ものづくり補助金平成25年度製造業京都府

自社設備(大型プレーナー)の改良によるリードタイム短縮化・短納期化の実現

有限会社丸龍商事

成果製作日数 352日→240日

この事例のポイント

  • 既存の大型プレーナー機は昭和40年代の製造機械でアナログ的で非効率であり、顧客の高度化・多様化するニーズに対応しにくくなっていた。
  • 既存の大型プレーナー機1台を改良した。
  • 製作日数 352日→240日。既存設備の改良によりリードタイムが短縮され、短納期化を実現できる体制を構築した。

事業者のプロフィール

事業者名有限会社丸龍商事
所在地京都府 京都府京丹後市
業種業務用機械器具製造業
技術分野機械制御,精密加工,製造環境
従業員数6人
資本金1.2億円
設立1982年

事業の背景

当社は切断機製作一筋で創業約40年の零細企業で、主力製品は価格の大きい大型動力切断機である。顧客は建設業界が中心で、東日本の復興、名古屋地域の高層建築ラッシュ、熊本の復興や東京オリンピックの建築準備などによりミニバブルと言われる建築ブームにあった。そのため各業界の機械ニーズは高度化・多様化し、特に納期対応が課題となっていた。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力既存の大型プレーナー機は昭和40年代の製造機械でアナログ的で非効率であり、顧客の高度化・多様化するニーズに対応しにくくなっていた。
  • 納期・工程大型動力切断機は1台あたりの製作工程に約1ヶ月かかり、リードタイムは約42日で、大型製品は納入まで2年待ちの状況だった。
  • 納期・工程納期対応が間に合わず売り逃しや機会損失が発生しており、受注が増えるほど納期遅れの可能性が高まっていた。
  • 生産能力同機械は国内で製造するメーカーがなく新規購入できないため、既存機を改良して近代化して使うしかない状況だった。

やったこと

既存の大型プレーナー機1台を改良した。加工領域を広げるため幅と高さを変更し、一度に加工できる範囲と量を増やした。サーボモーターを取り付けて電気制御装置で加工スピードを調整し、細かい加工部分は速度を緩めて加工精度を上げ、大まかな部分は速度を上げて加工時間を短縮できるようにした。テーブル駆動装置をレトロフィット化し、段取りとギア調整を自動化して段取り時間をゼロにし、大幅な加工スピードアップを可能にした。改良業者を選定し、加工スピード・領域・精度・安全性・作業性の観点から機械能力を分析して具体的な改良設計を業者と協議した。機械改良に合わせて作業環境を整え、熟練工が新人技術者や短期経験の技術者の能力に合わせて技術指導を行った。

加工機大型プレーナー機(既存設備の改良)
その他サーボモーター制御版
その他テーブル駆動装置

事業の効果

  • 製作日数 352日→240日

既存設備の改良によりリードタイムが短縮され、短納期化を実現できる体制を構築した。加工スピード・領域・精度・安全性・作業性の面で機械能力が向上し、大幅な効率性アップと消費電力のコストダウンにも成功した。製作日数の短縮により時間的余裕が生まれ、追加受注が増え、従来は断っていた展示会への出展や新製品の販路開拓もできるようになった。また後継者育成のため取引先への営業を複数人で行えるようになり、経営競争力が大幅に向上した。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.9 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性67%
  • これまでの取組との一貫性3

    創業40年・切断機一筋で事業を続けてきたと書かれ、既存設備改良の経緯は読めるが、経営戦略上の位置づけまでは具体的に書かれていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    輸出・ODAルートや展示会での好評価、納期1年待ちなど強みは読み取れるが、競争優位の根拠を数字で示す記述は限定的。

  • 課題の認識と解決4

    納期2年待ちや売り逃しの課題を認識し、製作日数を352日から240日に短縮する改良で対応する具体的な計画が読み取れる。

事業の実現可能性64%
  • 付加価値・賃上げの目標4

    製作日数を352日から240日へ112日(約4か月)短縮する目標と結果が数字で示されており、達成済みの実績として読み取れる。

  • 事業を進める体制4

    熟練工による人材研修、人員増員、作業環境整備を実施したと書かれ、遂行体制が具体的に読み取れる。

  • 顧客とニーズの裏付け3

    顧客ニーズへの対応や展示会での引き合い増は読めるが、ターゲットや選ばれる理由の整理は具体性が薄い。

  • 事業化までの道筋4

    改良の検証、設計、業者協議、設置、人材育成の順に実施スケジュールが示されており、手順は明確。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性60%
  • 新しさ・高付加価値3

    大型動力切断機は建築業界向けで、高水準の高付加価値化を示す記述はあるが、普及度や高価格化の数字は示されていない。

公的補助の必要性53%
  • 波及効果・雇用2

    国内に製造メーカーがなく、ODAなど海外事業への言及はあるが、国が補助する積極的理由は明示されていない。

  • 費用対効果4

    改良により製作日数が112日短縮され、消費電力のコストダウンにも成功したと具体的に書かれ、効果は数字で示されている。

  • イノベーションへの貢献2

    サーボモーター制御など制御の改良はあるが、サプライチェーンや地域イノベーションへの貢献はうかがえる程度。

政策面30%
  • 成長分野への進出1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 地域経済への波及2

    京丹後の地域企業とされるが、地域の特性を活かした雇用創出や地域経済成長への言及は乏しい。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

当社の弱みである設備の古さやアナログ的な生産能力を改善して強みに変え、機会へと結び付ける活動を続ける。顧客対応が可能な設備を今後も導入していく。現在の販売は建築業界に限られているが、他業種からも注目されているため他業界への販路開拓を進め、将来的には営業担当者の養成を図る。海外市場はODAとJICAルートによる需要が堅調なため、さらに積極的に伸ばしていく。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成25年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。