ものづくり補助金平成26年度製造業富山県

既設の4軸大型加工機を活用し最新のCAD、CAMを導入することによるアンダー形状加工の実現

株式会社カワベ

この事例のポイント

  • 車用の金型と違って特殊な形状が多く、所有の加工機では加工できないアンダー形状加工を要する依頼が発生し、全加工ができないという問題に直面した。
  • 既存の4軸横型マシニングセンタを2台活用してアンダー形状加工を行う方法を独自に導き出し、平成26年度の補助金で最新のCAD・CAMソフトTOOLSを導入した。
  • アンダー形状加工が全加工で可能になり、これまで断念していた依頼も受けられるようになった。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社カワベ
所在地富山県 南砺市
業種輸送用機械器具製造業
技術分野情報処理,精密加工
従業員数8人
資本金1,000万円
設立1969年

事業の背景

当社は自動車用プラスチック金型部品加工メーカーとして昭和44年に創業し、バンパー、ルーバーやグリルなどの大物金型加工に特化してきた。リーマンショックを発端とした景気悪化で自動車産業の受注が落ち込んだため、航空機分野へ新規参入し、平成24年度の補助事業で横中ぐり盤を導入して航空機冶具の受注を獲得した。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力車用の金型と違って特殊な形状が多く、所有の加工機では加工できないアンダー形状加工を要する依頼が発生し、全加工ができないという問題に直面した。
  • 新製品・新技術アンダー形状加工は5軸加工機で加工するのが一般的だが、大型の5軸加工機は高額でコストがかかるため、既存の設備でアンダー形状加工を実現する必要があった。
  • 人手・技能2台のマシニングセンタを用いて行うアンダー形状加工を、現状のCAD・CAMソフトでは自動運転することができないという新たな問題が浮上した。

やったこと

既存の4軸横型マシニングセンタを2台活用してアンダー形状加工を行う方法を独自に導き出し、平成26年度の補助金で最新のCAD・CAMソフトTOOLSを導入した。TOOLSは金型加工、特に3D形状加工に特化したソフトで、「位置決め5軸」と呼ばれる機能により、より高精度な加工データを作成できるようになった。これにより2台のマシニングセンタによるアンダー形状加工の自動運転を実現した。

ソフトCAD・CAMソフト TOOLS
加工機4軸横型マシニングセンタ

新しい製品・サービス:航空機冶具の受注に加え、自動車用金型でアンダー形状加工を活用した高級車向けインパネ金型の加工。

事業の効果

アンダー形状加工が全加工で可能になり、これまで断念していた依頼も受けられるようになった。加工工程が効率化され、現場の段取り工数を大幅に削減できた。自動運転により休日や夜間にも加工が行えるようになり、利益を出しやすくなった。主力の自動車用金型でも新たな依頼が増えた。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.7 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性60%
  • これまでの取組との一貫性3

    平成24年度に航空機冶具へ参入し、今回はそれを延長してアンダー形状加工の自動化に挑んだ経緯が書かれ、過去の取組との一貫性がうかがえる。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性2

    大型5軸が高額なため既存4軸を活用した独自手法を導いたとあるが、市場動向や競争優位性の定量的な説明は書かれていない。

  • 課題の認識と解決4

    アンダー形状加工の自動運転が不可能という課題を特定し、加工賃向上と受注拡大につながると具体的に記載されている。

事業の実現可能性48%
  • 付加価値・賃上げの目標2

    段取り工数の大幅削減や休日夜間の自動運転は書かれているが、付加価値額や賃上げの目標数値は示されていない。

  • 事業を進める体制3

    CAD、CAMのオペレーターのスキル育成に注力すると書かれているが、体制や人材配置の具体性は薄い。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    アンダー形状加工の実現や自動車用金型の高級車向け依頼など、顧客ニーズと選ばれる理由が具体的に読み取れる。

  • 事業化までの道筋2

    今後の展望として販路拡大や営業活動が挙げられているが、スケジュールや遂行方法の記載は乏しい。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    国内で3社しか製品化できない部品の金型加工を担い独占状態にあるとあり、高付加価値分野での優位性が読み取れる。

公的補助の必要性53%
  • 波及効果・雇用2

    航空機分野への新規参入や地域の製造業に言及はあるが、雇用創出や波及効果の積極的な理由は示されていない。

  • 費用対効果3

    ソフト導入で段取り工数を大幅削減し大きな費用対効果が期待できるとあるが、補助金額に対する数値は書かれていない。

  • イノベーションへの貢献3

    CAD、CAMによる自動運転や5軸相当の位置決め機能は挙げられているが、サプライチェーン全体への貢献は書かれていない。

政策面50%
  • 成長分野への進出2

    航空機分野への新規参入という成長分野への進出がうかがえるが、日本経済の構造転換への言及はない。

  • 地域経済への波及3

    南砺市の地域の工場として設備が整う珍しさが強みと記載されているが、地域経済への波及は具体的ではない。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

アンダー形状加工の実現と自動運転により今後の事業拡大に向けた大きな強みを得た。今後は得意先への営業活動を精力的に行い、販路拡大・売上増加を図るとともに、他社との差別化を強化して多様化する顧客ニーズに応えていく。

事業者の声

人と同じことをするな

公式の事例集より(原文のまま)

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成26年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。