ものづくり補助金平成27年度製造業三重県

A-PET 材による梱包製品生産のための最新設備導入及び新生産体制構築

株式会社ヨシザワ

成果型取替の工程時間 60分→39分

この事例のポイント

  • A-PET材は強度・伸縮率・透明感に優れるが成型時の温度調整が難しく、現有設備ではヒーター精度が±10℃と幅が大きいため、A-PET材製品の品質が担保できない。
  • A-PET材による工業用梱包製品の生産体制を構築するため、ロールシート連続圧空成形機とデジタルマイクロスコープを導入した。
  • 型取替の工程時間 60分→39分。ロールシート連続圧空成形機の導入により加熱の温度調整が詳細にできるようになり、加熱不良による成型不良が低減した。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社ヨシザワ
所在地三重県 鈴鹿市
業種プラスチック製品製造業
技術分野精密加工,測定計測
従業員数159人
資本金8,000万円

事業の背景

当社は創業以来、得意先の多様なニーズに応えて技術革新を加えながら多品種小ロット生産を行ってきた。工業用梱包製品の主力材として、A-PET材の需要が高まりつつある。工業用品は多様化・高品質化が進み、輸送用トレーに高品質化・短納期化・低コスト化と高精度な包装製品が求められている。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 品質・精度A-PET材は強度・伸縮率・透明感に優れるが成型時の温度調整が難しく、現有設備ではヒーター精度が±10℃と幅が大きいため、A-PET材製品の品質が担保できない。
  • 品質・精度ヒーター温度のばらつきが製品寸法の大きな誤差の要因となっている。
  • 人手・技能シート加熱の温度調整は熟練作業者でも1時間程度を要し、外気温により毎日・毎回変化するため、詳細な調整をしても不良品が発生している。
  • 品質・精度検査はデジタルノギスによる手作業で、製品の柔らかさから検査者の力加減や経験・勘に頼るため、検査測定値にばらつきが生じている。

やったこと

A-PET材による工業用梱包製品の生産体制を構築するため、ロールシート連続圧空成形機とデジタルマイクロスコープを導入した。ロールシート連続圧空成形機により、熱処理工程で詳細な温度調整を可能にし、加熱不良による成型不良を低減するとともに、金型の設置位置の最適化を図った。検査工程では、デジタルノギスによるアナログ検査からデジタルマイクロスコープによるデジタル検査へ移行し、検査結果の記録媒体をアナログからデジタルデータに変更した。

加工機ロールシート連続圧空成形機
検査測定デジタルマイクロスコープ

新しい製品・サービス:A-PET材を用いた高精密な均一寸法の工業用梱包トレー

事業の効果

  • 型取替の工程時間 60分→39分
  • 不良品で発生する材料費 100%→23%

ロールシート連続圧空成形機の導入により加熱の温度調整が詳細にできるようになり、加熱不良による成型不良が低減した。型取替の工程時間は従来の60分から39分に短縮され、目標を達成した。不良品で発生する材料費は77%削減され、目標の20%削減を大きく上回った。検査はデジタルマイクロスコープによりデジタル化され、必要な都度データを抽出できるようになった。本事業により、A-PET材を用いた高精密な均一寸法の輸送用トレーを製造でき、ユーザーの信頼に応える製品を提供できるようになった。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均3.1 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性73%
  • これまでの取組との一貫性3

    新設備でA-PET材による生産体制を構築する方針は読み取れるが、過去の取組との連続性や経営戦略上の位置づけは具体的に書かれていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    A-PET材の強度・伸縮率・透明感の優位性や高精密トレーへの需要に触れるが、市場動向や自社の経営資源との比較は具体性が薄い。

  • 課題の認識と解決5

    課題として成型温度のフレ幅±10℃や不良品発生を挙げ、型取替1時間を39分、不良品を77%削減など数字つきで改善結果を示している。

事業の実現可能性60%
  • 付加価値・賃上げの目標5

    型取替時間の目標40分に対し実績39分、不良品減少の目標20%に対し実績77%削減と、目標値と達成実績が数字で示されている。

  • 事業を進める体制2

    熟練作業者や検査員に触れるが、補助事業を遂行する人材体制や事務処理能力の確保については読み取れる記述がほぼない。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    A-PET材を使った高精密な均一寸法トレーを、強度・透明感で優れる点や物流分野の高精密ニーズとともに製品価値として示している。

  • 事業化までの道筋3

    工程見直しや検査方法の変更など取組内容は示されるが、中長期の課題検証や遂行スケジュールは具体的に書かれていない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    A-PET材を使った高精密輸送用トレーを多品種小ロット生産で差別化する点が述べられ、一般的でない高付加価値分野の取組と読める。

公的補助の必要性60%
  • 波及効果・雇用3

    次世代産業の成長や新市場進出に触れるが、雇用創出や波及効果など国が補助する積極的理由は具体的に示されていない。

  • 費用対効果3

    不良品減少や型取替時間短縮など効果は数字で示されるが、補助金投入額に対する付加価値増加や費用対効果は書かれていない。

  • イノベーションへの貢献3

    デジタルマイクロスコープでデータ化し必要な都度抽出する仕組みや技術伝承への言及はあるが、サプライチェーンへの貢献は書かれていない。

政策面50%
  • 成長分野への進出3

    次世代産業や航空機・自動車産業の成長分野への進出に触れるが、日本経済の構造転換への寄与は具体的に述べられていない。

  • 地域経済への波及2

    三重県鈴鹿市の立地は記載されるが、地域の特性を活かした付加価値創出や雇用・地域経済への効果は読み取れない。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

自動車産業や航空機産業など日本のものづくり次世代産業は今後も継続的に発展する産業であり、A-PET高精密輸送用トレーは新たな次世代市場への進出を可能とし、高精密製品の物流分野での市場ニーズも期待できる。

業種と困りごとが近い成果事例

大阪府製造業平成25年度

ねじ寸法自動計測システムの試作開発

平成25年度ものづくり補助金を活用し、人手に依存せず検査精度と生産性を向上させる「ねじ寸法自動計測システム」を試作開発した。

効果:計測面の焦点深度 2mm→5mm

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成27年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。