ものづくり補助金平成29年度製造業香川県

防災ドローンアタッチメント作製

株式会社空撮技研

この事例のポイント

  • 現有の3Dプリンタで大型部品を作ると約3回に1回は目標形状と大きく異なって破棄となり、成功品も研磨しても形状にムラが残った。
  • 既製品の小型ドローンと、レジン用3Dプリンタ、CNCを導入し、機材に合った設計や加工精度の高め方の知見を収集した。
  • 試作品の製作を進め、製品化及び販売に向けた準備を行った。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社空撮技研
所在地香川県 観音寺市
業種その他の製造業
技術分野機械制御
従業員数9人
設立2014年

事業の背景

近年、設計が最適化された完成度の高い海外製のドローン機体が販売されるようになり、国内のドローン産業では既製品機体を活用して、細かなニーズに合った運用ができるアタッチメントの開発が早急に求められている。当社はドローンの操縦トレーニングやドローン関連商品の販売を行い、無人航空機の操縦経験が30年と長く、行政や県警、消防庁とドローンを用いた防災協定を締結している。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 品質・精度現有の3Dプリンタで大型部品を作ると約3回に1回は目標形状と大きく異なって破棄となり、成功品も研磨しても形状にムラが残った。
  • 品質・精度試作の主原料だったPLA樹脂は硬く研磨が難しいため、積層の段や表面の粗さが残り、商品化するには完成度が低かった。
  • コスト・採算カーボン加工は手作業のため精度に限界があり、外注すると費用が高く時間的なロスも大きかった。
  • 新製品・新技術ドローンは搭載重量と飛行時間がトレードオフのため、飛行時間を確保して運用の幅を広げるにはアタッチメントの軽量化が欠かせなかった。
  • 生産能力細かな現場ニーズに応えて新たな市場を開拓するには、多品種少量生産が可能な体制の構築が必要だった。

やったこと

既製品の小型ドローンと、レジン用3Dプリンタ、CNCを導入し、機材に合った設計や加工精度の高め方の知見を収集した。その中で生産性・完成度・加工精度の向上を図った。アタッチメント製作のための設備機械やドローン、カメラなども導入し、機械制御を用いたアタッチメント装置の試作・検証を重ねた。小型ドローン用には水難救助で使用する浮具投下型を開発し、大型ドローン用には水難救助用浮具発射型や害獣駆除、違法ドローン捕獲用のアタッチメントを製作した。

その他既製品の小型ドローン
加工機レジン用3Dプリンタ
加工機CNC
その他カメラ

新しい製品・サービス:小型ドローン用の水難救助用浮具投下型アタッチメント、大型ドローン用の水難救助用浮具発射型、害獣駆除・違法ドローン捕獲用アタッチメント

事業の効果

試作品の製作を進め、製品化及び販売に向けた準備を行った。大型ドローン用アタッチメントは本事業の実施後に電力関連企業からの発注につながった。加工の精度や品質も向上し、防災分野で県内外の新規顧客を創出する足掛かりを得た。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.8 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性67%
  • これまでの取組との一貫性3

    ドローン関連の製品開発力や防災協定、操縦経歴30年など過去の取組は読み取れるが、経営戦略上の位置付けは明記されていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    既製品の小型ドローンと県内外の防災ニーズに触れ、強みとして製品開発力や運用技術が挙げられているが、競争優位の根拠は具体性が薄い。

  • 課題の認識と解決4

    課題として3D造形の失敗品3回に1回、カーボン加工の外注コストと時間ロスを具体的に示し、導入設備で改善を図ったと書かれている。

事業の実現可能性52%
  • 付加価値・賃上げの目標2

    付加価値額や賃上げの目標値は示されておらず、販売や新規市場開発と売上増加を目指すとのみ記載されている。

  • 事業を進める体制3

    従業員9名で国交省技能認定講習や防災協定の実績があり、試作・検証を重ねている体制はうかがえるが、人材配置の記載は薄い。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    水難救助用浮具など用途を具体的に示し、電力関連企業からの発注につながったと書かれ、顧客ニーズの裏付けがある。

  • 事業化までの道筋3

    試作・検証と改良を続け製品として販売する流れは示されるが、スケジュールや中長期の課題解決方法は明記されていない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性60%
  • 新しさ・高付加価値3

    防災向けドローンアタッチメントは新市場の開拓を目指すと書かれ、分野の普及度は不明だが新規性は一定程度うかがえる。

公的補助の必要性53%
  • 波及効果・雇用3

    防災や害獣駆除、違法ドローン捕獲など社会的用途に触れ、新規市場の開発を目指す点は読み取れるが、波及効果の定量説明はない。

  • 費用対効果2

    補助金投入額に対する付加価値増加や生産性向上の数値は示されておらず、費用対効果は判断できない。

  • イノベーションへの貢献3

    3Dプリンタやレジン・CNCの導入で多品種少量生産を図る点は書かれるが、地域やサプライチェーンへの貢献は具体的でない。

政策面50%
  • 成長分野への進出2

    ドローン産業の既製品活用の流れに触れるが、日本経済の構造転換への言及は乏しい。

  • 地域経済への波及3

    香川県観音寺市に所在し県内外の防災活動に触れるが、地域の雇用や経済成長への効果は具体的に書かれていない。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

今後も試作・検証を続けてアタッチメントの精度や品質をさらに向上させ、製品として販売する。防災における全国的な新規市場の開発と売上増加を目指す。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成29年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。