ものづくり補助金平成25年度製造業埼玉県

世界初の局所に薄膜形成可能なスプレー塗布機の試作開発

ShimadaAppli合同会社

この事例のポイント

  • 薄い膜を塗ろうとすると液が飛び散りやすく、粘度が高いと厚い膜になりやすいという課題があった。
  • 噴射口を星形に切ったエアキャップと、内側に特殊な溝を掘ったバルブを開発した。
  • 試作したスプレーシステムは発売後、同社の売り上げを5割増まで押し上げた。

事業者のプロフィール

事業者名ShimadaAppli合同会社
所在地埼玉県 さいたま市
業種その他の製造業
技術分野バイオ,接合・実装,表面処理
従業員数1人
資本金800万円
設立2011年

事業の背景

2011年7月に設立された従業員1人の会社で、当初は薄膜スプレーのバルブ製造からスタートした。2017年2月には川口市の埼玉県産業技術総合センター内にあったオフィスを、さいたま市前川に移している。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 品質・精度薄い膜を塗ろうとすると液が飛び散りやすく、粘度が高いと厚い膜になりやすいという課題があった。

やったこと

噴射口を星形に切ったエアキャップと、内側に特殊な溝を掘ったバルブを開発した。バルブ内にはスクリュー型の部品を仕込み、機能性材料を送り込む圧縮エアをローリングさせることで、狙い通りの薄膜を形成できるようにした。微細な回路を実装済みの電子基板への防湿・絶縁材の塗布などに使える、局所に薄膜形成可能なスプレーシステムを試作した。塗布対象は幅約1ミリ、膜厚は1ミクロン(1ミリの1000分の1)以下で、電極パターンは100〜150ナノメートル(ナノは10億分の1)の薄さで描ける。

その他薄膜スプレー塗布システム(エアキャップ・特殊構造バルブ付き)

新しい製品・サービス:局所に薄膜形成可能なスプレー塗布機

事業の効果

試作したスプレーシステムは発売後、同社の売り上げを5割増まで押し上げた。噴射口を星形にしたエアキャップと特殊構造のバルブにより、塗りムラや液の飛び散りのない薄膜塗布が可能になった。国内だけでなく中国や韓国、台湾など海外でも特許を取得している。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.4 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性47%
  • これまでの取組との一貫性2

    2015年に実用化し、発売後に売り上げを5割増とあるが、過去の取組との一貫性や経営戦略上の位置づけは書かれていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    電子眼鏡のレンズ電極形成など応用先や、特殊構造バルブ・エアキャップという独自技術が読み取れるが、市場動向との関係は薄い。

  • 課題の認識と解決2

    塗りムラや飛び散りという課題と解決策は書かれているが、事業計画としての高付加価値化の道筋は示されていない。

事業の実現可能性52%
  • 付加価値・賃上げの目標3

    5年先に3〜5倍増を目指すとあるが、数値目標の根拠や付加価値額・賃上げの記載がなく実現性は判断しにくい。

  • 事業を進める体制2

    従業員数は1人と書かれており、体制の厚みや事務処理能力をうかがわせる記述は乏しい。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    1ミクロン以下の薄膜を局所に塗布できる点や、島田代表の「わが社だけ」という発言で選ばれる理由がある程度読み取れる。

  • 事業化までの道筋3

    医療機器や医薬品分野への進出を語るが、中長期の遂行方法やスケジュールは具体的に書かれていない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    1ミクロン以下の薄膜を局所に塗る特殊構造のスプレーで、同分野で高水準の性能を持つことが具体的に読み取れる。

公的補助の必要性40%
  • 波及効果・雇用2

    電子眼鏡や医療分野への応用は語られるが、国が補助する波及効果や雇用創出の記述はわずかにうかがえる程度。

  • 費用対効果2

    売り上げを5割増とあるが、補助金投入額との比較や費用対効果を示す数字は書かれていない。

  • イノベーションへの貢献2

    エアキャップや内部のスクリュー構造による新技術は読み取れるが、デジタル技術やサプライチェーンへの貢献は書かれていない。

政策面40%
  • 成長分野への進出2

    医療機器・医薬品分野への進出を語るが、日本経済の構造転換に資する根拠は示されていない。

  • 地域経済への波及2

    埼玉県産業技術総合センター周辺での活動は書かれるが、地域の特性を活かして雇用や成長を牽引する記述は乏しい。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

5年先には売り上げを3〜5倍に増やすことを目指しており、今後は医療機器や医薬品開発の分野への進出も考えている。

事業者の声

これほど薄い膜を部分的に塗りたいというニーズに応えられるのはわが社だけ

公式の事例集より(原文のまま)

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成25年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。