ものづくり補助金平成25年度製造業東京都

デジタル裁断機器の導入による「職人技」の生産性向上

株式会社ベルシャン

この事例のポイント

  • オーダーシューズの生産工程のほとんどが熟練工の手作業で行われており、標準化と効率化が課題だった。
  • デジタル裁断機(株式会社レザックのハイエンドカッティングプロッター G3-M800)を導入した。
  • デジタル裁断機の導入により、オーダーシューズの熟練工の裁断工数が大幅に削減され、生産方式が新たに開発・導入された。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社ベルシャン
所在地東京都 東京都豊島区
業種なめし革・同製品・毛皮製造業
従業員数22人
資本金6,300万円
設立2003年

事業の背景

平成15年に設立された当社は、オーダーシューズの製造技術と、他社製靴にも対応できるフィッティング対応力により、外反母趾や左右の足サイズが違う人などから支持を得ている。直営店は日本橋人形町と池袋の2カ所あり、足立区の直営工場ではオーダーシューズを月産300足の体制で生産している。足の計測データは16,000名分あり、リピーターも多い。靴業界全体では職人の高齢化により、老舗の木型屋の閉店や部品の割高化が進んでいる。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 人手・技能オーダーシューズの生産工程のほとんどが熟練工の手作業で行われており、標準化と効率化が課題だった。
  • 新製品・新技術以前は工場で断裁していた試作品の作成に時間がかかり、新しいアイデアを形にするまでのスピードが遅かった。

やったこと

デジタル裁断機(株式会社レザックのハイエンドカッティングプロッター G3-M800)を導入した。この機械により、オーダーシューズの熟練工の裁断工数を大幅に削減し、新たな生産方式を開発・導入した。また、当社がオリジナルで開発・製造する「げんきパワー」シリーズの試作品も手元で作れるようにした。以前は工場で断裁していた試作品を社内で作れるようになり、新商品の開発を進めた。さらに足健康装具「バランスパッド」の量産体制を確立した。

加工機デジタル裁断機(ハイエンドカッティングプロッター G3-M800、株式会社レザック製)

新しい製品・サービス:足指に装着する足健康装具「バランスパッド」(国内および米国、韓国、中国、台湾で特許取得)と、全身のバランス調整や血行改善を目的とした「げんきパワー」シリーズ(開発中)

事業の効果

デジタル裁断機の導入により、オーダーシューズの熟練工の裁断工数が大幅に削減され、生産方式が新たに開発・導入された。試作品を手元で作れるようになったことで、アイデアを形にするまでのスピードが大きく改善した。バランスパッドの量産体制も確立された。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.6 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性53%
  • これまでの取組との一貫性3

    長年の靴職人のノウハウと新アイデアを融合し、げんきパワーシリーズへ展開する方向性が書かれ、既存事業との一貫性がうかがえる。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    16,000名の足データやリピーターの多さ、フィッティング対応力など自社の強みは書かれるが、市場動向との対比は薄い。

  • 課題の認識と解決2

    職人の高齢化や部品高騰など業界課題に触れるが、自社の課題の解決に向けた数値的な計画は示されていない。

事業の実現可能性48%
  • 付加価値・賃上げの目標2

    月産300足体制は示されるが、付加価値向上や賃上げの目標値は書かれていない。

  • 事業を進める体制3

    足立区の直営工場や22人の従業員体制は示されるが、補助事業の遂行体制の詳細は読み取れない。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    バランスパッドは特許取得済みで、重心移動や血行改善、高齢者の転倒予防という効果と対象顧客が具体的に書かれている。

  • 事業化までの道筋2

    今後の展望として新商品の販売拡大が述べられるが、スケジュールや課題解決の方法は書かれていない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    複合配合素材の特許取得や、耳石刺激による平衡機能向上という独自の仕組みが示され、一般的でない製品と読み取れる。

公的補助の必要性47%
  • 波及効果・雇用2

    高齢者の転倒予防や健康増進への貢献がうかがえるが、波及効果や雇用創出の数値は書かれていない。

  • 費用対効果2

    デジタル裁断機で試作品を手元で作れ、スピードが大きく改善したとあるが、投資額に対する効果の数値は示されていない。

  • イノベーションへの貢献3

    デジタル裁断機の導入で熟練工の裁断工数を大幅に削減したと書かれ、技術活用の方向性は読み取れるが具体性は薄い。

政策面50%
  • 成長分野への進出2

    健康増進分野の商品開発に進出する方向性がうかがえるが、日本経済の構造転換への言及は薄い。

  • 地域経済への波及3

    足立区の直営工場やオーダーシューズの製造、池袋・人形町の直営店など地域の拠点はあるが、地域経済への波及は書かれていない。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

靴業界は職人の高齢化などで厳しい状況にあるが、当社は長年のノウハウを活かしたアイデアを次々に商品化し、健康増進のための新商品を発表していく方針である。オーダーシューズの生産は続けつつ、健康増進のアイデア商品の販売を広げていく予定である。

事業者の声

工作機械が来た時に、打ち出の小槌がやってきたと思いました。私の頭の中にあるアイデアは、宝物のようなもので、長年の靴職人としてのノウハウと新しいアイデアが融合したものですが、工作機械が来たことによって、考えたことをすぐ形にすることができるようになりました。これからも多くの方が毎日を健康に過ごせるように、チャレンジしていきたいと思います。

公式の事例集より(原文のまま)

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成25年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。