ものづくり補助金平成28年度製造業福島県

IoTシステム導入による究極の1個流し革新生産ラインの構築

林精器製造株式会社

この事例のポイント

  • グローバル化が進み、新興国に対抗するには加工技術改革が必須となっていた。
  • 高速回転同時5軸マシニングセンタを導入し、プレス抜きブランクから一気にネットシェープ加工を行えるようにした。
  • 成形から切削までの工期が短縮され、デザインの複雑化やプレス成形に不向きな硬質合金などの新しい要素の開発にも応えられるようになった。

事業者のプロフィール

事業者名林精器製造株式会社
所在地福島県 須賀川市
業種その他の製造業
技術分野精密加工
従業員数366人
資本金9,000万円
設立1921年

事業の背景

大正10年(1921年)創業の林精器製造は、国内唯一のウオッチケース(腕時計側)メーカーとして広範囲な金属精密加工技術を培ってきた。チタン・ステンレス鋼などの金属を加工し、高級腕時計メーカーから高い評価を受けている。一方で、ハイスピードで進むグローバル化と新興国の技術力向上により、製造コストの国際競争力が課題となっていた。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力グローバル化が進み、新興国に対抗するには加工技術改革が必須となっていた。
  • コスト・採算中国をはじめとする新興国の技術力向上に対し、製造コストの国際競争力が十分とは言えない状況だった。
  • 納期・工程短納期対応を図り新しい要素の開発ニーズへ応えるには、コスト・納期対応を含む加工技術の早急な改革が必要とされた。

やったこと

高速回転同時5軸マシニングセンタを導入し、プレス抜きブランクから一気にネットシェープ加工を行えるようにした。IoT制御により強靭型の機械を用いて、コスト削減、短納期対応力の強化、試作・複雑形状・難加工材料への工作を目指した。IoT管理システム「MT-LINKi」と「Interactive Whiteboard」を設置し、個々の機械の稼働状況を一元的に見える化するとともに、生産スケジューラーと情報共有を図って機械のダウンタイムを極小化した。自社開発の給材ロボットを同時5軸マシニングセンタ(2台)に連結し、24時間無人稼働によるIoT連動管理を可能にした。

加工機高速回転同時5軸マシニングセンタ
ソフトIoT管理システム「MT-LINKi」
その他Interactive Whiteboard
ロボット自社開発の給材ロボット

事業の効果

成形から切削までの工期が短縮され、デザインの複雑化やプレス成形に不向きな硬質合金などの新しい要素の開発にも応えられるようになった。機械の稼働状況をスマホやタブレットなどで遠隔監視・管理できるようになり、稼働監視と制御のシステムが連動した。24時間無人稼働と機械のダウンタイム極小化により、さらなるコスト削減と納期短縮が実現する見込みである。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.8 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性73%
  • これまでの取組との一貫性3

    国内唯一のウオッチケース製造と基幹事業の位置づけが書かれ、過去の金属精密加工の蓄積との一貫性がうかがえる。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    中国など新興国の技術力向上と国際競争力での製造コスト課題に対し、同時5軸マシニングセンタ導入で対応した経緯が具体的に書かれている。

  • 課題の認識と解決4

    成形から切削までの工期短縮、複雑形状や硬質合金への対応など、課題に対する高付加価値化の方向性が具体的に書かれている。

事業の実現可能性52%
  • 付加価値・賃上げの目標2

    付加価値額や賃上げの目標値は示されておらず、コスト削減や納期短縮の方向性のみがうかがえる。

  • 事業を進める体制3

    社内で設計から組立まで一貫対応できる体制が書かれているが、人材や事務処理能力の確保については具体性が薄い。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    高級腕時計メーカーから高い評価を受けている点や、国内外からのオーダー増への期待が具体的に書かれている。

  • 事業化までの道筋3

    既存の研磨ロボットと連携する革新生産ラインの構築に取り組むという今後の方針はあるが、スケジュールや解決方法は具体性が薄い。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性60%
  • 新しさ・高付加価値3

    チタンやステンレス鋼の高品位な鏡面仕上げが高級腕時計に欠かせない点は書かれているが、分野の普及度や高価格化の水準は具体的でない。

公的補助の必要性53%
  • 波及効果・雇用2

    ロボットシステムや次世代自動車分野への展開が示され、地域や雇用への波及がわずかにうかがえる。

  • 費用対効果2

    24時間無人稼働やダウンタイム極小化によるコスト削減が述べられるが、投入額に対する効果の数値は示されていない。

  • イノベーションへの貢献4

    IoT制御マシニングセンタやネットワーク接続、AIによる予防保全の構想など、先端的なデジタル技術の活用が具体的に書かれている。

政策面40%
  • 成長分野への進出2

    ロボットシステムや次世代自動車分野などへの事業展開を目指す記述から、成長分野への進出がわずかにうかがえる。

  • 地域経済への波及2

    福島県須賀川市の立地は示されるが、地域の特性を活かした雇用創出や地域成長への言及は乏しい。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

AIを活かした管理体制の構築へ向け、既存の研磨ロボットと連携する革新生産ラインの構築に取り組む。国内外からのオーダー増にも期待している。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成28年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。