ものづくり補助金平成25年度製造業群馬県

「樹脂素材ハーフ蒸着」技術の高度化で、時代の二ーズに応える自動車部品の開発

ヘイワテクノ株式会社

成果製造工程数 3工程→2工程

この事例のポイント

  • 光透過率を目標どおりに適切にコントロールし、目標とする膜厚を常に達成できるようにすること。
  • ハーフ蒸着技術が可能となる芝浦メカトロニクス製造の機械を導入し、自動車部品と監視カメラカバーの試作に取り組んだ。
  • 製造工程数 3工程→2工程。ハーフ蒸着により工程が1つ減り、材料費、時間、人件費など生産コストが20%減少した。

事業者のプロフィール

事業者名ヘイワテクノ株式会社
所在地群馬県 高崎市
業種金属製品製造業
技術分野表面処理
従業員数36人
資本金3,000万円
設立1947年

事業の背景

自動車業界では、インテリア・エクステリアのデザイン加飾傾向が高まり多様化も進み、高度な表面処理加工が求められるようになっている。従来の光透過率ゼロの真空蒸着だけでは市場のニーズに応えるのは限界となりつつある。取引先からの要望に応える体制づくりと新製品の開発が必要だった。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 品質・精度光透過率を目標どおりに適切にコントロールし、目標とする膜厚を常に達成できるようにすること。
  • コスト・採算作業工程を簡略化し、時間と人件費を20%以上削減すること。
  • コスト・採算原材料費を20%削減すること。

やったこと

ハーフ蒸着技術が可能となる芝浦メカトロニクス製造の機械を導入し、自動車部品と監視カメラカバーの試作に取り組んだ。自動車部品では内蔵ライトが発光時に光を透過する特徴を応用した新製品開発に力を入れた。監視カメラカバーは、ATMで使用するカメラがお客さまから見えない状態でカメラを機能させるためのハーフミラー状のカバーとして試作した。工程は従来の「アンダーコート→真空蒸着→トップコート」から「アンダーコート→真空蒸着」となり、蒸着膜の製膜後に真空中でモノマーガスを導入してプラズマ重合を行い、蒸着膜上に保護膜を形成してトップコート工程を不要にした。プラズマ重合はプラズマ放電により表面を改質する技術である。

加工機芝浦メカトロニクス製ハーフ蒸着機

新しい製品・サービス:光透過性を持たせたハーフ蒸着による自動車部品および監視カメラカバーの試作品

事業の効果

  • 製造工程数 3工程→2工程
  • 材料費、時間、人件費など生産コストが20%減少した。

ハーフ蒸着により工程が1つ減り、材料費、時間、人件費など生産コストが20%減少した。品質が向上して不良品も大きく減少し、取引先へのレスポンスが早くなり、要望に近い製品を作れるようになった。取引先2社の要望に対応した試作品は目標レベルに達し、製品評価基準をクリアした。今後は既存自動車部品企業向けに加え、ゲーム機業界や建設業(表示装置)など新規分野への展開を目指す。2020年3月期の売上目標は既存自動車部品企業向け製品(取引あり)8,000万円、取引なし5,000万円、新規分野7,000万円としている。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.9 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性67%
  • これまでの取組との一貫性3

    従来の真空蒸着では対応に限界があるとし、ハーフ蒸着技術の高度化を新たに進める方向が記載されている。過去の取組との連続性は具体的に書かれていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    自動車業界でデザイン性・ファッション性の要求が高まっている外部環境と、取引先からの要望に応える体制づくりが書かれている。強みの定量的裏付けは薄い。

  • 課題の認識と解決4

    工程が3から2に減り、材料費・時間・人件費で生産コストが20%減るなど、課題と解決策の対応が数字つきで示されている。

事業の実現可能性56%
  • 付加価値・賃上げの目標4

    時間と人件費、原材料費をそれぞれ20%削減する目標が示され、試作で目標レベルに達したと記載されている。

  • 事業を進める体制2

    従業員36人の企業であることと、綿密なコミュニケーションを行うとの記述のみで、体制や人材の具体的な配置は読み取れない。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    光透過率を生かした自動車部品や監視カメラカバーの用途と、取引先2社の要望への対応が具体的に書かれている。

  • 事業化までの道筋3

    初期は既存取引先向けの自動車部品、将来はゲーム機や建設業表示装置への展開という段階が示されているが、スケジュールは明記されていない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    ハーフ蒸着は光透過率0%の通常蒸着品と異なる新しい表面処理で、既存の真空蒸着では対応に限界があると書かれている。

公的補助の必要性60%
  • 波及効果・雇用2

    自動車業界の表面処理加工の高度化ニーズに触れているが、雇用創出や波及効果など国が補助する理由は書かれていない。

  • 費用対効果4

    生産コスト20%減、不良品の大幅減少、売上目標が8,000万円・5,000万円・7,000万円と数字で示されている。

  • イノベーションへの貢献3

    プラズマ重合による保護膜形成で工程を減らす新技術が書かれているが、サプライチェーン全体への貢献までは述べられていない。

政策面30%
  • 成長分野への進出2

    自動車部品からゲーム機や建設業表示装置へ進出する方針が書かれ、成長分野への進出がうかがえる。構造転換への言及はない。

  • 地域経済への波及1

    公開されている事例からは読み取れません。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

初期段階では既存取引先であるミツバをはじめとする自動車部品関連の商品開発を進めるが、幅広い可能性を視野に早期の商品化と情報収集に努める。将来的には光透過率を製品に生かし、ゲーム機業界や建設業(表示装置)などの業態にもフォーカスする。

  • 目標:従来の通常蒸着品は光透過率0%。ハーフ蒸着品は光を透過する。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成25年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。