ものづくり補助金平成25年度製造業東京都

薄物加工や0.2mmの細穴加工で自動車・半導体業界を支える

株式会社トウト工機

この事例のポイント

  • 従来の機械では細穴加工など高難度の加工に対応しきれず、加工時間も長かった。
  • 競合他社でも対応が難しいとされる細穴加工を可能にするオークマ株式会社製のマシニングセンタMB-56VBを導入した。
  • 高速スピンによる細穴加工で0.2mmの加工が可能になり、高真円度や平面度が求められる薄物加工も得意分野として強化された。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社トウト工機
所在地東京都 西多摩郡瑞穂町
業種金属製品製造業
技術分野機械制御,精密加工
従業員数32人
資本金2,005万円
設立1985年

事業の背景

1979年創業、1985年設立の当社は、半導体製造装置部品、自動化ライン用機器、X線検査装置、自動車部品、医療機器、航空部品、照明機器などの部品製造や組立加工を行っている。NC旋盤加工を主力とし、高精度・高品質はもちろん、薄肉・薄物の高難易度製品も数多く手がける。素材はステンレスが8割を占め、304、316、630等の難加工材を得意とする。受注量の増加と設備の大型化に伴い、平成29年に第二工場を竣工した。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力従来の機械では細穴加工など高難度の加工に対応しきれず、加工時間も長かった。
  • 生産能力段取りに時間がかかり、量産加工の生産効率を上げる必要があった。

やったこと

競合他社でも対応が難しいとされる細穴加工を可能にするオークマ株式会社製のマシニングセンタMB-56VBを導入した。これにより0.2mmの細穴加工が可能となり、高真円度や平面度の要求が高い薄物加工にも対応できるようになった。導入後、加工時間は従来の機械に比べ約3割短縮された。段取り時間も改善され、特に量産加工の生産効率向上につながった。

加工機オークマ製マシニングセンタMB-56VB

事業の効果

高速スピンによる細穴加工で0.2mmの加工が可能になり、高真円度や平面度が求められる薄物加工も得意分野として強化された。加工時間は従来の機械に比べ約3割短縮され、段取り時間も改善した。特に量産加工では生産効率が向上した。設備導入は収益にも比較的早く結びついた。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.8 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性67%
  • これまでの取組との一貫性3

    リーマンショック後に営業へ注力し設備投資を積極化したとあり、過去の取組との一貫性はうかがえるが、経営戦略として明示されてはいない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    市場ニーズ把握のため営業会社ティスと連携し、0.2mm細穴や薄物加工など得意分野を具体的に示しており、強みを活かした優位性が読み取れる。

  • 課題の認識と解決3

    量産加工の生産効率向上と加工時間約3割短縮が書かれ課題解決の方向は読めるが、付加価値向上の具体的な数値目標は示されていない。

事業の実現可能性56%
  • 付加価値・賃上げの目標2

    加工時間約3割短縮という実績はあるが、付加価値の高い創出や賃上げの目標値は書かれておらず、わずかにうかがえる程度。

  • 事業を進める体制4

    若手が従来機を使いこなせる体制、平均年齢30代、ティスとの役割分担(品質検査は別社員)が具体的に書かれている。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    半導体関連部品が多く丸もの8割、φ1〜350mm対応、ペット用骨壷など顧客ニーズへの対応が具体的に示されている。

  • 事業化までの道筋3

    第二工場への設備搬入を平成30年から翌年にかけて進める計画が示され、スケジュールはあるが課題解決の詳細は薄い。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    0.2mm細穴加工や高真円度の薄物加工を競合が対応困難な分野で実現しているとあり、高水準の加工技術が示されている。

公的補助の必要性47%
  • 波及効果・雇用3

    半導体・自動車・医療・航空など幅広い産業の部品を手がけ、第二工場竣工で雇用や生産拡張に触れるが、国が補助する積極的理由は薄い。

  • 費用対効果3

    加工時間約3割短縮と量産の生産効率向上は示されるが、補助金投入額に対する費用対効果の数値は書かれていない。

  • イノベーションへの貢献1

    公開されている事例からは読み取れません。

政策面40%
  • 成長分野への進出2

    半導体関連の部品加工を主軸とし成長分野への関わりがうかがえるが、日本経済の構造転換に資する具体的記述はない。

  • 地域経済への波及2

    東京都瑞穂町の立地と若手雇用には触れるが、地域の特性を活かした経済成長への牽引は具体的に書かれていない。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

今後も半導体関連を主軸としつつ、観賞用のメタルけん玉、ゴルフ用真鍮製マーカー、ペット用アルミ骨壷など機知に富んだ自社製品も作っていく予定である。平成30年から翌年にかけて第二工場への設備搬入を進め、生産体制を拡張していく。

事業者の声

守りに入っているとダメだと思い知らされたのは、リーマンショックのときでした。その後、営業にも力を入れるようになり、設備投資にも積極的に取り組んでいます。当設備の導入後、比較的早く収益に結びついたこともあり、この成功体験が、その後の設備投資にも繋がりました。今後は、平成30年から翌年にかけて、第二工場への設備搬入を進め、生産体制を拡張していきます。

公式の事例集より(原文のまま)

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成25年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。