ものづくり補助金平成25年度製造業岩手県

ショットブラストマシンの導入による新規取引先の開拓と競争力強化

株式会社榊鐵工所

成果鉄骨の設置から研掃終了まで約1時間30分を要していたが、数十秒ほどの1回のパスで済むようになった。

この事例のポイント

  • 制振ブレースの下地処理を人手で行っており、需要増加に対応しきれない。
  • 鉄骨をベルトコンベアでマシン内に送り、直径約1mmの鉄の粒を吹き付けて、さびや汚れを落として表面を平滑にするショットブラストマシンを導入した。
  • 鉄骨の設置から研掃終了まで約1時間30分を要していたが、数十秒ほどの1回のパスで済むようになった。人手に比べて大幅な時間短縮と労務費の削減が実現し、品質も向上した。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社榊鐵工所
所在地岩手県 宮古市
業種金属製品製造業
技術分野材料製造プロセス
従業員数43人
資本金5,000万円
設立1934年

事業の背景

当社は複合ビルや体育館など大型施設向けの鉄骨加工を行い、制振ブレースを得意としている。東日本大震災後、建築物に高い耐震性が求められ、制振ブレースの需要は今後全国的に増えると期待されている。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力制振ブレースの下地処理を人手で行っており、需要増加に対応しきれない。
  • 人手・技能サンダーによる下地処理は作業者の身体負荷や粉塵の負担が大きく、経験年数による品質のばらつきもあった。
  • コスト・採算鉄骨1本の下地処理に約1時間30分を要し、作業効率が悪かった。

やったこと

鉄骨をベルトコンベアでマシン内に送り、直径約1mmの鉄の粒を吹き付けて、さびや汚れを落として表面を平滑にするショットブラストマシンを導入した。H形鋼は幅75mm、高さ150mm〜500mm、長さ1,000mmまで、等辺H形鋼は幅250mm、高さ250mm〜500mm、長さ500mmまでの鉄骨に対応し、1回のパスで全面研掃と部分研掃を自動で行える。メーカーで操作講習を受け、工場の機械据え付けピットを工事し、平成27年2月下旬に据え付けと試運転を終えて、同年4月中旬から生産に転用した。

加工機ショットブラストマシン

事業の効果

  • 鉄骨の設置から研掃終了まで約1時間30分を要していたが、数十秒ほどの1回のパスで済むようになった。
  • 1回のパスで、すべり係数0.45(JASS6摩擦面処理基準値)を確保できた。
  • 下地処理の必要な約9割の部材にショットブラストマシンによる処理を行っている。

人手に比べて大幅な時間短縮と労務費の削減が実現し、品質も向上した。作業者の身体負荷や粉塵の負担が減り、安全面にも寄与した。仕上がり精度が均一になり、部分研掃にも対応できるようになった。これらの効率化により、新規顧客の獲得や受注拡大、雇用の拡大につながると期待されている。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.9 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性73%
  • これまでの取組との一貫性3

    制振ブレースの下地処理を自動化し受注拡大を狙うとあり、過去からの制振ブレース製造との一貫性はうかがえるが、経営戦略上の明確な位置付けは薄い。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    東日本大震災後の耐震需要増加を見込み、人手作業の効率化と品質向上で受注拡大を狙う方針が具体的に書かれている。

  • 課題の認識と解決4

    サンダーでの人手下地処理が1本約1時間30分かかっていた課題を示し、数十秒の1回パスで処理できる成果が書かれている。

事業の実現可能性60%
  • 付加価値・賃上げの目標4

    1時間30分が数十秒の1回パスに短縮され、現在は約9割の部材に適用中という実績が数値で示されている。賃上げ目標は書かれていない。

  • 事業を進める体制3

    メーカーの操作講習会受講や据付工事の実施が書かれるが、操作できる人員は限られ、操作研修の拡充は今後の課題とされている。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    耐震需要の増加や制振ブレースの品質要求など顧客ニーズの背景が具体的で、選ばれる理由として品質の均一化も書かれている。

  • 事業化までの道筋3

    据付工事や試運転、生産転用の時期は書かれるが、制振ブレース専門部署の検討など中長期の方針は具体性が薄い。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性40%
  • 新しさ・高付加価値2

    ショットブラストは一般的な設備であり、高付加価値化や高価格化を図る記述は本文からは読み取りにくい。

公的補助の必要性53%
  • 波及効果・雇用3

    耐震建築物の需要増や東京オリンピック後の鉄骨需要などの社会背景が書かれるが、雇用創出の定量的な根拠は乏しい。

  • 費用対効果3

    時間短縮、労務費削減、品質向上の効果は述べられるが、補助金額に対する付加価値増加の数値は書かれていない。

  • イノベーションへの貢献2

    ショットブラストによる自動化は書かれるが、先端的なデジタル技術や新ビジネスモデルの記述はうかがえない。

政策面40%
  • 成長分野への進出2

    耐震需要の増加への対応は書かれるが、成長分野への進出や構造転換への言及はわずかにうかがえる程度。

  • 地域経済への波及2

    岩手県宮古市の地元企業とあるが、地域特性を活かした雇用や経済成長への言及は本文から読み取りにくい。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

制振ブレースの受注拡大へつなげ、将来は社内に制振ブレース専門の部署を設けることも検討している。マシンの機能を生かして稼働を効率化し、操作できる人員を増やす。多能工を育成してハイブリッド型分業体制の構築を目指す。

事業者の声

企業は成長し続けなければならない。そのための新設備の導入

公式の事例集より(原文のまま)

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成25年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。