ものづくり補助金平成25年度製造業栃木県

世界初! ベクトル検知方式による次世代の磁性体検知機の開発

株式会社ディード

この事例のポイント

  • 既存の磁性体検知機は、周囲の鉄製ドアや駐車場の車などの磁性体が動いて磁場が乱れると、それを外乱として検知し不要な警告を出してしまう弱点があった。
  • 磁性体センサー「マグフィー」の後継として、ベクトル検知方式を採用した「マグフィーⅡ」を開発した。
  • ベクトル検知方式の採用により、小さな磁性体の検知や検知不要な環境ノイズの抑制など検知感度が向上した。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社ディード
所在地栃木県 矢板市
業種電気機械器具製造業
技術分野機械制御,測定計測
従業員数92人
資本金5,000万円
設立1946年

事業の背景

当社は1946年の創業以来、電話装置や心電計などの製造を経て医用機器の生産を拡大してきた。現在の事業は医療機器メーカーなどからの製造委託が中心で、自社製品の割合は売上全体の10%程度である。日本国内には約7,000台のMRI診断装置が設置されており、大きな磁性体の吸着事故は年間200件程度報告されている。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 品質・精度既存の磁性体検知機は、周囲の鉄製ドアや駐車場の車などの磁性体が動いて磁場が乱れると、それを外乱として検知し不要な警告を出してしまう弱点があった。
  • その他前後左右4本柱の構成では装置が大きく、医療現場に圧迫感や威圧感を与えていた。

やったこと

磁性体センサー「マグフィー」の後継として、ベクトル検知方式を採用した「マグフィーⅡ」を開発した。ベクトル検知方式は高感度磁気センサーを直交に実装する方式で、特許を取得している。これにより従来より高精度かつ安定的に検知でき、磁場外乱を抑制する機能も高精度化した。従来の前後左右4本柱から2本柱に改良して省スペース化を実現し、警告表示は光による3種類とし、据付アプリから表示設定を変更できるようにした。

新しい製品・サービス:ベクトル検知方式を採用した磁性体検知機「マグフィーⅡ」

事業の効果

ベクトル検知方式の採用により、小さな磁性体の検知や検知不要な環境ノイズの抑制など検知感度が向上した。省スペース化によって医療現場の圧迫感や威圧感を低減できた。警告表示の簡素化により使い勝手が格段に向上し、多様なユーザーの要望に応えられるようになった。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.6 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性73%
  • これまでの取組との一貫性4

    医用機器製造の技術力を活かし、磁性体センサー「マグフィー」を独自研究で開発してきた経緯が示され、今回の高精度化も既存製品の延長として位置付けられている。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    MRI装置の磁性体吸着事故が問題とされ、ベクトル検知方式で外乱を抑えた点は述べられるが、市場規模や競合との比較による優位性の記述は薄い。

  • 課題の認識と解決4

    大きな磁性体の吸着事故が年間200件程度、MRI設置は約7,000台と課題の規模が示され、高精度化と省スペース化で解決を図る内容になっている。

事業の実現可能性44%
  • 付加価値・賃上げの目標2

    高付加価値の創出や賃上げを実現する目標値は示されておらず、わずかに将来の自社製品割合拡大への意向がうかがえる程度である。

  • 事業を進める体制2

    従業員数92名や那須事業所の工場長の関与はわかるが、補助事業を遂行する体制や事務処理能力の具体的な記述は少ない。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    MRI室への磁性体持ち込み事故防止という顧客ニーズと、小さな磁性体の検知や警告表示の簡素化など選ばれる理由が具体的に書かれている。

  • 事業化までの道筋2

    今後は自社製品の開発に力を注ぐ、産業機械分野への展開を目指すといった方向性はあるが、スケジュールや課題解決の方法は示されていない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性100%
  • 新しさ・高付加価値5

    磁性体だけを検知する独自の検知機で、ベクトル検知方式は世界初とされ、同分野で高付加価値化を図る製品であることが示されている。

公的補助の必要性47%
  • 波及効果・雇用3

    医療現場での磁性体吸着事故防止という社会的な意義は読み取れるが、経済波及効果や雇用創出への言及は具体的ではない。

  • 費用対効果2

    補助金投入額に対する付加価値増加や費用対効果を示す数字は見当たらず、事故防止の効果が一般的に述べられている程度である。

  • イノベーションへの貢献2

    ベクトル検知方式という新しい技術の採用はあるが、サプライチェーン全体へのイノベーション貢献までは言及されていない。

政策面30%
  • 成長分野への進出1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 地域経済への波及2

    地域特性を活かした雇用創出や地域経済の成長への言及は見られず、栃木県の拠点は示されるが地域牽引の記述はわずかである。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

今後は自社製品の開発に力を注ぎ、「マグフィー」に代表される自社製品の割合を高めていく方針である。医療分野にとどまらず、広く産業機械製造分野にも技術力を活かして、ものづくりに貢献することを目指している。

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出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成25年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。