ものづくり補助金平成25年度製造業埼玉県

高精度切削加工技術を活かした自動車用試作部品製造における新工法・新技術の開発

株式会社上田鉄工所

成果開発コスト 100%→33%

この事例のポイント

  • 自動車用部品の試作のうち、アルミニウム加工は外注に任せていた。
  • 2014年10月に3軸マシニングセンターを導入し、高精度の切削加工を実現した。
  • 開発コスト 100%→33%。型レス工法により、アルミ部品の試作を社内で行えるようになった。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社上田鉄工所
所在地埼玉県 さいたま市岩槻区
業種輸送用機械器具製造業
技術分野精密加工
資本金2,700万円
設立1966年

事業の背景

同社の事業の柱の一つは自動車用部品の試作である。製缶板金を得意とし、ロールや溶接、へら絞りといった職人の手による板金加工の技術力を持っていた。その一方で、試作のアルミニウム加工は外注任せになっていた。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力自動車用部品の試作のうち、アルミニウム加工は外注に任せていた。
  • コスト・採算金型を使うプレス工法では金型を外注で製作する必要があり、数十万円規模のコストがかかっていた。

やったこと

2014年10月に3軸マシニングセンターを導入し、高精度の切削加工を実現した。小ロットの試作品には、円盤状のアルミ板を専用機でローリングさせ、へら棒を押し当てて伸ばしてコップの形状にする型レス工法を採用した。アルミは鉄より伸びにくく力の入れ方を誤ると切れるため、へら絞りの加減に注意が必要である。形状ができた後にマシニングセンターで底部を切削し、最後にプレスして仕上げる。トラックの給油口に使う部品を試作の例とし、金型は不要で治具と手加工の費用だけで済む。

加工機3軸マシニングセンター
加工機へら絞り用の専用機

事業の効果

  • 開発コスト 100%→33%

型レス工法により、アルミ部品の試作を社内で行えるようになった。金型製作の外注が不要になり、開発コストは3分の1程度に抑えられる見込みである。切削加工と手仕上げを組み合わせることで、新たな価値も生み出せるようになった。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.4 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性60%
  • これまでの取組との一貫性3

    自動車用部品の試作で外注任せだったアルミ加工を内製化したと書かれており、過去の取組との一貫性は読み取れるが、経営戦略上の位置付けまでは書かれていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    製缶板金の技術力と切削加工を組み合わせた点が強みとして示されるが、市場や顧客動向など外部環境の分析は書かれていない。

  • 課題の認識と解決3

    外注コストの課題に対し内製化で開発コストを3分の1程度に抑えるとあるが、高付加価値化や成長につながる計画の詳細は薄い。

事業の実現可能性44%
  • 付加価値・賃上げの目標2

    開発コストが3分の1程度に抑えられるとの記述はあるが、付加価値額や賃上げの目標値は書かれていない。

  • 事業を進める体制3

    職人の手加工と切削加工を組み合わせて開発を進めた経緯は読み取れるが、人材や事務処理体制の記述は薄い。

  • 顧客とニーズの裏付け3

    トラックの給油口部品の試作など用途は示されるが、顧客ターゲットや選ばれる理由の整理は限定的である。

  • 事業化までの道筋2

    へら絞りやプレス工法の使い分けは示されるが、中長期の検証やスケジュールは書かれていない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性60%
  • 新しさ・高付加価値3

    ハンドワークと切削加工を組み合わせた工法で、コストを抑えつつ価値を創造するとあるが、高付加価値化の水準は具体的に示されていない。

公的補助の必要性47%
  • 波及効果・雇用2

    地域の製造業における内製化の意義はうかがえるが、経済波及効果や雇用創出など国が補助する理由は書かれていない。

  • 費用対効果3

    開発コストが3分の1程度に抑えられるという費用対効果の記述はあるが、補助金投入額との対比は書かれていない。

  • イノベーションへの貢献2

    新工法の開発は示されるが、デジタル技術の活用やサプライチェーンへの貢献は読み取れない。

政策面30%
  • 成長分野への進出1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 地域経済への波及2

    埼玉県さいたま市岩槻区の製造業であることは示されるが、地域の特性を活かした雇用や成長への言及は乏しい。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

事業者の声

汎用の機械を使いながら最終的に手で仕上げるのが売り。ハンドワークと切削加工を組み合わせることで、コスト削減ができる上、いろいろな価値が創造できる

公式の事例集より(原文のまま)

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成25年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。