新たな加工方法による「原板パネルの製作」と、それを活用した「新商品の開発」を間伐材で
従来チップ原料や合板芯材にしか使われていない国内の杉・檜の間伐材を、高付加価値の板材(原板パネル)に加工する新工法を開発した。
効果:従来工法と新工法の比較で約85%の時間短縮
プリントス株式会社
成果版を使った時と比べ価格を10分の1以下の1980円(消費税込み)に抑えた
| 事業者名 | プリントス株式会社 |
|---|---|
| 所在地 | 愛知県 一宮市 |
| 業種 | 印刷・同関連業 |
| 従業員数 | 30人 |
| 資本金 | 1,000万円 |
| 設立 | 1986年 |
同社は30年前から点字印刷を手がけ、駅の券売機操作盤や案内板などに点字を施してきた。点字は版を用いたスクリーン印刷でしか生産できず、個人では設置を断念する場合が多かった。視覚障害者は厚生労働省によれば10%に満たず、点字の識字率は上がらない状況にあった。
抱えていた課題
やったこと
平成26年度補正ものづくり・商業・サービス革新補助金を活用し、インクを重ねて厚盛り印刷ができる3Dインクジェットプリンターを導入した。ローランド製のUV-LEDインクジェットプリンターを用いてカラー点字を考案し、インクを重ねる厚盛り印刷で透明ではなく目立つ色の点字を作れるようにした。この装置で作成した「おまかせ点字シール」を、トイレなど家庭にあるものに貼れるシールとして11種類展開した。版を製作する必要がなくなったことで、印刷用の版を作って刷っていた時と比べ価格を10分の1以下の1980円(税込)に抑えた。
| 加工機 | 3Dインクジェットプリンター(厚盛り印刷対応) |
|---|---|
| 加工機 | UV-LEDインクジェットプリンター(ローランド製) |
新しい製品・サービス:おまかせ点字シール(家電製品や生活場面などのテーマごとに分類され、必要な単語が入った商品)
厚盛り印刷によりカラー点字を作れるようになり、版を使わずに安価に点字シールを製造できるようになった。価格は版を使った時の10分の1以下の1980円に抑えられ、売り上げは順調に伸びている。ECサイトを中心に販売し、家庭で点字に触れる機会を増やした。点字を目で楽しめる存在にして、健常者の点字への認識を高める効果が期待される。
いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています
事業の経緯は「30年前に始めた点字印刷」程度で、過去の取組との一貫性や経営戦略上の位置付けは具体的に読み取れない。
「版代が2―3万円」が「10分の1以下の1980円」になった点や、現在の市場(EC販売)の記載から強みは読み取れるが、競合や市場動向の分析は薄い。
従来は版代が2―3万円で個人が点字設置を断念していた課題を、価格を1980円に抑える製品で解決し、月平均30枚、約300枚販売と数字で示されている。
付加価値額や賃上げの目標値は記載がなく、売上の増加は「順調に伸びている」とあるのみで目標値は読み取れない。
従業員数30人、設立昭和61年、30年前からの点字印刷の実績はあるが、補助事業を遂行する人材や事務体制の具体的記述は薄い。
価格1980円、11種類のシール展開、EC中心の販売、需要ごとの単語入り商品など、顧客ターゲットと選ばれる理由が具体的に整理されている。
「需要がある限り生産は続ける」「外国語シールは要望があれば検討」とあり方向性はあるが、遂行スケジュールや課題解決方法は具体的に書かれていない。
公開されている事例からは読み取れません。
点字は一般に認知が低く、従来は版を使うスクリーン印刷のみで、カラー点字は「UV―L EDインクジェット」による厚盛り印刷で新たに考案されたと記載されている。
点字識字率の低さ(障害者の10%未満)や視覚障害者と晴眼者の壁を減らす社会的意義が書かれ、公的意義は読み取れるが国が補助する積極的理由は薄い。
版代が10分の1以下になり、点字設置の裾野が広がった点は読み取れるが、補助金額に対する付加価値増加などの費用対効果の数値は書かれていない。
カラーユニバーサルデザインへの参画や、晴眼者の関心を高める取組は読み取れるが、先端デジタル技術の活用やサプライチェーンへの貢献は具体性が薄い。
公開されている事例からは読み取れません。
一宮市の本社所在地は分かるが、地域の特性を活かした付加価値創出や地域経済の牽引についての記述はわずかにうかがえる程度。
5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。
需要がある限り生産を続ける方針。外国語の点字シールは現時点でないが、要望があれば検討する。
今まで点字は障害者だけのものだったが、一般の人も目で楽しみ、興味を持ってほしい
公式の事例集より(原文のまま)
従来チップ原料や合板芯材にしか使われていない国内の杉・檜の間伐材を、高付加価値の板材(原板パネル)に加工する新工法を開発した。
効果:従来工法と新工法の比較で約85%の時間短縮
平成25年度補正中小企業・小規模事業者ものづくり・商業・サービス革新事業(ものづくり補助金)を使い、画像寸法測定器や洗浄機などを導入した。
効果:洗浄工程で約32分短縮
CADシステムを導入し、印刷事業者から預かった図面データを事前に共有して修正や作成を行えるようにした。
効果:担当者は3日間でCADの操作をつかみ、自在に操ることができた。