ものづくり補助金平成27年度製造業静岡県

板金加工と切削加工の組み合わせによる軽量素材や複雑形状の製品における複合加工技術の確立

株式会社安田製作所

成果コストを従来の1/2程度まで軽減することができた。

この事例のポイント

  • 従来の板金加工技術は同業他社を圧倒するほどの優位性がなく、更なる納期短縮と低コスト化には限界があった。
  • 高精度・高品質な加工を実現するため、熱変位制御、高速切削及び複雑な形状の切削加工を高精度に行える5軸マシニングセンタを導入した。
  • コストを従来の1/2程度まで軽減することができた。アルミニウム材に対する高精度・高品質な加工が可能になり、医療機器分野を中心に新規の引き合いが増え、大口受注も獲得した。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社安田製作所
所在地静岡県 沼津市
業種電気機械器具製造業
技術分野精密加工
従業員数93人
資本金1,000万円
設立1977年

事業の背景

株式会社安田製作所は、精密板金加工と切削加工に係る高い加工技術力を強みとし、設計から塗装・組立までの製造工程を一貫して手掛けている。従来は試作品の短納期対応と、医療機器や梱包機器メーカーの筐体・カバーなどの量産品について、寸法精度±0.05mmの板金加工を行い、安定的な受注を得ていた。主力は血液分析装置に係るフレーム・筐体・付属部品などの医療機器部品製造である。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力従来の板金加工技術は同業他社を圧倒するほどの優位性がなく、更なる納期短縮と低コスト化には限界があった。
  • コスト・採算量産品の低コスト製造が課題としてあった。
  • 新製品・新技術医療機器分野では製品の軽量化に伴いメイン素材がスチールからアルミニウムへ移行しており、加工難易度の高い素材への高度な加工技術が求められていた。

やったこと

高精度・高品質な加工を実現するため、熱変位制御、高速切削及び複雑な形状の切削加工を高精度に行える5軸マシニングセンタを導入した。導入機械は従来の切削加工技術だけでは性能をフル活用できず、3DCAD/CAM(設計・加工システム)の活用技術が必要と判明したため、マシニングセンタメーカー主催の研修会参加やサポートセンターの説明を受けながら実作業を重ね、高度な技術の習得に努めた。当初は3Dプリンタで1次試作の製作時間を短縮していたが、本事業では5軸マシニングセンタにより板金と切削を組み合わせた製品開発が可能になった。支援機関からの紹介で3DCAD/CAM技術者の採用も計画した。プロジェクトは社長を総責任者とする4名体制で実施した。

加工機5軸マシニングセンタ
ソフト3DCAD/CAM(設計・加工システム)

新しい製品・サービス:板金加工と切削加工を組み合わせた複合加工技術による、軽量素材や複雑形状の製品

事業の効果

  • コストを従来の1/2程度まで軽減することができた。

アルミニウム材に対する高精度・高品質な加工が可能になり、医療機器分野を中心に新規の引き合いが増え、大口受注も獲得した。売上高・利益ともに向上し、コストも従来の約1/2程度まで軽減できた。板金と切削を組み合わせた複合加工の独自技術への市場評価が高まり、既存の板金加工に関する問い合わせも増加するなど、ビジネス全体の広がりがみられる。新規取引や販路開拓の機会も増え、今後は鉄道車輌等の新市場への参入も計画している。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均3.1 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性67%
  • これまでの取組との一貫性3

    平成25年度補正のものづくり補助金で3Dプリンタを導入し、今回5軸マシニングセンタを追加した経緯が書かれ、過去取組との一貫性がうかがえる。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    板金加工で±0.05mmの寸法精度があるが同業他社を圧倒する優位性はないとし、医療機器分野のアルミ加工需要を課題として捉えている。

  • 課題の認識と解決4

    従来の板金加工では納期短縮と低コスト化に限界があったと課題を示し、複合加工で新規引き合いや売上・利益向上、コストを従来の1/2程度に軽減したと数字で示している。

事業の実現可能性60%
  • 付加価値・賃上げの目標3

    コストを従来の1/8まで軽減する目標が示され、1/2程度まで軽減できたと結果が書かれているが、付加価値額や賃上げの目標値は書かれていない。

  • 事業を進める体制4

    社長を総責任者とした4名体制でスタートし、技術習得や3DCAD/CAM技術者の採用計画も書かれており、体制の具体性がある。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    医療機器分野の顧客ターゲットと、アルミ材の高精度加工という製品価値、新規引き合いや大口受注の実績が具体的に書かれている。

  • 事業化までの道筋3

    5軸MCの活用に3DCAD/CAMが必要と判明し、研修参加や作業実習で習得した経緯が書かれるが、中長期の検証や詳細スケジュールは薄い。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    医療機器分野でスチームからアルミへの素材転換が進み高難度加工が求められた点、板金と切削の複合加工は独自技術とされ、市場評価が高まったと書かれている。

公的補助の必要性60%
  • 波及効果・雇用3

    地域事務局や金融機関の紹介で新規取引が生まれ、地域の取引拡大や波及効果に言及するが、雇用創出や経済波及の具体数値は書かれていない。

  • 費用対効果4

    補助事業でコストを従来の1/2程度に軽減し、売上高・利益の向上や大口受注を得たと、費用対効果が結果として示されている。

  • イノベーションへの貢献2

    複合加工技術の確立は書かれるが、先端デジタル技術の活用やサプライチェーンへの貢献の記述は限定的でうかがえる程度。

政策面50%
  • 成長分野への進出2

    医療機器分野への素材転換やアルミ加工への対応はうかがえるが、日本経済の構造転換に資する点は明示されていない。

  • 地域経済への波及3

    静岡県沼津市の地域事務局との連携や地元金融機関の紹介が書かれ、地域の取引拡大に寄与した点は読み取れるが、雇用や地域成長の数値は薄い。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

独自技術を活かした高精度・高品質な製品開発を継続し、鉄道車輌等の新たな市場へ参入するなどの挑戦を続け、実績を積み上げていく計画である。医療機器分野では子供用義肢・競技用義足の開発など、特定分野にとらわれないものづくりを行う予定である。

  • 目標:当初目標はアルミニウム材に対する高精度・高品質の加工が可能になったこと。寸法精度は±0.05mm。

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出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成27年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。