ものづくり補助金平成25年度製造業東京都

酵母と全材料を国産・無添加にこだわった「白神こだま酵母パン」

株式会社サラ秋田白神

この事例のポイント

  • ノンオイル完全無添加パンは従来手作りでしか作れず、製造工程の一部を自動化して生産量を増やすことが課題だった。
  • パンの生産工程の一部を自動化するため、ミキサー、パン生地丸め機、フランスパン用バケットモルダー、オーブン、焼き上がったパンの粗熱をとる冷却装置を導入した。
  • 設備導入によって出来上がったパンの品質が安定し、作業効率は約20%向上した。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社サラ秋田白神
所在地東京都 秋田市
業種食料品製造業
技術分野バイオ,製造環境
従業員数34人
資本金1,000万円
設立2001年

事業の背景

平成13年創業の当社は、白神こだま酵母を使ったパンの製造と販売を行っている。取引先は、無・低農薬野菜の会員制宅配事業を展開するオイシックス・ラ・大地株式会社やスーパーマーケット八百幸(成城店)などで、八王子工場では直売もしている。原材料は国産小麦・白神こだま酵母・国産キビ砂糖・国産塩を基本とし、有機JAS認証を取得している。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力ノンオイル完全無添加パンは従来手作りでしか作れず、製造工程の一部を自動化して生産量を増やすことが課題だった。

やったこと

パンの生産工程の一部を自動化するため、ミキサー、パン生地丸め機、フランスパン用バケットモルダー、オーブン、焼き上がったパンの粗熱をとる冷却装置を導入した。ミキサーは、オーブンの容量増加に合わせて容量90リットルのものを導入した。オーブンはスウェーデンのレベント社製で、国産のオーブンと比べて生地発酵の鍵を握る蒸気の発生量が格段に優れていた。生地丸め機は、離剥油を使わなくても生地が機械に付着せずに丸められるレオン自動機製を選んだ。冷却装置は室内を陽圧状態にして、外からのゴミや虫が入りにくい仕様にした。

加工機ミキサー(関東混合機工業製 Hpi-90 LAS型、容量90リットル)
加工機パン生地丸め機(レオン自動機製 BR011)
加工機フランスパン用バケットモルダー
加工機オーブン(レベント社製 9H934ガスラックオーブン)
その他焼成パンの冷却装置

事業の効果

設備導入によって出来上がったパンの品質が安定し、作業効率は約20%向上した。オーブンの性能向上により、焼き上がったパンのボリュームと食感が良くなった。冷却装置の導入で梱包段階の衛生水準が高まり、取引企業の実地監査でも評価を得て信頼感が高まった。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.6 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性67%
  • これまでの取組との一貫性3

    無添加・国産原材料にこだわったパン作りが一貫して示されるが、設備投資と経営戦略の関係は明示されていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    無添加、有機JAS認証、白神こだま酵母の差別化特性が具体的で、強みを踏まえた競争優位が読み取れる。

  • 課題の認識と解決3

    作業効率約20%向上と冷凍パン商品化への展望はあるが、課題認識と事業計画の詳細は薄い。

事業の実現可能性48%
  • 付加価値・賃上げの目標3

    作業効率約20%向上は示されるが、付加価値額や賃上げの目標値は書かれていない。

  • 事業を進める体制2

    従業員34人や工場運営の記載はあるが、補助事業を遂行する体制や事務処理能力の説明はうかがえる程度。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    納入先や無添加パンの価値、ハラル対応など顧客ターゲットと選ばれる理由が具体的に読み取れる。

  • 事業化までの道筋2

    冷凍パン商品化や海外販売を目指すとあるが、遂行方法やスケジュールは示されていない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    ノンオイル完全無添加パンを機械で一部自動化し、マイナス50度瞬間冷凍装置を導入するなど高付加価値化の取組が読み取れる。

公的補助の必要性33%
  • 波及効果・雇用2

    国産原材料の利用や海外販売の展望はうかがえるが、波及効果や雇用創出の具体的数字は書かれていない。

  • 費用対効果2

    作業効率約20%向上は示されるが、補助金投入額に対する費用対効果の記述はない。

  • イノベーションへの貢献1

    公開されている事例からは読み取れません。

政策面50%
  • 成長分野への進出2

    冷凍パンの商品化や海外販路開拓の方向性はうかがえるが、日本経済の構造転換との関係は書かれていない。

  • 地域経済への波及3

    秋田の企業が東京八王子で製造し国産素材を使う地域資源活用はうかがえるが、地域経済への効果は具体的でない。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

東京2020オリンピック・パラリンピックでは、イスラム教徒の選手や観客の訪日が見込まれ、当社の材料と機械で作ったパンはハラルに則ったものとして提供できる。また冷凍パンの本格的な商品化を目指しており、マイナス50度で瞬間冷凍する装置の技術を使えば、無添加パンを海外でも販売できるようになる。今後はアジア各国への販売を模索していく。

事業者の声

今後アジア各国の生活水準が向上すれば、現在の日本のように、外国の料理も食卓に上るようになり、さらに安全で健康な食べ物を求めるようになる。食は予防医療でもあります。当社は、素材からこだわったメイド・イン・ジャパンのパン作りに真摯に向き合ってきました。ジャパンという言葉には、パンの文字が入ります。「白神こだま酵母パン」を、胸をはって世界に広めていきたいと思います。

公式の事例集より(原文のまま)

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成25年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。