ものづくり補助金平成25年度卸売業、小売業茨城県

結城紬専用のオリジナル絣図案設計システムの開発とその活用による新規市場開拓

奥順株式会社

成果出力用紙の枚数 2枚→1枚

この事例のポイント

  • 旧式のMS-DOS版図案設計ソフトを使っており、多様化する顧客ニーズに対して提案の幅が狭かった。
  • 結城紬専用の図案設計ソフト「タフコンWindows版」を導入し、ソフトウエア会社と打ち合わせを重ねて今の市場の要望に合わせて開発した。
  • 出力用紙の枚数 2枚→1枚。新しいタフコンにより、絣の文様表現力が格段に向上し、多様化する顧客ニーズに即応できるようになった。

事業者のプロフィール

事業者名奥順株式会社
所在地茨城県 結城市
業種繊維・衣服等卸売業
技術分野情報処理
従業員数58人
資本金6,000万円
設立1907年

事業の背景

1907年創業の結城紬産地卸問屋として、商品の企画と製造を手がけてきた。近年の着物離れに加え、多様化する顧客ニーズに図案設計で応える必要が高まっていた。しかし旧式のシステムのため提案の幅が狭いのが現状だった。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 新製品・新技術旧式のMS-DOS版図案設計ソフトを使っており、多様化する顧客ニーズに対して提案の幅が狭かった。
  • 生産能力図案ソフトと デザインソフトに互換性がなく操作が連動しないため、作業効率が非常に悪かった。
  • その他周辺機器は中古品でしのいでおり、モニターは小さくデザイン全体のバランスを確認しにくかった。フロッピーに保存したデータが劣化で消え始めていた。

やったこと

結城紬専用の図案設計ソフト「タフコンWindows版」を導入し、ソフトウエア会社と打ち合わせを重ねて今の市場の要望に合わせて開発した。イメージデザイン作成、絣入力、配色編集、仕立てシミュレーションを同じパソコンで行えるようにした。仕立上りのイメージから絣入力を修正でき、絣の図案をよりリアルに考えられるようにした。専用プリンターとスキャナーも導入し、従来2枚に分けて出力していた図面を1枚の紙で印刷できるようにした。

ソフト結城紬図案設計ソフト「タフコンWindows版」
その他専用プリンター
検査測定専用スキャナー

事業の効果

  • 出力用紙の枚数 2枚→1枚

新しいタフコンにより、絣の文様表現力が格段に向上し、多様化する顧客ニーズに即応できるようになった。ソフトの操作が容易になり、操作技術の習得期間も短くなった。プリンターの更新で出力時間が短縮され、図面も1枚の紙で出力できるようになった。これらにより新規顧客の獲得と需要拡大を目指せるようになった。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.6 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性60%
  • これまでの取組との一貫性3

    旧式のMS-DOS版タフコンを新しくする経緯は書かれているが、経営戦略上の位置づけや過去の取組との一貫性は具体的に読み取れない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    顧客ニーズの多様化や一尺から二尺柄への変化に触れており外部環境は読み取れるが、自社の強み・弱みと競争優位の関係は具体的に書かれていない。

  • 課題の認識と解決3

    旧システムで提案の幅が狭いという課題と、新ソフトで表現力を上げる対応は書かれているが、高付加価値化の計画としての具体性が薄い。

事業の実現可能性44%
  • 付加価値・賃上げの目標2

    新規顧客獲得や需要拡大を目指すとあるが、付加価値額や賃上げの数値目標は書かれておらず、わずかにうかがえる程度。

  • 事業を進める体制2

    ソフトウエア会社と打ち合わせを重ねたとあるが、補助事業を遂行する人材や事務体制についてはほとんど書かれていない。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    顧客ニーズに即応する絣図案の提案、50~60代既存顧客と30~40代の新規顧客向け商品開発など、ターゲットと提供価値が具体的に読み取れる。

  • 事業化までの道筋2

    新規顧客向け商品開発に取り組みたいとの今後の考えはあるが、スケジュールや課題の解決方法は書かれていない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    結城紬の絣図案設計という分野で、飛び柄や二尺の流れなど高付加価値な表現を図る取組として具体的に読み取れる。

公的補助の必要性60%
  • 波及効果・雇用3

    結城紬の産地発展や国の重要無形文化財としての伝承には触れるが、波及効果や雇用創出の数値は書かれていない。

  • 費用対効果3

    出力時間の短縮や技術習得期間の短縮など効果は書かれているが、補助額に対する付加価値増加の数値は示されていない。

  • イノベーションへの貢献3

    デザインソフトと連動したデジタル化で作業を統合した点は読み取れるが、産地全体や供給網への貢献は具体的に書かれていない。

政策面40%
  • 成長分野への進出1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 地域経済への波及3

    結城市の伝統産業である結城紬の産地卸問屋として、地域の産業を担う姿勢は読み取れるが、地域経済成長への寄与は具体性が薄い。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

50~60代の既存顧客に加え、新たなソフトで表現力を高め、新規顧客となる30~40代向けの商品開発にも取り組む考えである。

事業者の声

日本古来の手作りの良さを持つ、国の重要無形文化財指定の『結城紬』。世界最高の絹織物として後世に伝承し、創る人々と着る人々の間に立ち、真の美を求め、そこに関わる全ての人の幸せを願い、誇りを持って歩んでいく企業です

公式の事例集より(原文のまま)

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成25年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。