ものづくり補助金平成24年度滋賀県

自動湯葉上げ制御装置と無人搬送装置の設計・開発空導入による湯葉製造工程の自働化

株式会社比叡ゆば本舗ゆば八

成果湯葉製造室の作業者数 10人→2人

この事例のポイント

  • 輸入湯葉や低価格・低品質品の台頭により価格競争を余儀なくされている。
  • 新工場の生湯葉製造を自動化するため、湯葉の製造工程の把握、作業時間の数値化、食品衛生法に対応した材質の選定を基に基本設計を行った。
  • 湯葉製造室の作業者数 10人→2人。湯葉の巻き取りと加工室までの搬送を自動化したことで、高温多湿な製造室で従事する人数を減らし、加工工程へ人員を振り向けら…

事業者のプロフィール

事業者名株式会社比叡ゆば本舗ゆば八
所在地滋賀県 大津市
業種食料品製造業
技術分野組込みソフトウェア
従業員数125人
資本金2,500万円
設立1969年

事業の背景

湯葉は健康志向のブームを受けて国内外で需要が伸びており、海外航空会社の機内食の食材に採用されるなど日本のヘルシーな食文化を代表する食品として注目されている。一方で輸入湯葉や低価格・低品質品が台頭し、価格競争を余儀なくされている。湯葉製造は人手がかかるため業界全体が高人件費体質となっている。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • コスト・採算輸入湯葉や低価格・低品質品の台頭により価格競争を余儀なくされている。
  • 人手・技能湯葉の製造には人手がかかり、業界全体が高人件費体質となって価格競争力が低下している。
  • 人手・技能高温多湿の製造現場のため従業員の定着率が低く、定着率の向上が課題となっている。
  • 品質・精度製造工程での異物混入のリスク対策が大きな課題となっている。
  • 生産能力生産体制の増強と製造工程の効率化・省力化が必要になっている。

やったこと

新工場の生湯葉製造を自動化するため、湯葉の製造工程の把握、作業時間の数値化、食品衛生法に対応した材質の選定を基に基本設計を行った。新工場の湯葉製造室には従来の約5倍となる16台の湯葉製造釜を設置し、搬送装置1台につき釜8台まで管理できる仕様のため、製造室を2部屋(Aゾーン・Bゾーン)に区切り、各部屋に搬送・制御装置を1台ずつ設置した。Bゾーンでシミュレーションを行った際、高温多湿の環境で床面が結露し搬送装置のタイヤがスリップしたため、床材は衛生・構造上変更できないことからタイヤに滑り止めの処理を施して解決した。制御プログラムのバグによる搬送装置の停止は、3ヶ月稼働した実績を基に修正し、支柱部分は錆びに強いステンレス製に変更して動作確認を行い、シミュレーションを完了した。

事業の効果

  • 湯葉製造室の作業者数 10人→2人
  • 生湯葉の生産能力 1倍(従来比)→5.3倍(従来比)

湯葉の巻き取りと加工室までの搬送を自動化したことで、高温多湿な製造室で従事する人数を減らし、加工工程へ人員を振り向けられるようになった。生湯葉の生産能力は従来の約5.3倍に増強され、製造作業者は10名から2名となった。高温多湿の環境での作業が減ったことで省力化と労働環境の改善が進み、人的要因による異物混入の機会も削減できるようになった。高品質で低価格な湯葉の量産により価格競争力を高め、業界で世界初となるFSSC22000を認証取得した。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.9 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性60%
  • これまでの取組との一貫性2

    従来工場で培った湯葉の製造時間や製法の実績を基に設計したとあり、過去の取組との一貫性がうかがえる。経営戦略上の位置付けは書かれていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    海外需要の伸びや輸入品・低価格品との価格競争に触れ、人件費体質が課題とされている。自社の強み・弱みの分析は具体的に書かれていない。

  • 課題の認識と解決4

    人件費体質、高温多湿での定着率、異物混入リスクといった課題を明示し、人員を1/5に減らす省力化で解決する計画が読み取れる。

事業の実現可能性72%
  • 付加価値・賃上げの目標5

    生産能力を従来の約5.3倍に増強し、作業者を10名から2名にする数値目標と結果が示されている。

  • 事業を進める体制2

    基本設計・設計製作・シミュレーションの工程は書かれているが、人材や事務処理体制についての記述は乏しい。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    高品質で低価格な湯葉の量産、海外航空機内食への採用など、顧客ニーズと選ばれる理由がある程度読み取れる。

  • 事業化までの道筋4

    床面の滑りによるタイヤスリップやプログラムのバグを、滑り止め処理や3か月稼働後の修正で解決した経緯が具体的に書かれている。

  • 財務と資金の調達3

    財務の状況は公開されている事例には出ないため、中間の3としています。

新市場性・高付加価値性60%
  • 新しさ・高付加価値3

    湯葉の需要は伸びているが、高付加価値化や高価格化の水準についての記述は薄い。ISO22000系の認証取得は言及されている。

公的補助の必要性53%
  • 波及効果・雇用2

    雇用増加や地域への言及はあるが、川上・川下への波及効果など国が補助する理由は明示されていない。

  • 費用対効果3

    コストダウンや生産能力増強は示されているが、補助金投入額に対する費用対効果の数値は書かれていない。

  • イノベーションへの貢献3

    無人搬送装置と自動制御装置の導入は示されているが、サプライチェーン全体への貢献についての記述は薄い。

政策面30%
  • 成長分野への進出1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 地域経済への波及2

    滋賀県大津市の企業で雇用増加に触れているが、地域特性を活かした経済成長への言及は限られている。

今後の展望

質・量ともに日本一を目指し、生産体制の増強と製造工程の効率化・省力化を進める。

業種と困りごとが近い成果事例

東京都平成24年度

不良率の低減とコストダウンの確立

スマートメーター専用の治具を開発し、部品ごとに治具形状と掛け数を同期化することで、同一電流量での多品種部品のめっき加工を可能にした。

効果:生産量 100%→130%

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成24年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです(画像のPDFを文字起こししてから読み取りました)。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。