ものづくり補助金平成25年度製造業茨城県

光ファイバー用延伸加工装置の改良による生産体制の構築

有限会社飛田理化硝子製作所

成果延伸可能長は4,000mmを達成した。

この事例のポイント

  • 次世代光ファイバーの試作研究に必要な長尺母材を製作するため、従来の延伸装置では長尺化が非常に困難だった。
  • 従来の延伸装置は上部をチャックで支持・固定し、下部をローラーで引き取る方式だったが、下部のガラスの固定方法をローラー式からチャック方式に改良した。
  • 延伸可能長は4,000mmを達成した。延伸装置の改良により長尺な光ファイバー用母材の製造が可能となり、延伸可能長は4,000mmを達成した。

事業者のプロフィール

事業者名有限会社飛田理化硝子製作所
所在地茨城県 日立市
業種窯業・土石製品製造業
技術分野精密加工
従業員数7人
資本金300万円

事業の背景

同社は理化学ガラス機器や光ファイバー加工などを手がけるガラス加工専門メーカーで、光ファイバーに関する独自の技術を多く持つ。NTTアクセスサービスシステム研究所などの研究施設に対し、技術提案とともに試作品を提供している。近年は光ファイバー関連の技術革新が進み、次世代光ファイバーの研究が国内外で活発化しており、今後も極めて大きな市場規模が期待される。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力次世代光ファイバーの試作研究に必要な長尺母材を製作するため、従来の延伸装置では長尺化が非常に困難だった。
  • 品質・精度従来の延伸装置はローラーで引き取る方式のため、ガラスの自重による伸びや固定の不安定さから曲がり・反りが生じていた。
  • 品質・精度低温で延伸して自重による伸びを防ぐと、母材に歪みや融着不良が発生していた。

やったこと

従来の延伸装置は上部をチャックで支持・固定し、下部をローラーで引き取る方式だったが、下部のガラスの固定方法をローラー式からチャック方式に改良した。スクロールチャックとレールを用いた固定式の引取方法と回転機構を兼ね備えた装置とした。レールに沿ってボールねじを回転させて延伸する機構とし、延伸速度の安定化を図った。母材を同軸回転させながら延伸する機構にして加熱ムラによる外径の変形率を下げた。延伸前後の歪みを歪み検査機で検査・確認し、色分布で歪みの状況を判別して、延伸後の歪みを低減するよう加工パラメータに反映させた。

加工機光ファイバー用延伸加工装置(スクロールチャックとレールを用いた引取方法と回転機構を備えた改良装置)
検査測定歪み検査機

事業の効果

  • 延伸可能長は4,000mmを達成した。

延伸装置の改良により長尺な光ファイバー用母材の製造が可能となり、延伸可能長は4,000mmを達成した。ボールねじによる延伸で延伸速度が安定し、外径精度の向上に大きく役立った。同軸回転による延伸で加熱ムラによる外径の変形率が下がり、高品位な延伸加工が実現した。延伸前後の歪み検査により加工パラメータを調整し、延伸後の歪みを低減できるようになった。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.5 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性67%
  • これまでの取組との一貫性3

    光ファイバー関連の試作・母材加工を長年手がけ、独自技術を有すると書かれ、一貫性は読み取れるが、経営戦略上の位置付けは明記されていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    独自の技術やノウハウを活用すると書かれ、研究機関への提供実績はあるが、競合比較や市場での優位性の具体的な記述は薄い。

  • 課題の認識と解決4

    延伸可能長4,000mmの達成や歪み検査機導入など、課題と解決策が具体的に書かれ、競争力強化への寄与も示されている。

事業の実現可能性48%
  • 付加価値・賃上げの目標3

    延伸可能長4,000mmの達成は書かれているが、付加価値額や賃上げの目標値は記載がなく、実現可能性の数値根拠は薄い。

  • 事業を進める体制2

    従業員数7名と記載があるのみで、補助事業を遂行する体制や人材配置の具体的な記述はほぼない。

  • 顧客とニーズの裏付け3

    新規分野・新規顧客の開拓を目指すと書かれ、研究機関の顧客ニーズへの対応は読み取れるが、顧客ターゲットの整理は具体性が薄い。

  • 事業化までの道筋3

    装置改良の課題と解決方法は書かれているが、スケジュールや中長期の検証過程の記述は限定的である。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性40%
  • 新しさ・高付加価値2

    光ファイバー分野の市場規模が大きいと書かれるが、同分野での高付加価値化・高価格化の水準を示す記述は乏しい。

公的補助の必要性47%
  • 波及効果・雇用3

    次世代光ファイバー研究は国内外で活発で市場規模が期待されると書かれ、ネットワーク需要の増加も背景にあるが、雇用や波及効果の記述はない。

  • 費用対効果2

    費用対効果を示す付加価値額の増加や生産性向上の数値は記載されておらず、延伸可能長の向上のみが書かれている。

  • イノベーションへの貢献2

    ガラス加工の歪み検査機導入などの技術改良は書かれるが、デジタル技術やサプライチェーンへの貢献は明確には書かれていない。

政策面40%
  • 成長分野への進出2

    ネットワークトラフィック増加と次世代光ファイバー市場の成長に触れるが、日本経済の構造転換への言及は乏しい。

  • 地域経済への波及2

    日立市の所在地は書かれるが、地域特性を活かした雇用創出や地域経済成長への言及は読み取れない。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

光ファイバー用長尺母材の製作は職人の技術や経験値を高め、今後の競争力強化に大きく貢献する。将来的には研究機関を主とする従来顧客だけでなく、展示会への積極的な出展により新規分野・新規顧客の開拓を目指す。

事業者の声

長年、光関係の仕事に携わってきたことで、この分野は誰にも負けないという自負を持って仕事に取り組んでいます。我々は職人であるけれども、研究者の方々とディスカッションしながら、さらにいいものを作りたいという気持ちを大切にしていきたいと考えています

公式の事例集より(原文のまま)

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出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成25年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。