ものづくり補助金平成25年度製造業滋賀県

肌にストレスフリーな超柔軟型ハイドロコロイド絆創膏の開発

東洋化学株式会社

この事例のポイント

  • 肌の弱い幼児から高齢者まで安心して使える、肌にストレスを与えない超柔軟なハイドロコロイド絆創膏の開発が求められていた。
  • ハイドロコロイド絆創膏の膏体を混練する実生産装置を基に、15Lの試作混練装置(PVM-15)を装置メーカーと設計・導入した。
  • 試作混練装置と試作塗工ラミネート装置により、数十グラム単位のラボ検討から実生産条件に近い規模での膏体組成検討が可能になった。

事業者のプロフィール

事業者名東洋化学株式会社
所在地滋賀県 蒲生郡日野町
業種その他の製造業
技術分野複合・新機能材料
従業員数76人
資本金1,000万円
設立1974年

事業の背景

当社は自社開発したハイドロコロイド絆創膏(湿潤療法に用いる製品)を製造販売している。日常的な外傷は9歳以下と70歳以上が圧倒的に多く、絆創膏の主なユーザーは肌の弱い幼児や高齢者である。そのため、肌へのストレスを抑えた絆創膏の開発が求められていた。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 新製品・新技術肌の弱い幼児から高齢者まで安心して使える、肌にストレスを与えない超柔軟なハイドロコロイド絆創膏の開発が求められていた。
  • 品質・精度膏体の粘着力を下げても剥がれ落ちにくくするには膏体の開発が必要だが、ラボスケール(ビーカーサイズ)では検討に限界があった。
  • 生産能力膏体組成の検討は数十グラム単位の小スケールでしか実施できず、実生産条件に近いパイロットスケール(数十リットル)での検討が必要だった。

やったこと

ハイドロコロイド絆創膏の膏体を混練する実生産装置を基に、15Lの試作混練装置(PVM-15)を装置メーカーと設計・導入した。この装置はトルクをかけながら粘度のある樹脂に粉末を練り込むのに適している。また、熱可塑性樹脂を加熱溶解しダイコーターでシート状に塗工する試作塗工ラミネート装置も設計・導入した。ラボで好成績だった2水準の膏体組成を両装置で試作し、粘着力・保持力の各種試験とヒト皮膚角質剥離試験(上腕内側部に30分貼付後、マイクロスコープで観察)を行った。

加工機試作混練装置(15L容量、PVM-15)
加工機試作塗工ラミネート装置(ダイコーター方式)

新しい製品・サービス:肌にストレスを与えない超柔軟なハイドロコロイド絆創膏

事業の効果

試作混練装置と試作塗工ラミネート装置により、数十グラム単位のラボ検討から実生産条件に近い規模での膏体組成検討が可能になった。肌にストレスを与えない超柔軟なハイドロコロイド絆創膏の元となる膏体の基本組成を確立した。角質剥離については、いずれの試作品も低角質剥離を謳う他社既存サージカルテープと同等の結果だった。ラボと実機では物性に差が出たが、肌へのストレスをかけないという点では十分な可能性が示された。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.4 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性60%
  • これまでの取組との一貫性3

    既存のハイドロコロイド絆創膏の製造販売を前提に、肌にストレスを与えない超柔軟品の開発を目指す流れが読み取れる。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    他社製品との差別化と顧客満足向上が目的と書かれ、幼児から高齢者という顧客層が示されるが、市場規模や競争上の数値は書かれていない。

  • 課題の認識と解決3

    ラボ品では数十グラム規模しか検討できなかった課題を、15L混練装置などで実生産条件に近づける方針が読み取れる。

事業の実現可能性52%
  • 付加価値・賃上げの目標2

    付加価値額や賃上げの目標値は書かれていない。製品開発の方向性はうかがえるが数値目標はない。

  • 事業を進める体制3

    装置メーカーと共同で設計し、試作を実施した体制が書かれているが、人員や事務処理体制の具体は薄い。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    従業員や使用者層の特徴、他社サージカルテープとの角質剥離比較など、ターゲットと差別化の根拠が具体的に示されている。

  • 事業化までの道筋3

    ラボ試験から実機試作、今後の実機試験へと段階が示されるが、スケジュールや期間の記載は薄い。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性60%
  • 新しさ・高付加価値3

    湿潤療法向けハイドロコロイド絆創膏の中で、超柔軟という高付加価値の方向性が示される。ただし普及度や高価格化の数値はない。

公的補助の必要性33%
  • 波及効果・雇用2

    幼児や高齢者の安心使用という社会的な意義がうかがえるが、経済波及や雇用創出の記載はない。

  • 費用対効果1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • イノベーションへの貢献2

    新しいフィルム素材や試作装置の導入はうかがえるが、デジタル技術やサプライチェーンへの貢献は書かれていない。

政策面30%
  • 成長分野への進出1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 地域経済への波及2

    滋賀県の企業であることは示されるが、地域特性を活かした雇用や成長への言及は少ない。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

本事業で導入した試作装置により、実機レベルでの試験を重ねて、肌にストレスを与えない超柔軟なハイドロコロイド絆創膏の開発につなげたい。

  • 目標:粘着力 100%→50%

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成25年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。