度の教育期間を設けたが、3日間で習得できた。加工テストではレーザー出力を0.1%ずつ変化させ、切断面の状態やバリ・カエリ(反り)を確認しながら最適な加工条件を決定した。コスト削減のためアシストガスなしで加工条件を検討し、レーザーの波長でステンレスの発色を青っぽい色や緑っぽい色に調整して視認性と意匠性を追求した。さらに表面をニッケルメッキ処理し、黒い表面に白色印字するバージョンも作成した。

加工機レーザー切断加工機 SILAS-SAMSPL2305(澁谷工業株式会社)

新しい製品・サービス:1点からのオリジナル形状スケール

事業の効果

  • 加工コスト 100%→50%
  • 機械操作の習得期間 14日→3日

レーザー切断加工機の導入とアシストガスなしの加工条件により、1点からのオリジナル形状スケールを低コストで生産できる体制の目途が立った。加工コストはほぼ半減し、機械操作も3日間で習得できた。テストサンプルはユーザー各社から高評価を受け、特にプロユースの購買への期待が高く、当初の目標は達成できた。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.7 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性67%
  • これまでの取組との一貫性3

    既存のスケール受注製造を基盤に、文具需要の増加を受けてオリジナル形状対応へ広げる流れが読み取れるが、経営戦略上の位置付けの明示は薄い。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    ユーザーニーズの増加や自社の高精度加工技術・自社製レーザーマーキング機といった強みを組み合わせる点が具体的に書かれている。

  • 課題の認識と解決3

    小ロット・低コスト生産体制の必要性は示されるが、課題の数値的な把握や高付加価値化の見通しの定量的な記載は薄い。

事業の実現可能性60%
  • 付加価値・賃上げの目標3

    加工コストがほぼ1/2に抑えられるとあり一定の数字はあるが、付加価値額や賃上げの目標値は書かれていない。

  • 事業を進める体制3

    従業員5人の体制で工場長が担当し、機械操作は3日で習得できたとあるが、体制全体の記載は限定的。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    プロユースの製図向け需要やユーザー各社の高評価、ルート別ヒアリングなど顧客ターゲットと選ばれる理由が具体的。

  • 事業化までの道筋4

    加工テストの繰り返し、ルート別ヒアリング、4年目の事業化予定など、遂行方法とスケジュールが具体的に示されている。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性60%
  • 新しさ・高付加価値3

    オリジナル形状スケールは文具ルートで求められ始めた段階とあり、高付加価値化の度合いは一部うかがえるが数値の裏付けは薄い。

公的補助の必要性47%
  • 波及効果・雇用2

    文具市場でのデザイン性と機能性への関心が増えていると述べるのみで、国が補助する波及効果や雇用創出の記載はわずか。

  • 費用対効果3

    加工コストがほぼ1/2になる点は費用対効果の一端だが、補助金額に対する付加価値増加の数値は書かれていない。

  • イノベーションへの貢献2

    レーザー切断とマーキングを組み合わせる技術的工夫はあるが、デジタル技術によるサプライチェーンへの貢献までは書かれていない。

政策面30%
  • 成長分野への進出1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 地域経済への波及2

    滋賀県大津市の企業であることは示されるが、地域特性を活かした雇用や地域経済の牽引についての記述はわずか。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

製図ルート、文具ルート、雑貨ルートでヒアリングを行い、4年目での事業化を予定している。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成28年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。