ものづくり補助金平成25年度製造業千葉県

製造ライン敷設方法を革新する高容量電気幹線用T型分岐コネクターの開発

アメリカン電機株式会社

この事例のポイント

  • 当社はこれまで100アンペアという高容量の電流に対応する幹線用分岐コネクターを製造できていなかった。
  • 東京本社の設計部門と南房総市の千葉工場の2拠点で事業を実施した。
  • 完成した試作品は企画設計時に想定したコンセプトを満たし、通電試験と耐衝撃試験(落下試験)でも良好な結果を得た。

事業者のプロフィール

事業者名アメリカン電機株式会社
所在地千葉県 東京都大田区
業種電気機械器具製造業
技術分野製造環境
従業員数99人
資本金3,349万円
設立1939年

事業の背景

当社はコンセントやプラグなどの配線器具の製造メーカーで、70年前から取り組む引掛形の配線器具では国内トップブランドの地位を確立している。産業用配線器具は、防水機能、安定した電力供給、高い接続品質が非常に高いレベルで求められ、自動車や半導体等の製造工場、金融機関や情報産業のデータセンターなどに利用されている。急速な製造ラインの自動化が進む中、大容量の電流に対応する配線器具への需要が高まっていた。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 新製品・新技術当社はこれまで100アンペアという高容量の電流に対応する幹線用分岐コネクターを製造できていなかった。
  • その他自動車製造業や産業用機器製造メーカーから、屋内配線を自由に設計できる配線器具の要望が多く寄せられていた。
  • 生産能力大容量の電流に対応する機器は分電盤の側に設置する必要があり配置場所を容易に変えられず、工場レイアウトの制約となっていたため、工場の生産性向上のために製造ラインの敷設方法を革新する配線器具が求められていた。

やったこと

東京本社の設計部門と南房総市の千葉工場の2拠点で事業を実施した。企画開発設計では、結線部の作業性、ケーブルの保持能力、耐衝撃性能を主な検討事項とし、既存の60A対応配線器具をベースに、当社独自の引掛形構造を採用してコンパクトな製品を目指した。従来製品より大きな荷重を想定し、耐衝撃性能の高いポリカーボネート樹脂を素材に選定した。設計と3Dプリンタによる試作品造形を繰り返した後、千葉工場で製品用金型を作製し射出成形テストを行った。従来製品より大型となるため新たにオークマ社製立型マシニングセンタ「MB-46VAE」を導入し、射出成形用金型および治工具を作製した。その後、射出成形テストと組み立てを経て試作品が完成した。

加工機オークマ社製立型マシニングセンタ「MB-46VAE」

新しい製品・サービス:高容量電気幹線用T型分岐コネクター(100アンペア対応)

事業の効果

完成した試作品は企画設計時に想定したコンセプトを満たし、通電試験と耐衝撃試験(落下試験)でも良好な結果を得た。社内レビューでも充分な市場性が確認され、カタログモデルとして商品化することとなった。本事業により、良好な作業性、充分なケーブル保持能力、高い耐衝撃性能を備えた高容量電気幹線用T型分岐コネクターの開発に成功した。この製品は当社で最も容量の高いフラッグシップモデルとなっている。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.6 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性67%
  • これまでの取組との一貫性3

    70年の配線器具開発実績と引掛形でのトップブランドが述べられ、今回の製品はその延長として位置づけられている。ただし経営戦略上の位置づけは明示されていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    産業用配線器具で防水・電力供給・接続品質が求められる点、他社の追従を許さない一貫体制が書かれ、強みが具体的に示されている。

  • 課題の認識と解決3

    顧客から屋内配線の自由設計を求める要望があったことが書かれ、レイアウト変更の課題が示されているが、高付加価値化や成長の数値は示されていない。

事業の実現可能性52%
  • 付加価値・賃上げの目標2

    高付加価値の創出や賃上げを実現する目標値は書かれていない。大量発注の予想と売上向上の見込みがあるだけである。

  • 事業を進める体制3

    東京本社と南房総工場の2拠点で一貫体制を有し、協力会社の助力を得たと書かれているが、補助事業を担う人材や事務体制の具体は薄い。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    100アンペアの高容量対応、工場レイアウトを自由に変えられる点、製造ライン変更や工場新設時の需要が具体的に述べられている。

  • 事業化までの道筋3

    企画から試作、金型、射出成形、組立までの段階と、通電試験や落下試験の実施が書かれ、遂行手順は妥当に読み取れる。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    従来製品より大きく100Aに対応する点、他社が容易に真似できない新市場向けである点が書かれ、高水準の製品性が示されている。

公的補助の必要性40%
  • 波及効果・雇用3

    自動化が進む製造ラインの工場生産性向上への寄与や日本の経済発展への寄与が述べられているが、波及効果の定量的な裏付けは薄い。

  • 費用対効果1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • イノベーションへの貢献2

    製造ラインの急速な自動化への対応がうかがえるが、先端デジタル技術やサプライチェーンへの貢献は書かれていない。

政策面30%
  • 成長分野への進出2

    製造ラインの自動化進展という市場変化への対応がうかがえるが、日本経済の構造転換に資する具体的な分野への進出は書かれていない。

  • 地域経済への波及1

    公開されている事例からは読み取れません。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

カタログ掲載、展示会出展、有力事業者への営業活動により認知は徐々に広がりつつあり、サンプル出荷も始まっている。製造ライン変更や工場新設時に大量の発注が来ることを見込み、数年かけて認知度を高める方針である。収益化には時間がかかるものの、顧客の反応は良好で徐々に売上が向上すると見込んでいる。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成25年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。