ものづくり補助金平成26年度製造業茨城県

外乱振動下でも精密な計量が可能な電磁式組込用計量ユニットの開発

新光電子株式会社

成果加振時における最大の重量表示変化の目標91%以上に達することができた

この事例のポイント

  • 従来の組込用計量ユニットは加振時にコイルとヨークが接触し、隙間が不均一になって表示値が変化してしまう。
  • 振動試験機と高速度カメラを新規導入し、振動状態を可視化して対策の効果を把握できるようにした。
  • 加振時における最大の重量表示変化の目標91%以上に達することができた。コイルとヨークの接触問題を解決し、加振時の重量表示変化の目標を達成した。

事業者のプロフィール

事業者名新光電子株式会社
所在地茨城県 下妻市
業種業務用機械器具製造業
技術分野測定計測
従業員数139人
資本金5,000万円
設立1963年

事業の背景

新光電子は電子天びんや個数はかり、物流計測機、組込用計量器などを生産し、自動車、調剤、航空・宇宙、物流、土木、化粧品・香料、製薬など幅広い分野で高精度の計量機能が評価されている。製造ライン上に組み込まれる計量ユニットは周辺設備からの振動の影響を避けられず、顧客側で環境を調整するか、メーカー側で振動対策の機能を盛り込むことが必要となった。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 品質・精度従来の組込用計量ユニットは加振時にコイルとヨークが接触し、隙間が不均一になって表示値が変化してしまう。
  • 生産能力工場内のコスト削減意識が高まる中で顧客側の振動対策のための追加設備投資は難しい場合が多い。

やったこと

振動試験機と高速度カメラを新規導入し、振動状態を可視化して対策の効果を把握できるようにした。従来品UF-620(幅56mm×長さ230mm×高さ65mm)を加振して高速度カメラでコイルとヨークの接触を確認した。コイルを支持するビームを一体成型からネジ締めによる組み立て式とし、ネジなどの補助部品追加に伴う重量や重心の変化が極力小さくなるよう板金の厚みや製作工程を見直した。その結果、接触問題を解決し、加振時の最大の重量表示変化の目標91%以上を達成した。この成果を応用して幅が約半分のUF-300(幅25mm×長さ250mm×高さ99mm)も製作された。

検査測定振動試験機
検査測定高速度カメラ

新しい製品・サービス:耐振動性を高めた電磁式組込用計量ユニット「UF-620」および幅を約半分にした「UF-300」

事業の効果

  • 加振時における最大の重量表示変化の目標91%以上に達することができた
  • 計量ユニットの幅 56mm→25mm

コイルとヨークの接触問題を解決し、加振時の重量表示変化の目標を達成した。さらに幅の狭いUF-300を製作したことで、限られた場所により多くのユニットを設置でき、生産性の向上が期待されている。計量ユニットは無人で定量注入などの作業ができ、人手不足の解消にもつながっているという。今後は応答性を向上させ、さらなる生産性アップを目指す。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.5 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性53%
  • これまでの取組との一貫性2

    創業1963年で精密計測の技術を積み重ねてきたことはうかがえるが、経営戦略上の位置付けは事例に明記されていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    音叉式センサは世界で唯一の技術と書かれ強みは読み取れるが、市場動向との関係や競争優位の根拠は具体的に示されていない。

  • 課題の認識と解決3

    顧客側の振動対策の追加投資が難しいという課題が示され、製品側で対策する方針は読み取れるが、事業計画全体の高付加価値化への道筋は薄い。

事業の実現可能性56%
  • 付加価値・賃上げの目標4

    加振時の最大重量表示変化の目標を91%以上とし、達成したと書かれており、数値目標とその達成が読み取れる。

  • 事業を進める体制2

    開発に取り組んだ体制や人員の記載は乏しく、従業員139名という数字がわずかに参考になる程度。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    薬やワクチンの注入、ベアリングへのグリス注入など用途と、人手不足解消につながる点が具体的に書かれている。

  • 事業化までの道筋3

    試作・評価・見直しの工程や、今後の応答性向上という課題は書かれているが、スケジュールは示されていない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性60%
  • 新しさ・高付加価値3

    電磁式計量ユニットの普及度は書かれず、UF-300による小型化で生産性が上がるという高付加価値の方向性はうかがえる。

公的補助の必要性47%
  • 波及効果・雇用2

    自動車、医薬、航空などの幅広い産業で使われると書かれ、波及効果は示唆されるが国が補助する理由は書かれていない。

  • 費用対効果2

    無人作業で人手不足の解消につながると書かれるが、補助金額に対する費用対効果の数字は示されていない。

  • イノベーションへの貢献3

    振動状態を高速度カメラで可視化する手法は具体的だが、サプライチェーン全体への貢献までは書かれていない。

政策面30%
  • 成長分野への進出1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 地域経済への波及2

    つくば事業所や下妻市という地域は書かれるが、地域の特性を活かした付加価値や雇用創出の記述はわずかにとどまる。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

今回導入した振動試験機を有効活用し、物体をのせてから表示されるまでの応答性の向上を目指し、さらなる生産性アップを図る。

事業者の声

1963年に精密変位測定器メーカーとして創業し、挑戦の気質とクリエイティブな発想で電子個数はかりや電子天びん、物流計測器など、世界初の製品を生み出してきた。中でもセンシング技術の象徴である音叉式センサーは、日本発のユニークな計量技術として世界中から高い評価を得ている。創業時のチャレンジ精神で新しい価値創造に挑戦していきたい

公式の事例集より(原文のまま)

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成26年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。