ものづくり補助金平成25年度製造業群馬県

高機能、高デザイン筆記具に適した内外複雑形状の加工技術開発

加藤金属工業株式会社

成果切削加工時間 359秒→102秒

この事例のポイント

  • 金属製ボールペン・タッチペンで高機能・高デザインを実現するため、金属製パイプの内外径に精密で複雑な加工を施す必要があった。
  • アルミニウム丸棒の深掘加工を低コスト・高精度で実現するため、専用ホルダー付き・高圧クーラント設置可能なNC旋盤を新たに導入した。
  • 切削加工時間 359秒→102秒。縦溝加工により電気基板を金属部品内に収められるようになり、加工時間の大幅な短縮と外観不良率0%を実現した。

事業者のプロフィール

事業者名加藤金属工業株式会社
所在地群馬県 富岡市
業種その他の製造業
技術分野精密加工
従業員数41人
資本金4,100万円
設立1954年

事業の背景

中高級筆記具業界は小ロット生産が求められ、金型などの初期投資を抑えつつ高デザイン・高機能の製品へのニーズが高まっている。アルミのプレス加工やパイプ加工は価格競争が激しく、電気回路を組み込む製品開発はこれらの方法では難しい。一方、スマートフォンなどに使うタッチペンは増加しており、静電容量方式のため本体に導電性材料が必要である。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 新製品・新技術金属製ボールペン・タッチペンで高機能・高デザインを実現するため、金属製パイプの内外径に精密で複雑な加工を施す必要があった。
  • 品質・精度アルミニウムの内径に縦溝加工を行い電気基板を直接入れられる構造を、精度良く実現する必要があった。
  • コスト・採算切削加工時間が359秒と長く、不良率も高かった。
  • 人手・技能金属パイプへの追加工やプレス加工では成形が難しく、小ロット生産で初期投資を抑えつつ多品種に対応する手段が課題だった。

やったこと

アルミニウム丸棒の深掘加工を低コスト・高精度で実現するため、専用ホルダー付き・高圧クーラント設置可能なNC旋盤を新たに導入した。縦溝加工のための工具を幾度か試作し、刃先以外を丸棒として強度を増した両先の工具を開発した。高圧クーラントとオイルホールドリルを用いて正面加工と背面加工の工程を組み直し、正面加工の合計は93.4秒、背面加工の合計は9.2秒とした。中央部の内径交差は目標0.01〜0.03ミリに対し0.025ミリを実現し、深掘切削可能長は従来の60ミリから100ミリに延長できた。

加工機専用ホルダー付き・高圧クーラント設置可能なNC旋盤
その他縦溝加工用の両先工具
加工機オイルホールドリル

新しい製品・サービス:電気基板を樹脂を使わずに内蔵できる縦溝加工の金属製筆記具部品

事業の効果

  • 切削加工時間 359秒→102秒
  • 外観不良率も0%とし、目標の4%を大きく上回った
  • 深掘切削可能長 60mm→100mm

縦溝加工により電気基板を金属部品内に収められるようになり、加工時間の大幅な短縮と外観不良率0%を実現した。多品種小ロットで高デザイン・高機能の筆記具を生み出す技術を確立し、他社にない技術を持てるようになった。国内大手メーカーから欧州向け新製品の開発を受注し、事業化5年目に売上8,000万円(500円×16万本)を想定している。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均3.0 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性80%
  • これまでの取組との一貫性3

    金属製ボールペン・タッチペンの高機能化を課題に据え、加工技術開発の目的を明記しているが、過去の取組との一貫性は文章から読み取りにくい。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    中高級筆記具市場とタッチペン市場の動向を述べ、他社にできない技術を持つことで受注拡大を狙う競争優位の方針が具体的に書かれている。

  • 課題の認識と解決5

    加工時間359秒を102秒に短縮、外観不良率0%、目標4%を大きく上回ったと数字で課題解決を示し、事業化5年目の売上も3,000万円や8,000万円と算定している。

事業の実現可能性60%
  • 付加価値・賃上げの目標5

    事業化5年目の売上を3,000万円(1,000円×3万本)や8,000万円(500円×16万本)と数量・単価つきで示しており、実現性の根拠も具体的である。

  • 事業を進める体制2

    従業員数41人や設立年は記載があるが、補助事業を遂行する人材や事務処理体制についての記述は見当たらない。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    デザイン性と電気基板を内蔵できる点、多品種小ロットのニーズ、欧州向け新製品の開発など顧客と選ばれる理由が具体的に書かれている。

  • 事業化までの道筋3

    加工工程ごとの時間やNC旋盤・工具の開発手順は示されるが、中長期のスケジュールや今後の課題解決方法の詳細は薄い。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    金属製筆記具への縦溝加工による電気基板内蔵は、プレスやパイプ加工では難しい高付加価値化として具体的に述べられている。

公的補助の必要性53%
  • 波及効果・雇用2

    欧州向け新製品や受注拡大に触れるが、川上・川下への波及効果や雇用創出など国が補助する積極的理由は書かれていない。

  • 費用対効果4

    加工時間を359秒から102秒に短縮し外観不良率を0%にした数字があり、費用対効果を読み取れる材料がある。

  • イノベーションへの貢献2

    高圧クーラント付きNC旋盤や新規工具の導入は書かれるが、デジタル技術やサプライチェーン全体への貢献は述べられていない。

政策面30%
  • 成長分野への進出1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 地域経済への波及2

    富岡市の所在地は示されるが、地域特性を活かした雇用や地域経済成長への言及は見当たらない。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

事業化5年目の売上は8,000万円(500円×16万本)を想定している。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成25年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。