ものづくり補助金平成25年度製造業群馬県

使い捨て医療器具の低コスト化を図る超微細絞りパンチの試作開発

株式会社タカノ

成果絞りパンチ極細部外形寸法 0.66ミリ→0.19ミリ

この事例のポイント

  • 留置針用カシメピンの極細部外形寸法φ0.66ミリをさらに極細化する必要があった。
  • 従来の超硬材より靱性に優れた窒化粉末ハイス鋼を絞りパンチの素材に採用した。
  • 絞りパンチ極細部外形寸法 0.66ミリ→0.19ミリ。留置針用カシメピンの絞りパンチを極細化し、寸法と公差の目標を達成した。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社タカノ
所在地群馬県 太田市
業種金属製品製造業
技術分野精密加工
従業員数120人
資本金2,000万円
設立1969年

事業の背景

使い捨て医療器具の主な製品は点滴・透析などで用いられる留置針で、世界的に普及が拡大している。医療費負担の増加を抑えるため、使い捨て医療器具の低コスト化は不可欠であり、痛み軽減や女性・乳幼児への適用には極細化も大きな課題となっている。留置針用カシメピンの生産メーカーにとって、極細化による市場拡大が見込まれる。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 品質・精度留置針用カシメピンの極細部外形寸法φ0.66ミリをさらに極細化する必要があった。
  • 人手・技能極細部の高精度加工を実現するための加工技術と検証体制が不足していた。
  • 新製品・新技術留置針用カシメピンの低コスト化と極細化の両立を実現する絞りパンチの素材と工法が求められていた。

やったこと

従来の超硬材より靱性に優れた窒化粉末ハイス鋼を絞りパンチの素材に採用した。砥石圧力によるワークのしなりや熱膨張の影響を低減する機構を持つ研削機械設備を新たに導入した。この設備で極細部外形の高精度研削加工に取り組み、寸法φ0.19ミリ、公差範囲5μmの加工の実現に挑戦した。寸法と公差はいずれもクリアできた。

金型絞りパンチ(窒化粉末ハイス鋼製)
加工機高精度加工を実現する研削設備(砥石圧力による影響を低減する機構を持つもの)

新しい製品・サービス:留置針用カシメピンの深絞り用極細パンチ(超微細絞りパンチ)

事業の効果

  • 絞りパンチ極細部外形寸法 0.66ミリ→0.19ミリ
  • 公差範囲5μmの加工を実現

留置針用カシメピンの絞りパンチを極細化し、寸法と公差の目標を達成した。窒化粉末ハイス鋼の採用により折れの発生を抑えることを目指した。先端R部の加工精度と測定方法、寸法保証には課題が残り、今後は測定器環境を充実させ加工検証と測定検証を繰り返す予定である。極細化によりシェアアップが期待でき、展示会や自社サイトでのPR活動も続ける。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.5 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性60%
  • これまでの取組との一貫性2

    1969年設立の金属製品製造業で、留置針用カシメピン向け絞りパンチの生産が事業の中核とうかがえるが、経営戦略上の位置づけは書かれていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    使い捨て医療器具の需要拡大と極細化の要請、窒化粉末ハイス鋼の採用など市場動向と技術の強みに触れているが、競争優位の根拠は具体性が薄い。

  • 課題の認識と解決4

    絞りパンチの折れや極細化の課題を認識し、窒化粉末ハイス鋼と研削機構の導入で解決を図っており、課題と対策が対応している。

事業の実現可能性52%
  • 付加価値・賃上げの目標4

    極細部φ0.66ミリを70%以上極細化し、φ0.19ミリ公差5μmの加工実現に挑戦したと具体的に記載され、2020年に3,600万円超の売上を想定している。

  • 事業を進める体制2

    開発に取り組む体制はうかがえるが、人員数や担当、事務処理体制についての記述は見当たらない。

  • 顧客とニーズの裏付け3

    留置針用カシメピンの業界ニーズと極細化の要請は読み取れるが、顧客ターゲットや選ばれる理由の整理は薄い。

  • 事業化までの道筋3

    先端R部の寸法保証に向けた測定環境の充実や加工検証の繰り返しという今後の方針は示されているが、スケジュールは書かれていない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    φ0.19ミリ・公差5μmの超微細絞りパンチを同分野で実現したと示されており、高水準の高付加価値化が読み取れる。

公的補助の必要性40%
  • 波及効果・雇用3

    医療費負担の抑制や使い捨て器具の普及、輸出拡大への言及はあるが、雇用創出や波及効果の記述は薄い。

  • 費用対効果2

    低コスト化と生産効率化の目的はうかがえるが、補助金額に対する費用対効果を示す数値は見当たらない。

  • イノベーションへの貢献1

    公開されている事例からは読み取れません。

政策面30%
  • 成長分野への進出2

    医療器具分野の需要拡大に触れているが、日本経済の構造転換に資するとの記述は見当たらない。

  • 地域経済への波及1

    公開されている事例からは読み取れません。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

留置針用カシメピンの極細化が進めばシェアアップが期待でき、展示会や自社webサイトによるPR活動を続けることでさらなるシェア確保が可能と考えられる。2020年には3,600万円/年を超える売り上げを想定している。

  • 目標:2020年には3,600万円/年を超える売り上げを想定

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成25年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。