ものづくり補助金平成25年度製造業栃木県

モバイル電力計測ツールの商品化による省エネ・エネルギー効率検証ビジネスの拡大と売り上げ向上

株式会社アンシブル

この事例のポイント

  • 電力計測の潜在市場はあるが、事業者もコンサルタントも必要性は認めつつ、費用が高い・面倒だとして敬遠気味だった。
  • 多数のセンサー情報をリアルタイムに一元収集し、いつでもどこからでもグラフで見られる計測ツール『SSSセット(Surveillance Service Set)』を開発試作した。
  • 多点のセンサー情報をリアルタイムに一元収集し、利用者がいつでもどこからでも電力使用状況をグラフで確認できるようになった。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社アンシブル
所在地栃木県 宇都宮市
業種情報通信機械器具製造業
技術分野測定計測
従業員数5人
資本金1,200万円
設立1993年

事業の背景

電力計測は事業者もコンサルタントも必要性は認めていたが、費用の高さや手間から敬遠されがちだった。一方で、地球規模の気象異常やCOP21関連のニュースを背景に、この潜在市場が一気に顕在化する可能性があった。そこで同社は、省エネ検証・改善・最適エネルギー選択提案を提供するビジネスモデルの構築を目指した。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 販路・情報発信電力計測の潜在市場はあるが、事業者もコンサルタントも必要性は認めつつ、費用が高い・面倒だとして敬遠気味だった。
  • その他省エネ検証・改善・最適エネルギー選択の提案を行うビジネスモデルがまだ確立していなかった。

やったこと

多数のセンサー情報をリアルタイムに一元収集し、いつでもどこからでもグラフで見られる計測ツール『SSSセット(Surveillance Service Set)』を開発試作した。計測データをIP網へ統合してクラウドで見える化する装置Aを試作し、無線センサーネットワークをPLC通信で装置Aへ接続する装置Bを試作した。電力計などの各種センサーをZigbee通信で束ねるSSSセンサーを開発し、高電圧の動力回路などの端子やブレーカ電極へ安全確実に接続できるマグネットコネクタも試作した。さらに、多点計測データを時間軸同期の色別グラフや積上げグラフで表示する機能、CSVダウンロード機能、IDパスワード認証機能を備えたクラウドのWebサーバープログラムを開発し、商用テストを開始した。

検査測定SSSセット(計測ツール)
その他装置A(IP網統合・クラウド見える化装置)
その他装置B(PLC通信装置)
検査測定SSSセンサー(Zigbee通信装置)
その他マグネットコネクタ
ソフトクラウドWebサーバープログラム

新しい製品・サービス:SSSセット(Surveillance Service Set):多数のセンサー情報をリアルタイムに収集し、クラウドで電力使用状況を見える化する電力計測ツール

事業の効果

多点のセンサー情報をリアルタイムに一元収集し、利用者がいつでもどこからでも電力使用状況をグラフで確認できるようになった。スマートフォンでグラフを見るまでの時間は、SSSの接続開始から約20分に短縮された。フィールド試験では2事業者の工場で製造設備の消費電力をリアルタイムに見える化し、設備改善の助言や補助金政策の利用支援につながる見通しを得た。約1秒間隔でデータを収集し、1分平均の電力データを予測に利用できる体制も整えた。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均3.4 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性80%
  • これまでの取組との一貫性4

    1957年設立の空調製造と、1993年設立のネットワーク設計で過去にエコワイズシステムを納入し、芳賀町スマートグリッド構築も実施している。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    宝飾市場2,315億円、ホテル等市場9,216億円という規模を示し、約1秒間隔のセンサー収集やZigbee・PLC接続で技術面の強みを説明している。

  • 課題の認識と解決4

    電力計測の課題として費用の高さ、手間、フィールドエンジニア確保の難しさを具体的に挙げ、対応策を示している。

事業の実現可能性68%
  • 付加価値・賃上げの目標4

    売上目標が年間100万円で現状20万円の500%up、年間500万円で現状10万円の333%upと数字で示されている。賃上げ目標は書かれていない。

  • 事業を進める体制4

    従業員25名と5名の体制に加え、宇都宮大学や帝京大理工学部などの専門家を含むNPO法人との協働実績が書かれている。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    2事業者でのフィールド試験や星のや京都・金谷ホテル等への提案先が挙がり、顧客ターゲットと提案先が明確になっている。

  • 事業化までの道筋3

    フィールドエンジニア確保という課題と対応の方向は書かれているが、遂行スケジュールや課題解決の期限は読み取れない。

  • 財務と資金の調達2

    資本金1,200万円と従業員数のみ記載があり、財務状況や金融機関からの資金調達の見込みは書かれていない。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    電力計測は事業者もコンサルも費用や手間から敬遠気味だったと書かれ、普及度が低い分野で新たな市場を狙う内容になっている。

公的補助の必要性60%
  • 波及効果・雇用3

    COP21関連ニュースで潜在市場が顕在化する可能性や、補助金政策の利用支援を事業の意義として挙げている。経済波及の数値は示されていない。

  • 費用対効果2

    補助金投入額や付加価値増加額など費用対効果を示す数値は書かれておらず、わずかに効果がうかがえるのみである。

  • イノベーションへの貢献4

    Zigbee、PLC通信、IP網、クラウドサーバーを組み合わせ、約1秒間隔の収集や1分平均の予測活用など先端的なデジタル技術を用いている。

政策面60%
  • 成長分野への進出3

    省エネ検証や最適エネルギー選択提案のビジネスモデルを掲げ、地球規模の気象異常を背景にした分野への進出がうかがえる。

  • 地域経済への波及3

    栃木県足利市と宇都宮市を拠点に、芳賀町のスマートグリッド構築や県内企業との連携が書かれているが、地域経済への効果は数値で示されていない。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

利潤を確保できるビジネスモデルの確立が急がれる。ニーズを顕在化させるため、NPO法人Leec21と連携して啓蒙・広報を進める。クラウドによるデジタルサイネージへの画像配信機能や電子メールによるお知らせ機能も活用し、市場獲得を目指す。ローカル(ビル内、工場内などの閉域)では空調設備のデマンド自動制御も可能になる。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成25年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。