ものづくり補助金平成29年度製造業福井県

世界初の視認性向上レンズの生産性向上を目的としたディップコート装置の導入

株式会社ホプニック研究所

成果一回の加工当たりの処理数 3枚→16枚

この事例のポイント

  • 従来のスピンコート法による色素コーティングは量産性が低かった。
  • ディップコート法でレンズにハードコート処理をする装置を導入した。
  • 一回の加工当たりの処理数 3枚→16枚。ディップコート法の導入により、一回の加工当たりの処理数が3枚から16枚に増え、生産性が大幅に向上した。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社ホプニック研究所
所在地福井県 鯖江市
業種その他の製造業
技術分野表面処理,表面処理
従業員数40人
資本金1,000万円
設立1988年

事業の背景

株式会社ホブニック研究所は技術開発型企業として、機能性レンズを開発、製造している。約10年前から580〜590nmの黄色い光をカットしてまぶしさを抑え、視認性を向上させるレンズを製造してきた。従来はレンズ表面にスピンコート法で特殊な色素をコーティングしていたが、量産性の低さと製造コストの高さが課題となっていた。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力従来のスピンコート法による色素コーティングは量産性が低かった。
  • コスト・採算従来のスピンコート法による色素コーティングは製造コストが高かった。

やったこと

ディップコート法でレンズにハードコート処理をする装置を導入した。化学メーカーとコート液の開発を進め、色素を含むコート液を均一に処理、硬化させるための加工条件を検討した。レンズ基材との密着性、コート剤の硬化温度、コート膜の厚みの均一性について、従来方法と同様の高い品質を保った。その結果、一回の加工当たりの処理数は3枚から16枚に増え、一枚に要する処理時間は72秒から22.5秒に短縮された。従来は200枚ごとに新規作成が必要だったコート液も、40日間の長期にわたって安定的な品質で使用できるようになった。

  • 加工機ディップコート装置ハードコート処理装置

新しい製品・サービス:視認性向上レンズ(イエローライトカットレンズ)

事業の効果

  • 一回の加工当たりの処理数 3枚→16枚
  • 一枚あたりの処理時間 72秒→22.5秒

ディップコート法の導入により、一回の加工当たりの処理数が3枚から16枚に増え、生産性が大幅に向上した。コート液も200枚ごとの新規作成が不要となり、40日間の長期にわたって安定した品質で使えるようになった。これにより低コストで月産約10,000枚の製造が可能となり、従来方法と同様の高い品質を保ちながら量産体制を実現した。令和元年秋から本格出荷を開始し、高コントラストで目の疲れを抑えるレンズの市場開拓を進めている。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで、採択された計画の標準を3として見ています。公開情報では判断できない観点は点数を出さず、平均にも入れていません

観点の平均3.2 / 514観点のうち13観点で評価

出典:公募要領 p.44(審査項目)

この事例が強かった観点

  • 5
    付加価値・賃上げの目標処理枚数3枚から16枚、処理時間72秒から22.5秒、月産約10,000枚と数字で生産性向上が示され、実現済みの成果として読める。
  • 5
    新しさ・高付加価値580~590nmの黄色い光をカットするレンズで、従来はスピンコートによる量産性の低さが課題だったと数字つきで示され、高付加価値化が読み取れる。
  • 4
    課題の認識と解決量産性の低さと製造コストの高さが課題と明示され、ディップコート装置導入で課題に対応し、新主力商品化を目指す流れが読み取れる。

伸びしろがあった観点

  • 2
    強み・弱みを踏まえた優位性自社の強みとして技術開発型企業であることや、競争力のある商品づくりを進める旨がうかがえるが、市場環境との関係は具体的に示されていない。
経営戦略との整合性3.0
  • これまでの取組との一貫性3

    約10年前から視認性向上レンズを製造しており過去の取組との一貫性は読み取れるが、経営戦略上の明確な位置付けは具体的に書かれていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性2

    自社の強みとして技術開発型企業であることや、競争力のある商品づくりを進める旨がうかがえるが、市場環境との関係は具体的に示されていない。

  • 課題の認識と解決4

    量産性の低さと製造コストの高さが課題と明示され、ディップコート装置導入で課題に対応し、新主力商品化を目指す流れが読み取れる。

事業の実現可能性3.4
  • 付加価値・賃上げの目標5

    処理枚数3枚から16枚、処理時間72秒から22.5秒、月産約10,000枚と数字で生産性向上が示され、実現済みの成果として読める。

  • 事業を進める体制2

    化学メーカーとコート液の開発を進めたことはうかがえるが、人材や事務処理体制については書かれていない。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    目の疲れを抑える視認性向上レンズの特長と、運転手や外科医らを視野に入れた顧客像が具体的に読み取れる。

  • 事業化までの道筋3

    海外展開や周知・普及を進める方針は示されているが、スケジュールや課題解決の具体的な方法は読み取れない。

  • 財務と資金の調達3

    財務の状況は公開されている事例には出ないため、中間の3としています。

新市場性・高付加価値性5.0
  • 新しさ・高付加価値5

    580~590nmの黄色い光をカットするレンズで、従来はスピンコートによる量産性の低さが課題だったと数字つきで示され、高付加価値化が読み取れる。

公的補助の必要性2.7
  • 波及効果・雇用2

    加齢による見えにくさへの対応という社会的ニーズはうかがえるが、経済波及効果や雇用創出については書かれていない。

  • 費用対効果4

    処理時間を72秒から22.5秒に短縮し、一回あたりの処理数を3枚から16枚に増やした生産性向上の具体的成果が示されている。

  • イノベーションへの貢献2

    新しいコート技術の応用によるレンズ開発は書かれているが、デジタル技術やサプライチェーンへの貢献は読み取れない。

政策面2.0
  • 成長分野への進出ー

    公開情報では判断できません。

  • 地域経済への波及2

    鯖江市の企業であることは示されているが、地域の特性を活かした経済成長への言及は具体的に読み取れない。

今後の展望

本格的な量産と販売体制が整ったことを機に、レンズメーカーや一般消費者に視認性向上レンズの機能を周知し普及させる。将来的には海外展開も図りながら、新しい主力商品化を目指す。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成29年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです(画像のPDFを文字起こししてから読み取りました)。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。