ものづくり補助金平成25年度製造業群馬県

プラチナ世代向けの機能性おしゃれ素材の開発

小林当織物株式会社

この事例のポイント

  • 既存のタイイングマシンではストレッチ糸・極細糸・ラメ糸に対応できず、3種類のジャガード服地素材を試作できなかった。
  • ストリーブ社のタイイングマシンを新たに導入し、既存設備では扱えなかったストレッチ糸・極細糸・ラメ糸に対応できるようにした。
  • 薄くて軽いおしゃれ素材はツナギ作業・試作開発ともに「優」と評価された。

事業者のプロフィール

事業者名小林当織物株式会社
所在地群馬県 群馬県桐生市
業種繊維工業
技術分野材料製造プロセス
従業員数24人
資本金5,000万円
設立1950年

事業の背景

プラチナ世代(アクティブなシニア世代)の衣料品市場は、潜在需要を含めると約6兆円とされる(三菱総合研究所調査)。この世代の女性は現状の高齢者向けファッションに不満を持ち、おしゃれへの関心が高い。一方で若い女性向けと同じでは合わず、着やすさなどの機能性への配慮も求められる。当社はこの世代向けの機能性おしゃれ素材を主力品として開発に着手した。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力既存のタイイングマシンではストレッチ糸・極細糸・ラメ糸に対応できず、3種類のジャガード服地素材を試作できなかった。
  • 品質・精度タテ糸のツナギ作業を省力化するための検証と、素材の品質向上が必要だった。

やったこと

ストリーブ社のタイイングマシンを新たに導入し、既存設備では扱えなかったストレッチ糸・極細糸・ラメ糸に対応できるようにした。このマシンを用いて3種類のジャガード織物の試作開発を行った。1つ目はタテ糸とヨコ糸をストレッチ糸としたたてよこ両方向に伸縮性のあるおしゃれ素材である。2つ目はタテ糸に10Dの極細糸を用いた薄くて軽いおしゃれ素材である。3つ目はたてよこ両方にラメ糸を用いた光沢きらびやかなジャガード織物である。ツナギ作業の評価は目標値の半分未満を「優」、半分以上2倍未満を「良」とし、試作開発を完了できなかった場合は「不可」と判定した。

加工機ストリーブ社製タイイングマシン

新しい製品・サービス:プラチナ世代向けの機能性おしゃれ素材(ストレッチ糸・極細糸・ラメ糸を用いたジャガード服地素材3種)

事業の効果

薄くて軽いおしゃれ素材はツナギ作業・試作開発ともに「優」と評価された。伸縮性のある素材はツナギ作業が「可」、試作開発は「優」だった。光沢きらびやかな織物はツナギ作業が「可」、試作開発は「不可」となり、一部の試作品は規格変更を余儀なくされた。コスト面では仮ツナギを用いずにツナギ作業ができることが確認でき、省力化の見通しが立った。3種類の売り上げ見込みは2016年度1,900万円、2019年度6,900万円とされる。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.5 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性67%
  • これまでの取組との一貫性3

    主力品としてプラチナ世代向け素材を位置付けたが、これまでの取組との連続性は文章から読み取れない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    プラチナ世代の衣料品市場規模を約6兆円と示し市場動向を踏まえているが、自社の強み分析は書かれていない。

  • 課題の認識と解決4

    ツナギ作業の課題を特定し、2019年度売上見込6,900万円を示したが、高付加価値化の実効性は限定的。

事業の実現可能性56%
  • 付加価値・賃上げの目標4

    2016年度1,900万円、2019年度6,900万円の売上見込みを数字で示したが、付加価値額や賃上げの目標は書かれていない。

  • 事業を進める体制2

    従業員24人の規模は示されるが、補助事業を遂行する人材や事務処理体制の具体的な記述はない。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    プラチナ世代をターゲットに機能性とおしゃれを両立する素材と明記し、選ばれる理由が整理されている。

  • 事業化までの道筋3

    ツナギ作業の課題は見つかったが解決に至っていないと記し、今後の課題として残っている。スケジュールは不明確。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性40%
  • 新しさ・高付加価値2

    シニア向けの機能性おしゃれ素材という市場を狙うが、高価格化や高付加価値化の具体的記述は見当たらない。

公的補助の必要性33%
  • 波及効果・雇用1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 費用対効果2

    タイイングマシン導入でツナギ作業の省力化の見通しは示されるが、補助金額に対する効果の数値は示されていない。

  • イノベーションへの貢献2

    タイイングマシンの導入は示されるが、先端的なデジタル技術や新しいビジネスモデルへの言及はない。

政策面40%
  • 成長分野への進出2

    プラチナ世代の市場が成長分野として位置付けられるが、日本経済の構造転換に資する記述は読み取れない。

  • 地域経済への波及2

    群馬県桐生市の織物業者として記載はあるが、地域の特性を活かして雇用や地域経済を牽引する記述は薄い。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

極薄織物は想定以上に難度が高く、売り込み見込みも下方修正された。原因は突き止めたが解決には至っておらず、今後の課題である。国内取引先の評価を受けて素材製造を確立した後、有力アパレルメーカーや繊維商社を想定して海外販売にも取り組む。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成25年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。