ものづくり補助金平成25年度製造業宮崎県

航空機分野進出のための製造技術及び品質保証体制の確立

株式会社昭和

成果1年後には10%の工程削減が見込まれる

この事例のポイント

  • 半導体関連が取引の多数を占めていたが、近年の市場低迷により安定的な取引を維持することが厳しくなっていた。
  • 3次元測定機、機械シミュレーションソフト、部品加工ツーリング(機械と切削部を繋ぐ工具)を導入した。
  • 1年後には10%の工程削減が見込まれる。3次元測定機の導入により自社で品質保証ができるようになり、外部委託が不要となって短納期化につながる。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社昭和
所在地宮崎県 延岡市
業種金属製品製造業
技術分野機械制御,精密加工,測定計測

事業の背景

弊社はこれまで半導体関連が取引の多数を占めていたが、近年の市場低迷により新分野へ事業を広げている。単一市場では景気や市場環境の影響を受けやすく、安定的な取引の維持は難しいと考えている。航空機分野は成長産業とされ、今後20年間の市場規模は約4兆ドル、航空機数で約3万機となる見通しである。国内でも国産小型旅客機MRJの登場により魅力のある市場になりつつある。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 集客・繁閑半導体関連が取引の多数を占めていたが、近年の市場低迷により安定的な取引を維持することが厳しくなっていた。
  • 販路・情報発信航空機分野へ参入するため航空機産業関連企業との取引を開始したが、取引先から寄せられる複雑な3次元形状の機械部品加工の依頼に対応できず、県外企業に機会を奪われていた。
  • 生産能力3次元加工に必要な設備が整っておらず、精度測定を外部機関へ委託していたため納期が長期化していた。

やったこと

3次元測定機、機械シミュレーションソフト、部品加工ツーリング(機械と切削部を繋ぐ工具)を導入した。3次元測定機により、幾何学公差としてJISが定義する6種類の基準を満たす製品の検査が可能となり、自社で品質保証ができるようになった。機械シミュレーションソフトにより、マシニング加工の複雑な形状加工の3次元シミュレーションが可能となり、顧客からの3次元CAD・CAMデータの読み込みも実現した。部品加工ツーリングにより、従来の縦型マシニングでは加工できなかった材料の側面加工を同時に行えるようになった。

事業の効果

  • 1年後には10%の工程削減が見込まれる
  • 最終的には20%の工程削減が見込まれる
  • 航空機加工部品の取引額 1倍→3倍

3次元測定機の導入により自社で品質保証ができるようになり、外部委託が不要となって短納期化につながる。機械シミュレーションソフトにより複雑形状のプログラム作成時間が短縮される。部品加工ツーリングにより外注依存が減り、短納期要求に対応できるようになる。3年後には航空機加工部品の取引額が現在の約3倍となり、福祉・医療分野など新分野での市場拡大も見込まれる。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均3.2 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性73%
  • これまでの取組との一貫性3

    半導体中心から新分野へ裾野を広げてきた経緯と、航空機分野へ参入する方針が書かれている。過去の取組との一貫性は具体的に述べられていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    半導体市場の低迷を受けて航空機分野の成長性(今後20年で約4兆ドル、約3万機)を示し、高精度加工への需要と自社の現状(航空機受注1%、機械加工ゼロ)を対比している。

  • 課題の認識と解決4

    3次元加工設備がなく県外企業に案件を奪われている課題を認識し、設備導入で高精度加工を可能にする方針を示している。

事業の実現可能性64%
  • 付加価値・賃上げの目標4

    工程削減10%(1年後)・20%(最終)、航空機加工部品の取引額を3年後に現在の約3倍とする数値目標が示されている。

  • 事業を進める体制2

    社内の人材配置や事務処理体制についての記述はなく、体制の確保状況はうかがえない。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    航空機部品の高精度・高精密ニーズと、取引先から寄せられている3次元加工の依頼が書かれ、顧客ニーズの裏付けがある。

  • 事業化までの道筋3

    導入設備の段階的な活用(検査の内製化、シミュレーションによる工程短縮)と見込みの時期は書かれているが、詳細なスケジュールは示されていない。

  • 財務と資金の調達3

    財務の状況は公開されている事例には出ないため、中間の3としています。

新市場性・高付加価値性60%
  • 新しさ・高付加価値3

    航空機部品は複雑形状で高精度が求められ、3次元加工は高度な分野だが、普及度や高水準の高付加価値化を示す具体的な記述は薄い。

公的補助の必要性67%
  • 波及効果・雇用3

    航空機分野の成長性や福祉・医療分野への展開を述べているが、地域波及や雇用創出を示す具体的な数字は書かれていない。

  • 費用対効果3

    工程削減率や取引額の増加見込みは示されているが、補助金額に対する付加価値額の増加や費用対効果の数字は書かれていない。

  • イノベーションへの貢献4

    3次元CADCAMデータの読み込み、機械シミュレーション、3次元測定による品質保証など先端的なデジタル技術の活用が具体的に書かれている。

政策面50%
  • 成長分野への進出3

    航空機分野という成長分野への進出が述べられているが、日本経済の構造転換への言及は明示的ではない。

  • 地域経済への波及2

    宮崎の技術力と全国への取引拡大に触れているが、地域の雇用や経済成長への具体的な効果は書かれていない。

今後の展望

航空機分野で確固たる地位を築き、福祉・医療分野など3次元加工を必要とする市場にも取り組んでいく。宮崎でも高い技術力があれば全国への取引拡大が可能であり、この事業を機に「ものづくり技術」をさらに高めていきたい。

事業者の声

宮崎でも、高い技術力があれば全国への取引拡大が可能である。この事業を機に、弊社の「ものづくり技術]をさらに高めていきたいと考えている。

公式の事例集より(原文のまま)

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出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成25年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです(画像のPDFを文字起こししてから読み取りました)。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。