高額装身具の生産体制の内製化による短納期化とコストダウン

山梨県の従業員2人の製造業が、ものづくり補助金で3Dスキャナーや3Dプリンターを内製化し、短納期化とコストダウンを実現した採択事例です。

成果内製化によって三分の一の時間で除去修正ができるようになった。

この事例のポイント

  • コロナ禍で社外に依頼していたスキャン作業が滞り、納期との戦いになっていました。
  • 3Dスキャナーで貴石の形を正確にスキャンしてデータ化し、3D画面上で石座のデータを整えるようにしました。
  • 内製化によって三分の一の時間で除去修正ができるようになった。3Dスキャナーや3Dプリンターを内製化したことで、納期に余裕が生まれ、外注費も抑えられました。

事業者のプロフィール

所在地山梨県 甲府市
業種その他の製造業
技術分野デザイン,立体造形
従業員数2人
設立2005年

事業の背景

オーワ工芸は2005年に設立され、貴金属製造業としてハイジュエリーのオーダーメイドや企画製造を手掛けています。代表の小池さんは国家検定貴金属装身具1級技能士で、大手有名ブランドから高額装身具の製造依頼を受けています。

貴石を預かって製造するため、破損の心配から社外への3Dスキャンの委託に課題がありました。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 納期・工程コロナ禍で社外に依頼していたスキャン作業が滞り、納期との戦いになっていました。
  • コスト・採算社外への依頼に頼っていたため外注費がかかり、他社への行き来や順番待ちによる時間のロスも生じていました。
  • 生産能力従来の回転バレルでは小さいメディアの研磨力が弱く、長時間回転させないと積層痕が取れませんでした。

やったこと

3Dスキャナーで貴石の形を正確にスキャンしてデータ化し、3D画面上で石座のデータを整えるようにしました。3Dプリンターを内製化して樹脂造形を行い、サポートを小さく間隔を取るなど製品に合わせて付けられるようにしました。

揺動式遠心バレル研磨機を導入し、遠心力による高圧力と高速流動で研磨を行うようにしました。サポートの除去と紫外線硬化樹脂での修正作業も内製化しました。

補助金で入れた設備

経費の区分は「機械装置・システム構築費」です。

事業の効果

  • 内製化によって三分の一の時間で除去修正ができるようになった。

3Dスキャナーや3Dプリンターを内製化したことで、納期に余裕が生まれ、外注費も抑えられました。石座の形状を樹脂で確認できるため、お客様への提案も可能になりました。

揺動式遠心バレルにより、研磨時間が大幅に短縮され、鏡面仕上げまでできるようになりました。技術の革新によって仕事への喜びも増したようです。

出た効果の種類(押すと同じ効果の事例へ)

審査の観点ごとの評価

新事業進出・ものづくり補助金

観点の平均3.4 / 5

この事例が強かった観点

  • 4
    強み・弱みを踏まえた優位性手先の器用さと技能士・競技委員としての技術評価を強みとし、大手ブランドの信頼を得ている点から、競争優位を発揮できる内容と読み取れる。
  • 4
    課題の認識と解決コロナ禍で外注のスキャン作業が滞り納期が逼迫した課題を認識し、3Dスキャナー等の内製化で対応する実効性の高い計画になっている。
  • 4
    事業を進める体制国家検定1級技能士で技能グランプリ優勝者の代表が、自社スタッフによる丁寧な作業と体制を担うと具体的に示されている。

もう一歩だった観点

  • 2
    費用対効果外注費を抑えられ時間の余裕が生まれたと触れているが、補助金額に対する付加価値増加の数値は示されていない。
経営戦略との整合性3.7
  • これまでの取組との一貫性3

    ジュエリーメーカー勤務を経て2005年に創業し、大手ブランドの製造依頼を受けてきた経緯があり、内製化の方向性は既存事業の延長にある。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    手先の器用さと技能士・競技委員としての技術評価を強みとし、大手ブランドの信頼を得ている点から、競争優位を発揮できる内容と読み取れる。

  • 課題の認識と解決4

    コロナ禍で外注のスキャン作業が滞り納期が逼迫した課題を認識し、3Dスキャナー等の内製化で対応する実効性の高い計画になっている。

事業の実現可能性3.4
  • 付加価値・賃上げの目標3

    納期短縮とコストダウンを掲げ、売上上昇と雇用創出を図るとしているが、目標値の数字は示されていない。

  • 事業を進める体制4

    国家検定1級技能士で技能グランプリ優勝者の代表が、自社スタッフによる丁寧な作業と体制を担うと具体的に示されている。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    ハイジュエリーを手掛ける大手ブランドからの信頼と、樹脂モックアップで顧客に提案できる点など、顧客と選ばれる理由が整理されている。

  • 事業化までの道筋3

    3Dプリンターの内製化によりサポート除去作業が三分の一の時間になるなど、遂行方法と課題解決の流れは妥当に示されている。

  • 財務と資金の調達3

    財務の状況は公開されている事例には出ないため、中間の3としています。

新市場性・高付加価値性4.0
  • 新しさ・高付加価値4

    1500種類の組み合わせや、貴石を傷つけず形状を読み取る高度な手作業の技術など、高水準の高付加価値化を図る内容が読み取れる。

公的補助の必要性3.0
  • 波及効果・雇用3

    雇用創出と今後のスタッフ充実に触れており、地域の貴金属製造業を牽引する人材という点も国が補助する理由として読み取れる。

  • 費用対効果2

    外注費を抑えられ時間の余裕が生まれたと触れているが、補助金額に対する付加価値増加の数値は示されていない。

  • イノベーションへの貢献4

    3Dスキャナー・3Dプリンター・揺動遠心バレルの組み合わせで、デジタル技術による研磨や造形の革新を実現している。

政策面3.0
  • 成長分野への進出2

    ネット等を利用した個人顧客への展開を視野に入れると述べているが、成長分野への構造転換としての記述は薄い。

  • 地域経済への波及4

    山梨の貴金属製造業界を牽引する人材が地域で高付加価値のハイジュエリーを製作し、雇用創出を図る点が具体的に示されている。

事業者の声

今後はさらにスタッフの充実を図り、ネット等を利用して個人顧客や一般の人たちにも訴求できる新しい展開も視野に入れて考えていきたい。

公式の事例集より(原文のまま)

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出典・注記
  • 出典:公式の事例集(令和元年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文からAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 審査の観点:公募要領 p.44(審査項目)
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。