ものづくり補助金平成25年度製造業千葉県

3D プリンタ・スキャナを用いた歯科用模型のデータ化と保存・復元サービス

株式会社3D

この事例のポイント

  • 歯科医院は矯正治療後も石膏模型を6年〜13年以上保管する必要があるが、写真だけでは模型を復元できないため模型を保管し続けており、そのコストが負担となっている。
  • 既存の石膏模型をスキャンして3Dデータ化し、データ容量を一般のPCやタブレットでも扱える程度に軽量化するため、特殊なファイル形式に変換した。
  • 石膏模型を3Dスキャナでデータ化しても実物とほぼ変わらない精度でスキャンできることが実証され、データ化・保管に問題がないことが明らかになった。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社3D
所在地千葉県 千葉市美浜区
業種その他の製造業
技術分野情報処理,精密加工,立体造形
従業員数1人
資本金300万円
設立2012年

事業の背景

厚生労働省の通達により矯正診療の石膏模型は数年間の保管が求められ、矯正治療は3年〜10年と長期にわたるため、治療完了後から起算すると6年〜13年以上の保管が必要になる。首都圏の矯正専門診療所では平均2,000〜4,000個の模型を保管しており、貸し倉庫を借りている歯科医も多い。こうした状況から、模型の保管サービスへのニーズは非常に高いと考えられていた。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • コスト・採算歯科医院は矯正治療後も石膏模型を6年〜13年以上保管する必要があるが、写真だけでは模型を復元できないため模型を保管し続けており、そのコストが負担となっている。

やったこと

既存の石膏模型をスキャンして3Dデータ化し、データ容量を一般のPCやタブレットでも扱える程度に軽量化するため、特殊なファイル形式に変換した。治療前後の模型を比較するため、特殊なファイル形式に対応し2つのデータを並べて比較できる機能を備えた専用ビュワーを開発した。信用のある国内大手のサーバーでプライベートクラウドを構築し、患者データをセキュアに管理できるようにした。3Dプリンタによる模型の復元では、サポート材の配置を設計して詳細部分まで再現し、一般工業用高度3次元検査ソフトによる精度検証と歯科医師・歯科技工士による確認を行った。東京歯科大学で実証実験を行い、実物とほぼ変わらずスキャンできること、90%以上の精度で臨床に耐える模型を出力できることを確認した。

検査測定3Dスキャナ
加工機3Dプリンタ
ソフト専用ビュワー

新しい製品・サービス:歯科用模型の3Dデータ化・クラウド保管・3Dプリンタによる復元サービス

事業の効果

石膏模型を3Dスキャナでデータ化しても実物とほぼ変わらない精度でスキャンできることが実証され、データ化・保管に問題がないことが明らかになった。クラウドでデータを保管することで、クリニックに高性能な設備を置かずにデータを閲覧できるようになった。3Dプリンタにより90%以上の精度で臨床に耐える模型を出力できる技術を確立した。作業は熟練によりスピードと精度が向上し効率的になり、「模型データ化と言えば3D」と言われるまでになって業績も徐々に上がっている。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.7 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性67%
  • これまでの取組との一貫性3

    矯正診療の模型保管コストという課題から3Dデータ化サービスに取り組んだ経緯は読めるが、既存事業との連続性や経営戦略上の位置付けは具体的に書かれていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    首都圏の矯正専門診療所へのヒアリングや、2,000〜4,000個の模型保管・貸し倉庫利用の実態は示されるが、競合比較や自社の経営資源の強みは薄い。

  • 課題の認識と解決4

    模型保管コストという課題が具体的に示され、データ保管と3Dプリンタ復元による解決策と、サポート材ノウハウによる参入障壁構築が書かれている。

事業の実現可能性52%
  • 付加価値・賃上げの目標3

    付加価値額や賃上げの数値目標は書かれていないが、90%以上の精度で臨床に耐える模型出力という実証結果は示されている。

  • 事業を進める体制2

    従業員数は1名と書かれるが、補助事業を遂行する体制や事務処理の役割分担についての記述はほとんどない。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    顧客は矯正専門診療所、ニーズは貸し倉庫を借りる歯科医の負担という形で整理され、ターゲットと選ばれる理由が読み取れる。

  • 事業化までの道筋3

    実証実験、東京歯科大学・徳島大学との連携、今後の販路拡大、精度向上の方針など段階的な計画は示されるが、スケジュールは具体的でない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    模型データ化の分野は新しい事業とされ、先行者としてノウハウを構築し参入障壁を築く方針が書かれている。

公的補助の必要性53%
  • 波及効果・雇用2

    歯科医院の模型保管負担や厚生労働省の通達に触れるが、経済波及や雇用創出など国が補助する積極的理由は書かれていない。

  • 費用対効果2

    保管コスト負担の課題は示されるが、補助金投入額に対する付加価値増加や費用対効果の数値は書かれていない。

  • イノベーションへの貢献4

    3Dスキャン、専用ビュワー、プライベートクラウドを組み合わせ、歯科医療のデジタル化という新しいサービスモデルが具体的に書かれている。

政策面30%
  • 成長分野への進出2

    歯科医療のデジタル化という分野への進出はうかがえるが、日本経済の構造転換への寄与は明示されていない。

  • 地域経済への波及1

    公開されている事例からは読み取れません。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

当初は東京歯科大学、徳島大学、モニターの先生方から始めて実績を作り、紹介により販路を広げていく予定である。先行者としてサポート材設計などのノウハウを早期に構築し、特許出願などで参入障壁を築いていく考えである。今後は新たなプロダクトやサービスを開発し、事業を拡大していく予定である。

事業者の声

模型データ化と言えば 3D !

公式の事例集より(原文のまま)

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成25年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。