ものづくり補助金平成25年度製造業茨城県

伝統製法「生切り製法」の継承で他にはない商品群提供の為の新たな基盤構築

有限会社歌舞伎あられ池田屋

成果生産性が10%以上向上

この事例のポイント

  • 従来の生切り機械は古く調整が難しく、一人のベテラン職人しか操作できず、若手への技術継承が進まなかった。
  • 丸刃水切切断機、中型仕上げ練機、味付け用ドラム混合機を導入した。
  • 生産性が10%以上向上。丸刃水切切断機の導入で製造が標準化され、商品ロスと調整・メンテナンスの時間が減った。

事業者のプロフィール

事業者名有限会社歌舞伎あられ池田屋
所在地茨城県 取手市
業種食料品製造業
従業員数19人
資本金300万円
設立2013年

事業の背景

有限会社歌舞伎あられ池田屋は、厳選した国内産もち米を杵つき・天日干しで仕上げる伝統製法のあられ・おかきを製造しており、厚焼きおかき「九重」は第25回全国菓子大博覧会で名誉総裁賞を受賞している。米菓子類市場は成熟化して需要は横ばいが続き、一方で「やわらかい食感の米菓」がブームとなるなど消費者の嗜好は多様化し、メーカーには多品種小ロット製造が求められている。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力従来の生切り機械は古く調整が難しく、一人のベテラン職人しか操作できず、若手への技術継承が進まなかった。
  • 人手・技能「やわらかい食感」のおかきは職人の勘と匠の技に頼っており、業務の標準化が必要だった。
  • 生産能力多品種小ロット生産が求められる中で、単一ラインでの練り込み商品の切り替えに設備洗浄や段取り替えで多くの時間がかかっていた。
  • 品質・精度味替えの掃除や段取り替えに時間がかかり、アレルゲン等の意図しない混入(コンタミネーション)のおそれがあった。

やったこと

丸刃水切切断機、中型仕上げ練機、味付け用ドラム混合機を導入した。丸刃水切切断機により生切りの業務を標準化し、ベルトのずれなどが減って製造時の商品ロスと調整・メンテナンスの時間が減り、若手社員が伝統製法と技術を継承できるようになった。中型仕上げ練機は2台導入され、ピーナッツ、ゴボウ、しらすなどの素材を生地に直接練り込めるようになり、単一ラインでの洗浄や段取り替えの負担が減った。味付け用ドラム混合機により味替えの段取り替え時間を大幅に短縮し、特定原材料の意図しない混入を分離して防止できるようになった。

  • 加工機丸刃水切切断機中型仕上げ練機味付け用ドラム混合機

新しい製品・サービス:ピーナッツ、ゴボウ、しらすなどを練り込んだ、独創的で素材の良さを生かしたあられ・おかき

事業の効果

  • 生産性が10%以上向上

丸刃水切切断機の導入で製造が標準化され、商品ロスと調整・メンテナンスの時間が減った。若手社員が伝統製法と技術を継承できる体制ができた。中型仕上げ練機と味付け用ドラム混合機により、多品種小ロット生産での段取り替え時間が大幅に減り、生産効率が上がった。コンタミネーションを分離でき安全性が大幅に高まり、練り込み商品などの多角的な商品開発が可能になった。生産性は10%以上向上した。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均3.0 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性73%
  • これまでの取組との一貫性4

    杵つき・天日干しの伝統製法を守り続け、生切り製法の継承を設備導入の目的に据えており、過去の取組との一貫性が読み取れる。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    米菓市場は横ばい、やわらかい食感のブームという外部環境に触れ、練り込み商品での差別化を狙うと書かれているが、自社の資源の強み・弱みの分析は薄い。

  • 課題の認識と解決4

    ベテラン一人に依存していた生切り工程の課題を認識し、丸刃水切切断機で標準化し商品ロスと時間ロスを減らしたと具体的に書かれている。

事業の実現可能性64%
  • 付加価値・賃上げの目標3

    生産性10%以上向上という数字はあるが、付加価値額や賃上げの目標値は書かれておらず、目標の設定と実現可能性は読み取りにくい。

  • 事業を進める体制3

    若手社員が技術を継承できたと書かれているが、体制の人数や事務処理面の情報は乏しい。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    練り込みでしか実現できない見た目・食感の差やピーナッツ・ゴボウ・しらすなどの具体例により、選ばれる理由が整理されている。

  • 事業化までの道筋3

    今後は健康志向のカロリー抑えた商品や県産ゴボウの練り込みを検討すると書かれているが、スケジュールや遂行方法は書かれていない。

  • 財務と資金の調達3

    財務の状況は公開されている事例には出ないため、中間の3としています。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    ふんわり食感の高品質おかきで、第25回全国菓子大博覧会で名誉賞を受賞した厚焼きおかき九重など、同分野で高水準の高付加価値化を図る内容が読み取れる。

公的補助の必要性47%
  • 波及効果・雇用2

    地元の県産素材を活用する方針が触れられているが、地域経済への波及効果や雇用創出の具体的な記述は薄い。

  • 費用対効果3

    生産性10%以上向上や段取り替え時間の大幅短縮が書かれているが、投入額に対する付加価値額の増加は示されていない。

  • イノベーションへの貢献2

    コンタミネーションを分離して安全性を高めたと書かれているが、先端的デジタル技術やサプライチェーンへの貢献は読み取れない。

政策面40%
  • 成長分野への進出1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 地域経済への波及3

    取手市の地元素材を活かす方針が書かれており地域の特性への言及はあるが、雇用や地域成長を牽引する具体性は薄い。

今後の展望

導入した設備を生かし、時代のニーズに合った練り込み商品や、カロリーを抑えた健康志向の商品、県産素材を使った商品の開発を進めたいとしている。

事業者の声

みんなが食べておいしいもの、そして、食べた時に驚きを感じられるようなおかきとあられ作りに励んでいる。また、職人の地位を今よりも上げていき、誇りを持って仕事をしていかなければ

公式の事例集より(原文のまま)

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成25年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです(画像のPDFを文字起こししてから読み取りました)。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。