ものづくり補助金平成27年度製造業岩手県

医療機器向け高精度部品の最新モデルを活用したブランクシステムの構築

株式会社 ツガワ

この事例のポイント

  • 北上工場のブランク加工機2機はいずれも購入から10年以上経過しており、医療機器向け部品に求められる精度を出せないため、高精度部品の受注が難しかった。
  • 医療機器向け高精度部品の受注拡大のため、高精度加工が可能な最新モデルのタレットパンチプレスを導入した。
  • これまで受注できなかった医療機器向け高精度部品の受注が可能になり、導入後は受注部品数が順調に増えている。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社 ツガワ
所在地岩手県 北上市
業種情報通信機械器具製造業
技術分野材料製造プロセス
従業員数470人
資本金3,500万円
設立1953年

事業の背景

当社はグループ全体で精密プレスから板金加工、塗装処理、完成組み立てまでの一貫した生産ラインを持つ。主要取引業種は半導体、通信、医療、金融などで、なかでも安定した受注が見込め成長が期待できる医療分野の受注拡大を目指していた。北上工場では主に板金加工を担当し、現在の医療分野の受注は売上全体の約20%である。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力北上工場のブランク加工機2機はいずれも購入から10年以上経過しており、医療機器向け部品に求められる精度を出せないため、高精度部品の受注が難しかった。
  • 人手・技能ブランク加工の後の成形加工やタップ加工を人手で行っており、業界全体の深刻な人手不足が予想される中で工程の自動化が必要だった。
  • 人手・技能工程が多く、経験値や熟練度に頼った人員配置になっていた。

やったこと

医療機器向け高精度部品の受注拡大のため、高精度加工が可能な最新モデルのタレットパンチプレスを導入した。このプレス機は、ブランク加工の後に人手で行っていた成形加工やネジを切るタップ加工を同時に行えるもので、複数工程を集約して業務にあたる人員の削減と熟練度に頼らない人員配置を目指した。導入にあたり、加工精度、バリ高さ、加工軸速度、加工キズなど全8種の項目を立てて実証試験を実施し、いずれも現行設備より良好な結果を得た。さらに、設備と管理用プログラミングソフトを同メーカーで統一し、IoTを活用した管理システムで打ち抜き回数などの稼働情報や金型の研磨・交換時期を自動管理できるようにした。

加工機タレットパンチプレス
ソフトIoTを活用した管理システム

事業の効果

これまで受注できなかった医療機器向け高精度部品の受注が可能になり、導入後は受注部品数が順調に増えている。工程の集約と自動化により生産性が向上し、加工スピードも約10%向上した。派遣社員や若手社員も活用できるようになり、効率的な人員配置にも貢献している。IoT管理により稼働情報や金型管理を高い精度で行えるようになり、ロットアウト品やNG品の発生をほぼゼロに抑えることができた。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.9 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性67%
  • これまでの取組との一貫性3

    既存の医療分野拡大を目指す方針と、精密プレス・板金の一貫体制が書かれており、戦略上の位置づけは読み取れる。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    成長分野である医療分野の受注拡大を狙い、現有機が医療部品の精度に届かない点が書かれている。強みの記述は限定的。

  • 課題の認識と解決4

    購入後10年以上の機械で精度不足という課題を挙げ、新設備で高精度部品を受注できるようになったと具体的に書かれている。

事業の実現可能性56%
  • 付加価値・賃上げの目標4

    加工スピード約10%向上、医療分野の売上比率を約20%から40%へ拡大する目標が数字で示されている。

  • 事業を進める体制2

    派遣社員や若手の活用が可能になったとあるが、事業遂行体制としての人材や事務処理能力の記述は薄い。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    医療機器向け部品に求められる高い精度を満たすこと、医療分野が今後安定成長する分野だとの根拠が書かれている。

  • 事業化までの道筋3

    材料自動供給装置との組み合わせでラインを構築し量産化する方針はあるが、スケジュールや課題解決方法の記述は少ない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性60%
  • 新しさ・高付加価値3

    医療機器向け板金部品は成長分野とされ、高精度加工による差別化が書かれているが、市場の普及度の具体的数値はない。

公的補助の必要性60%
  • 波及効果・雇用2

    医療分野の成長性や人手不足への言及はあるが、経済波及や雇用創出など国が補助する理由は明示されていない。

  • 費用対効果4

    工程集約による工数削減、ロットアウト品ほぼゼロ、加工速度約10%向上など、投資効果が数字で示されている。

  • イノベーションへの貢献3

    IoTによる稼働情報の自動管理と管理データの一元化が書かれているが、地域やサプライチェーン全体への貢献は薄い。

政策面40%
  • 成長分野への進出2

    成長分野である医療分野への進出という記述はあるが、日本経済の構造転換に資するとの説明は乏しい。

  • 地域経済への波及2

    北上工場での板金加工と地域の事業という記述はあるが、地域の特性を活かした付加価値創出の具体性は薄い。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

今後は本設備と材料の自動供給装置を組み合わせたラインを構築して量産化体制を整え、さらなる受注拡大と生産性向上に努める方針である。

  • 目標:医療分野の売上比率 20%→40%

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成27年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。