ものづくり補助金平成25年度製造業滋賀県

太陽光発電素子製造用機械向け超高精度吸着板の開発の実現

株式会社ケントマテリアル

成果微細孔1孔あたりの加工時間 100秒→45秒

この事例のポイント

  • 太陽光発電素子製造用機械の吸着板となるSi基板への微細孔加工は、位置寸法と孔径において非常に高い精度と再現性が求められていた。
  • 弊社が培ってきた加工技術をCAD CAMに登録し、シミュレーションを繰り返して加工条件の最適化を行った。
  • 微細孔1孔あたりの加工時間 100秒→45秒。φ0.3㎜の微細孔加工で、工具折れなく位置寸法と外観の仕上がりが基準を満たす高精度加工が実現した。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社ケントマテリアル
所在地滋賀県 野洲市
業種金属製品製造業
技術分野精密加工
従業員数15人
資本金500万円
設立2007年

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 品質・精度太陽光発電素子製造用機械の吸着板となるSi基板への微細孔加工は、位置寸法と孔径において非常に高い精度と再現性が求められていた。
  • 品質・精度試作品に求められていた加工面の滑らかさに対し、従来設備では加工面の欠けや剥離が発生しやすく、課題となっていた。

やったこと

弊社が培ってきた加工技術をCAD CAMに登録し、シミュレーションを繰り返して加工条件の最適化を行った。牧野フライス社マシニングセンターV22に対し、微細孔加工に必要な条件や細かな動きを詳細に設定し、試運転で動作の実行性と安全性を検証した。過去実績のφ0.5㎜・深さ2㎜・孔数1024個の加工条件を参考に、φ0.3㎜・深さ2㎜の初回プログラムを作成した。シリコン板材に13行×13列(139箇所)の微細孔を試作し、主軸回転速度を12,000rpmから20,000rpm、さらに30,000rpmから40,000rpmへ段階的に上げ、切り込み深さと送り速度も合わせて上げて仕上がりを確認した。キーエンス社製の画像処理装置を設置し、微細孔の位置と孔径を高精度かつ高速に測定できる検査体制を整えた。

加工機マシニングセンターV22(牧野フライス社製)
ソフトCAD CAMソフト
検査測定画像処理装置(キーエンス社製)

新しい製品・サービス:超高精度吸着板(太陽光発電素子製造用機械向け、開発・製品化を目指す)

事業の効果

  • 微細孔1孔あたりの加工時間 100秒→45秒

φ0.3㎜の微細孔加工で、工具折れなく位置寸法と外観の仕上がりが基準を満たす高精度加工が実現した。従来設備に比べ加工面の仕上がり状態が明らかに向上し、欠けや剥離の発生を抑えられた。1孔あたりの加工時間は1分40秒から45秒へ短縮した。画像測定器により複数の微細孔を簡単な操作で安定して測定できるようになった。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.6 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性60%
  • これまでの取組との一貫性2

    弊社が培ってきた加工技術をCAD CAMに登録したとあるが、経営戦略上の位置付けや過去の取組との連続性は記載されていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    太陽光発電素子製造用機械の吸着板という分野と、従来のφ0.5mm加工をφ0.3mmに高度化する点は読み取れるが、市場動向や競合との比較は書かれていない。

  • 課題の認識と解決4

    従来設備の仕上がり不足や加工の欠け・剥離を課題とし、主軸振れの小ささで改善したと数字つきで示されており、課題認識と解決の方向は具体的である。

事業の実現可能性56%
  • 付加価値・賃上げの目標4

    一孔の加工時間を1分40秒から45秒へ短縮したと数字で示される一方、付加価値額や賃上げの目標値は書かれていない。

  • 事業を進める体制2

    担当者として生産統括マネージャーの名前と連絡先があり、従業員15人との記載もあるが、体制の詳細は読み取れない。

  • 顧客とニーズの裏付け3

    超高精度吸着板の開発・製品化を目指すとあるが、顧客ターゲットや選ばれる理由の整理は薄い。

  • 事業化までの道筋4

    課題を3項目に分け、試作、データベース化、検査システム構築の順で進めた経緯と、今後の関連企業との連携方針が示されている。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    φ0.3mm、深さ2mm、139箇所の微細孔をSi基板に加工する高精度化を示し、同分野で高水準の高付加価値化を図る内容と読める。

公的補助の必要性47%
  • 波及効果・雇用2

    太陽光発電素子製造用機械という環境・エネルギー分野への言及はあるが、雇用創出や波及効果の具体的な記載はない。

  • 費用対効果2

    加工時間の短縮や工具寿命の調査はあるが、補助金投入額に対する付加価値増加などの費用対効果の数字は書かれていない。

  • イノベーションへの貢献3

    画像測定器による高速・高精度の寸法検査システムの構築は示されるが、サプライチェーン全体への貢献は記載が薄い。

政策面30%
  • 成長分野への進出2

    太陽光発電という成長分野への進出はうかがえるが、日本経済の構造転換に資するという記載はない。

  • 地域経済への波及1

    公開されている事例からは読み取れません。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

今後はこの成果をもとに関連企業と連携しながら超高精度吸着板の開発並びに製品化の実現に向け取り組んでいく。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成25年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。