ものづくり補助金平成25年度製造業栃木県

産学連携による安価な動画マンガ広告の事業化

株式会社アイディ

この事例のポイント

  • 印刷業界の出荷額が縮小する中、デジタルコンテンツ分野の広告市場へ事業を広げる必要があった。
  • 産学連携により、文星芸術大学と同大デジタルマンガ専攻の学生とともに動画マンガ広告を開発した。
  • 3D入力デバイスと開発したプラグインにより工数が大幅に削減され、人物などの複雑な動きを滑らかに表現できるようになった。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社アイディ
所在地栃木県 宇都宮市
業種印刷・同関連業
従業員数20人
資本金2,800万円
設立2004年

事業の背景

2004年設立の当社は印刷物のデザインや広告制作を主業務とするデザイン制作会社である。2012年にウェブ事業部を立ち上げ、ホームページや電子書籍の制作も手がけてきた。印刷業界全体の出荷額が縮小する一方、インターネット等を活用した広告市場は高い伸びを示していた。若者向けの広告では文字より「イラストや映像」の方が理解されやすく興味を惹くという結果があり、クライアントからもイラストやマンガによる表現を求める声が徐々に増えていた。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 新製品・新技術印刷業界の出荷額が縮小する中、デジタルコンテンツ分野の広告市場へ事業を広げる必要があった。
  • 品質・精度動画マンガの動きを表現するには制作時間と費用がかかり、短期間かつ安価に提供するため工数の削減が欠かせなかった。
  • 新製品・新技術頻繁に使う動きを想定した演出効果のプラグインを開発する必要があった。

やったこと

産学連携により、文星芸術大学と同大デジタルマンガ専攻の学生とともに動画マンガ広告を開発した。本事業で導入した3D入力デバイスを使い、①まばたき効果、②フェードイン・フェードアウトのプラグインを作成した。これにより工数が大幅に削減され、人物などの複雑な動きを滑らかに表現できるようになった。同時に③口の動きにも対応できるようになった。プロの漫画家の相場と比較しておよそ3割程度安価で提供できる体制を整えた。

検査測定3D入力デバイス
ソフト演出効果プラグイン(まばたき・フェードイン/アウト・口の動き)

新しい製品・サービス:プラグインを独自開発した動画マンガ広告

事業の効果

3D入力デバイスと開発したプラグインにより工数が大幅に削減され、人物などの複雑な動きを滑らかに表現できるようになった。口の動きにも対応できるようになった。プロの漫画家の相場より約3割安価に提供でき、若年層から高齢層まで幅広く訴求できる。自治体の観光プロモーションや企業広告にも活用され、県外からの観光客やインバウンドなど幅広い層から注目を集めている。今後は海外への輸出も視野に入れている。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.7 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性53%
  • これまでの取組との一貫性2

    2004年設立のデザイン制作会社が2012年にウェブ事業部を立ち上げた経緯は書かれるが、本事業との戦略上の位置付けは明示されていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    広告市場がデジタル分野で高い伸びを示すとの外部環境は述べられ、産学連携で市場価格より約3割安く提供できる点が強みとして書かれている。

  • 課題の認識と解決3

    工数削減の必要性と、動きを想定したプラグイン開発という解決策は示されているが、事業計画の数値や成長目標は書かれていない。

事業の実現可能性48%
  • 付加価値・賃上げの目標1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 事業を進める体制3

    文星芸術大学と同大学の学生という外部パートナーの体制は書かれているが、人材や事務処理能力の詳細は薄い。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    約3割安価、学生ごとの複数タッチ、若年層から高齢層まで対象とする点など、製品価値と顧客ターゲットが具体的に示されている。

  • 事業化までの道筋3

    プラグイン開発の必要性と3D入力デバイスの導入による工数削減は書かれているが、スケジュールの詳細は示されていない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性60%
  • 新しさ・高付加価値3

    動画マンガ広告は新たな表現として注目を集めていると書かれるが、普及度の水準や高価格化の数値は示されていない。

公的補助の必要性67%
  • 波及効果・雇用3

    マンガ制作技術の海外輸出への貢献や、自治体の観光プロモーションへの活用など波及効果の方向性は書かれている。

  • 費用対効果3

    工数が大幅に削減されたとあるが、投入額に対する付加価値増加などの費用対効果の数値は示されていない。

  • イノベーションへの貢献4

    3D入力デバイスとプラグインによる動きの自動化など先端的なデジタル技術の活用が具体的に書かれ、自治体との連携も見られる。

政策面50%
  • 成長分野への進出3

    デジタルコンテンツ分野への進出とマンガ技術の海外輸出への貢献が述べられ、構造転換への寄与がうかがえる。

  • 地域経済への波及2

    観光名所を活用したマンガ広告が自治体で使われる例はあるが、地域の雇用や経済成長への効果は書かれていない。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

今後は英語圏やフランス、アジア諸国などにおいてMANGAの普及が加速していることから、国内だけでなく海外を視野に、日本のマンガ制作技術とマンガを活用したコンテンツの輸出に貢献していきたいと考えている。

  • 目標:プロの漫画家の相場と比較しておよそ3割程度安価で提供できる

事業者の声

新規事業に着手する際、手持ちの資金で始めるには決断と勇気が必要です。ものづくり補助事業のような支援策は、新たな分野への挑戦を後押ししてくれる頼もしい味方です。

公式の事例集より(原文のまま)

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成25年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。