ものづくり補助金平成25年度製造業群馬県

医療分野を含むソーシャルデバイス向けプラスチック製品開発

東伸化工株式会社

成果ヒケ・バリ等の成形不良発生比率 15%→5%

この事例のポイント

  • 医療分野の市場が拡大する中で、この分野に対応する高度な加工技術、クリーンな環境、コストを確保する必要があった。
  • 採血用輸送トレーを試作開発し、価格・スペック・取り扱いやすさから東芝機械成形機エンジニアリング製の電動式成形機を導入した。
  • ヒケ・バリ等の成形不良発生比率 15%→5%。成形不良の大幅な低減と寸法精度の向上を実現し、発生比率は従来15%から新方式5%になった。

事業者のプロフィール

事業者名東伸化工株式会社
所在地群馬県 富岡市
業種プラスチック製品製造業
技術分野製造環境,立体造形
従業員数20人
資本金1,000万円
設立1988年

事業の背景

合成樹脂成形事業において医療分野市場が拡大しており、少子高齢化で介護介助の人材が減るため器具による代替の需要が強まっている。当社は医療を含むソーシャルデバイス向けプラスチック部品市場をターゲットに試作品開発を目指した。既存取引先はS&Sエンジニアリングやミツミ電機などである。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 新製品・新技術医療分野の市場が拡大する中で、この分野に対応する高度な加工技術、クリーンな環境、コストを確保する必要があった。
  • 生産能力現在の加工機は油圧式で、耐久性・耐薬品性の向上した製品に対応する技術が不足していた。
  • 品質・精度医療器具に求められる寸法精度と成形不良の低減が課題で、高粘度の樹脂は黄色の着色が出ていた。

やったこと

採血用輸送トレーを試作開発し、価格・スペック・取り扱いやすさから東芝機械成形機エンジニアリング製の電動式成形機を導入した。新機では材料充填とガス抜けの速度が適正にコントロールされるよう確認し、電気的制御の確認も行った。高音域のガス発生によるガス逆流はスクリューを逆回転させることで解決を図った。高粘度の樹脂の黄色い着色に対してはブルーイング用色材を開発した。産業技術センターに分析・物性評価を依頼し、流動解析や適正な材料開発を行った。

加工機東芝機械成形機エンジニアリング製 電動式成形機
加工機計量用・型締用・射出用・押出用等のACサーボモーター
その他ブルーイング用色材

新しい製品・サービス:ソーシャルデバイス向け採血用輸送トレー(試作品)

事業の効果

  • ヒケ・バリ等の成形不良発生比率 15%→5%

成形不良の大幅な低減と寸法精度の向上を実現し、発生比率は従来15%から新方式5%になった。PEI材料が紫外線領域をカットできることを発見し、紫外線遮断用の添加剤を使わずに済む可能性が開けた。ブルーイング剤の高耐熱化により効果も向上したが、目標のポリカーボネートにはまだ届いていない。今回の結果から既存ユーザーの輸血用輸送トレーで大幅なコスト改善が見込まれ、2020年に1,400万円ほどの売上を見込んでいる。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.5 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性53%
  • これまでの取組との一貫性2

    合成樹脂成形事業で医療分野が拡大している点はうかがえるが、過去の取組との一貫性や経営戦略上の位置づけは記載されていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    医療分野の市場拡大と既存取引先の好評価に触れ、競争優位に立てると述べるが、強み・弱みの分析は具体的に書かれていない。

  • 課題の認識と解決3

    不良発生比率を従来15%から新方式5%へ改善した課題解決の結果は読み取れるが、高付加価値化・成長につながる事業計画としての記述は薄い。

事業の実現可能性52%
  • 付加価値・賃上げの目標3

    2020年に既存2社で1,400万円ほどの売上を見込むとあるが、付加価値額や賃上げの目標値は書かれていない。

  • 事業を進める体制2

    プロジェクトリーダーや体系図はあるが、従業員20人のうちの体制や人材配置、事務処理能力は具体的に読み取れない。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    採血用輸送トレーの価格・スペック・取り扱いやすさ、医療器具市場で求められる4つの性能を挙げ、顧客ターゲットと選ばれる理由が整理されている。

  • 事業化までの道筋3

    ブルーイング効果は目標に届いていない課題や今後の検討事項が示されるが、スケジュールや課題解決の方法は明確ではない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    PEI材料自体が紫外線領域をカットできる発見を具体的に示し、医療・清涼飲料容器へ展開する高付加価値化の方向性が読み取れる。

公的補助の必要性47%
  • 波及効果・雇用2

    医療分野の人材不足と高齢化を背景に器具需要が増えると述べるが、経済波及や雇用創出の国の関与理由は書かれていない。

  • 費用対効果2

    補助金投入額に対する付加価値増加や費用対効果の数値は示されず、大幅なコスト改善が見込まれると述べるのみ。

  • イノベーションへの貢献3

    電動式成形機の導入と医療用ソーシャルデバイス部品への展開は示されるが、サプライチェーン全体へのイノベーション貢献は具体的ではない。

政策面30%
  • 成長分野への進出2

    医療・ソーシャルデバイス市場への進出はうかがえるが、日本経済の構造転換に資する点は明示されていない。

  • 地域経済への波及1

    公開されている事例からは読み取れません。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

2018年以降の需要増が予想されており、医療品や清涼飲料水の容器への展開も検討している。

  • 目標:2020年は既存取引先2社で1,400万円ほどの売り上げを見込んでいる。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成25年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。