ものづくり補助金平成27年度製造業徳島県

負角度加工軸を付けた中型5軸マシンの導入により、難易度の高い航空機部品を1チャックで加工完了する方法への挑戦

株式会社オーム技研

成果製品1の加工時間(段取り含む) 78分→36分

この事例のポイント

  • 顧客のコストダウン要求に応じて受注を確保するため、生産性を高めてコストを下げる必要があった。
  • 難易度の高い複雑形状の航空機部品に対応するため、負角度加工軸を付けた最新型5軸マシニングセンタを導入した。
  • 製品1の加工時間(段取り含む) 78分→36分。負角度加工が可能になり、1チャッキングで最終形状まで加工できるようになった。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社オーム技研
所在地徳島県 板野郡松茂町
業種輸送用機械器具製造業
技術分野精密加工
従業員数18人
資本金1,000万円
設立1987年

事業の背景

航空機部品業界では海外との受注競争が激しく、国内メーカーも海外生産や海外調達を視野に入れてコスト削減に努めている。顧客のコストダウン要求に対応して受注を確保するには、生産性向上によるコスト削減と短納期対応が欠かせなかった。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • コスト・採算顧客のコストダウン要求に応じて受注を確保するため、生産性を高めてコストを下げる必要があった。
  • 納期・工程複雑形状の航空機部品には短納期対応が不可欠だった。
  • 生産能力複雑形状の航空機部品を、従来の設備では一度の加工で仕上げられなかった。

やったこと

難易度の高い複雑形状の航空機部品に対応するため、負角度加工軸を付けた最新型5軸マシニングセンタを導入した。負角度加工が可能になったことで、ワークを1回チャッキングすれば最終形状まで加工を完了できるようになった。従来は負角度分だけ材料を傾斜させる必要があり座標軸操作も必要だったが、それが不要になった。負角度加工用に別に製作していた特殊刃物も不要になった。既受注の航空機部品3種で3軸機と5軸機の加工時間を比較した。製品1は3軸で総加工時間46分と工程間段取り32分、5軸で総加工時間36分だった。製品2は3軸で総加工時間116分と工程間段取り54分、5軸で総加工時間64分だった。製品3は負角度加工に小径エンドミルを多用したため加工時間は長くなったが、段取り時間を含めると約40分の削減になった。

加工機負角度加工軸付き最新型5軸マシニングセンタ

事業の効果

  • 製品1の加工時間(段取り含む) 78分→36分
  • 製品2の加工時間(段取り含む) 170分→64分
  • 製品3は段取り時間を含めると約40分の削減になった。

負角度加工が可能になり、1チャッキングで最終形状まで加工できるようになった。治具の点数が減り、段取りが簡単になった。一貫した連続加工により生産効率が大幅に上がり、競争力のある生産体制を築けた。既受注の航空機部品では、段取り時間を含めて加工時間が短縮された。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.8 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性80%
  • これまでの取組との一貫性3

    航空機部品への対応を目的に新規5軸機を導入したと書かれているが、過去の取組との一貫性や経営戦略上の位置付けは記載がない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    航空機業界の海外との受注競争やコスト要求に触れ、短納期・低コストによる競争力向上を課題と強みに結び付けて説明している。

  • 課題の認識と解決5

    工程間段取り32分や54分を含む加工時間を3軸と5軸で比較し、製品2は総時間116分から64分へ大幅短縮と数値で課題解決を示している。

事業の実現可能性48%
  • 付加価値・賃上げの目標4

    製品1は段取り込みで78分から36分、製品3は約40分削減と具体的な加工時間目標の達成が示されている。賃上げや付加価値額の目標は読み取れない。

  • 事業を進める体制1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 顧客とニーズの裏付け3

    航空機メーカーの複雑形状の新機種やエンジン部品向けに営業展開する方針が書かれているが、顧客ターゲットの裏付けは薄い。

  • 事業化までの道筋3

    今後は熱による歪を考慮しながら負角度加工を極めていく方針が示されているが、スケジュールや具体的な解決方法は書かれていない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    複雑形状の航空機部品を1チャックで仕上げる高付加価値加工に取り組み、競争力ある生産体制を構築したと書かれている。

公的補助の必要性53%
  • 波及効果・雇用2

    航空機部品製造の国内生産維持への言及はうかがえるが、経済波及効果や雇用創出など国が補助する理由は読み取れない。

  • 費用対効果4

    投資に対し加工時間が大幅に減り、冶具点数や段取りも削減されたとの効果が、製品ごとの時間数値で示されている。

  • イノベーションへの貢献2

    5軸加工による一貫連続加工は生産技術の向上にあたるが、デジタル技術やサプライチェーンへの貢献は書かれていない。

政策面30%
  • 成長分野への進出1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 地域経済への波及2

    徳島県板野郡の立地は示されるが、地域の特性を活かした雇用創出や地域経済への牽引効果は読み取れない。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

本事業により、複雑形状の製品を低コストで短納期に仕上げられるようになった。今後は、さらに複雑形状になっていく各航空機メーカーの新機種向け製品やエンジン部品も視野に入れ、営業活動を展開して受注につなげていく。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成27年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。