ものづくり補助金平成28年度製造業群馬県

既存のGPS 端末の課題を解決するウェアラブルセンサーの試作開発

株式会社アイティーエム

成果端末の電波到達距離(市街地) 2km→5km

この事例のポイント

  • 既存のGPS端末は充電間隔が短く、精度が悪く、端末が大きいという課題を抱えている。
  • ウェアラブルセンサーの試作開発を行い、送受信装置の選定、通信方式の選定、各種専用ソフトウェアの作成などを含め、最終的には総合確認試験を含め全11ステップの取り組みを実施した。
  • 端末の電波到達距離(市街地) 2km→5km。端末サイズは既存製品以下を目指し、軽量化も含めほぼ目標を達成した。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社アイティーエム
所在地群馬県 高崎市
業種情報通信機械器具製造業
技術分野情報処理
従業員数23人
資本金1,000万円
設立2001年

事業の背景

警察と各自治体の徘徊に関する協定提携が進み、認知症SOSネットワークの構築も推進されるなど、徘徊見守りの需要が高まっている。当社は振動センサー技術を用いた省電力型小型端末による屋内移動検知システムを開発し、介護施設向けの徘徊検知システムを商品化した。また、そのシステムの技術とNTTドコモ社の小型GPS端末を活用した徘徊検知システムを事業化し、高崎市と前橋市に導入している。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力既存のGPS端末は充電間隔が短く、精度が悪く、端末が大きいという課題を抱えている。
  • 新製品・新技術市場のさまざまなニーズを満足させる徘徊検知商品が存在しない。
  • コスト・採算煩雑な手間を要する電池充電間隔が短く、月額料金の低廉化も課題である。

やったこと

ウェアラブルセンサーの試作開発を行い、送受信装置の選定、通信方式の選定、各種専用ソフトウェアの作成などを含め、最終的には総合確認試験を含め全11ステップの取り組みを実施した。端末サイズは縦44mm、横38.5mm、厚さ11mm、質量24gとなり、既存のドコモ製GPS端末と比較して一部目標未達成項目はあるものの、軽量化も含めほぼ目標を達成した。電波エリアは市街地で電波到達距離5km以上(目標2km以上)、山間部で電波到達距離2km以上(目標4km以上)となり、山間部は目標以下だったが市街地では目標の倍以上を達成した。電池充電間隔は通常利用で1カ月以上をクリアした。新たな開発用品の選定と造り込みの工夫により、現行商品と同等の価格を実現した。無線通信LoRaWANを使うことで、エリアフリーの通信網構築に成功した。

その他ウェアラブルセンサー試作品

新しい製品・サービス:振動センサーを用いた省電力型のウェアラブルセンサー式徘徊検知端末

事業の効果

  • 端末の電波到達距離(市街地) 2km→5km
  • 端末の電波到達距離(山間部) 4km→2km

端末サイズは既存製品以下を目指し、軽量化も含めほぼ目標を達成した。市街地では電波到達距離が目標の倍以上となり、エリアフリーの通信網構築が可能であることを確認した。電池充電間隔は通常利用で1カ月以上をクリアし、現行商品と同等の価格を実現した。今後は機能改善と端末単価低減に努める。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均3.0 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性73%
  • これまでの取組との一貫性3

    既存の徘徊検知システムを商品化し高崎市・前橋市に導入した実績があり、その延長で新端末を開発する流れは読み取れるが、経営戦略上の位置付けの記述は薄い。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    GPS端末の充電間隔・精度・端末サイズの課題を挙げ、NTTドコモ製と比較して軽量化や市街地5km以上の電波到達を示しており、強みと市場ニーズの関係が具体的。

  • 課題の認識と解決4

    充電間隔・精度・端末サイズという現状課題を明示し、ウェアラブルセンサー開発で解決する方針と、目標に対する達成状況が示されている。

事業の実現可能性56%
  • 付加価値・賃上げの目標4

    自治体100台・高齢者施設50台・一般30台など2年目以降の販売台数目標が数字で示されている。付加価値額や賃上げの目標は読み取れない。

  • 事業を進める体制2

    従業員数23人、全11ステップの取り組みとあるが、補助事業を遂行する人材や事務処理体制の具体的な記述はわずかにうかがえる程度。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    自治体・認知症高齢者施設・屋外動体物監視など顧客ターゲットを明示し、NTTドコモ製と同等価格、既存の引き合いなどニーズの裏付けもある。

  • 事業化までの道筋3

    全11ステップの取り組みや総合確認試験に触れているが、スケジュールや課題解決方法の詳細は読み取れず具体性が薄い。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    GPSの課題に対しLoRaWANを使う方式で、大企業のみが参入する位置検索サービス分野に独自の仕組みを作ったと記載されている。

公的補助の必要性60%
  • 波及効果・雇用3

    認知症施策推進5カ年計画や認知症SOSネットワークの推進など社会的課題への対応は述べられているが、雇用創出や波及効果の数値は書かれていない。

  • 費用対効果2

    補助金投入額に対する付加価値増加や費用対効果を示す数字は見当たらず、わずかに端末単価低減への言及がある程度。

  • イノベーションへの貢献4

    振動センサーとLoRaWANを用いた省電力IoT端末で、エリアフリーの通信網構築を確認したとあり、新しいデジタル技術による貢献がうかがえる。

政策面40%
  • 成長分野への進出2

    IoT商品として屋外動体物監視など新規分野に進出するとあるが、日本経済の構造転換に資するという記述はわずかにうかがえる程度。

  • 地域経済への波及2

    高崎市・前橋市など群馬県内の自治体への導入や県警との連携はあるが、地域の雇用や経済成長への言及はわずかにうかがえる程度。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

自治体には2年目以降年間100台、高齢者施設には2年目以降年間50台、一般顧客には2年目以降年間30台の販売を目指す。屋外動体物の監視では自転車共有システムを実施する自治体から引き合いがあり、2年目以降年間20台の販売を目標とする。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成28年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。