ものづくり補助金平成25年度製造業群馬県

海外メーカの追従を許さない高精度プレス金型づくりの技能確立

斉藤プレス工業株式会社

成果せん断面板厚 40%→100%

この事例のポイント

  • プレス加工のせん断面は板厚の約40%しか出ず、断面が斜めになるため、機能部として使うには機械加工が必要だった。
  • 新型ワイヤ放電加工機とCAD/CAMシステムを導入し、高精度プレス金型を設計試作した。
  • せん断面板厚 40%→100%。切削加工のプレス加工化が実現し、工数は半減して低コストでの生産が可能になった。

事業者のプロフィール

事業者名斉藤プレス工業株式会社
所在地群馬県 高崎市
業種金属製品製造業
技術分野精密加工
従業員数28人
資本金2,000万円
設立1965年

事業の背景

自動車業界では海外メーカーの現地生産化が進み、国内外ともに部品調達が現地に切り替わっていた。国内自動車部品メーカーの仕事は激減し、下請け企業の仕事も激減していた。当社は多くの自動車メーカーの生産拠点があるタイへも進出していた。2010年にはテクニカルセンターを開設し、試作と金型設計製作を行う拠点としていた。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力プレス加工のせん断面は板厚の約40%しか出ず、断面が斜めになるため、機能部として使うには機械加工が必要だった。
  • コスト・採算海外メーカーとの価格競争により、低付加価値の金型では受注を守れず、部品調達の海外流出を止められなかった。
  • 人手・技能切削加工で仕上げていたクラッチ部品の機能部をプレス加工化できず、コストダウンの要望に応えられなかった。

やったこと

新型ワイヤ放電加工機とCAD/CAMシステムを導入し、高精度プレス金型を設計試作した。本社工場で試作金型のトライ加工を行い、問題点をテクニカルセンターにフィードバックして加工ノウハウをデータとして蓄積した。試作とデータ収集を繰り返し、せん断面を面粗さ試験や、ノギス等による測定で評価した。その結果、せん断面の板厚80%以上が出せるようになり、最終的に目標を上回るほぼ100%を実現した。

加工機新型ワイヤ放電加工機
ソフトCAD/CAMシステム

新しい製品・サービス:高精度プレス金型

事業の効果

  • せん断面板厚 40%→100%
  • 金型販売単価 120万円/型→150万円/型
  • 事業化5年目に高精度金型で1,200万円の売上を見込む。
  • 事業化5年目にプレス部品で200万円の売上を見込む。

切削加工のプレス加工化が実現し、工数は半減して低コストでの生産が可能になった。0.001ミリの精度までプレス加工精度が実現でき、低コストで品質も安定した大量生産が可能となった。高精度金型により受注拡大と新規顧客の開拓が見込める。最新設備の導入によって若手技能者が抵抗なく技術開発に取り組めるようにもなった。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均3.4 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性80%
  • これまでの取組との一貫性4

    テクニカルセンター開設(2010年)や金型試作の拠点化など過去の取組の延長として高精度金型の技能確立を位置付けており、一貫性が読み取れる。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    海外メーカーの追従を許さない高精度金型を強みとし、通常120万円/型に対し約2割増の販売価格で競争優位を狙う点が具体的に書かれている。

  • 課題の認識と解決4

    せん断面板厚40%を80%以上へ改善する課題を示し、切削工程のプレス化で工数半減・低コスト化を図る計画が読み取れる。

事業の実現可能性68%
  • 付加価値・賃上げの目標5

    せん断面板厚ほぼ100%を実現、高精度金型1,200万円・プレス部品200万円の事業化5年目売上予測など数値目標と実績が示されている。

  • 事業を進める体制3

    従業員28人の企業でテクニカルセンターと本社工場の実施体制が図示されるが、人材や事務処理能力の具体的記述は薄い。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    海外で生産できない高精度金型をニーズとして捉え、新規顧客への受注拡大を見込む理由が具体的に書かれている。

  • 事業化までの道筋4

    試作とデータ収集を繰り返し、トライ結果をテクニカルセンターへフィードバックする遂行方法が示されている。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性100%
  • 新しさ・高付加価値5

    通常120万円/型の金型を約2割高い150万円/型で販売し、高水準の高付加価値化・高価格化を図る点が数字で示されている。

公的補助の必要性60%
  • 波及効果・雇用3

    自動車メーカーの現地生産化で国内部品の仕事が激減する状況が書かれるが、雇用創出や波及効果の記述は限定的。

  • 費用対効果4

    工数半減と低コスト生産、売上予測の数値が示されており、費用対効果の方向性は読み取れるが投入額との比較はない。

  • イノベーションへの貢献2

    高精度ワイヤ放電加工機とCAD/CAMの導入は書かれているが、サプライチェーンへの貢献や新ビジネスモデルの記述は乏しい。

政策面40%
  • 成長分野への進出2

    自動車業界の現地生産化への対応として高精度金型分野に進出する点はうかがえるが、日本経済の構造転換への言及はない。

  • 地域経済への波及2

    高崎市の企業である点は書かれるが、地域特性を活かした雇用や地域成長への言及はわずかにうかがえる程度。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

高精度金型は海外で生産できず国内でしか製作できないため、海外への流出は不可能と考えられる。こうした高精度金型へのニーズを捉え、受注拡大に努める。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成25年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。