ものづくり補助金平成25年度製造業東京都

製本業務の品質と生産性向上による製本事業の受注拡大

株式会社三進社

成果折りページ数 8ページ→32ページ

この事例のポイント

  • 製本だけの依頼が増えているが、従来の設備と体制では受注量に限界があった。
  • 丁合機に株式会社北電子製のCCDカメラ型乱丁防止装置TM-120を導入した。
  • 折りページ数 8ページ→32ページ。検査装置の導入により、経験の浅い人でも検査を任せやすくなり、新たに人を採用してシフト制が可能になった。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社三進社
所在地東京都 品川区
業種印刷・同関連業
技術分野機械制御,測定計測
従業員数96人
資本金1,000万円

事業の背景

近年、製本事業者の倒産・廃業が相次ぎ、外注先の確保に苦慮する印刷業者が少なくない。当社には製本だけを依頼するケースが増えていた。当社は昭和50年に印刷業を始め、平成3年に製本部を開設して企画から製本までを一貫して手がけ、東京都内4カ所に印刷・製本工場を持つ。平成14年にはISO9001の認証を取得し、厳しい管理体制を敷いている。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力製本だけの依頼が増えているが、従来の設備と体制では受注量に限界があった。
  • 人手・技能製本の品質管理で最も重要な丁合工程の検査を2人の熟練工のみに頼っていた。

やったこと

丁合機に株式会社北電子製のCCDカメラ型乱丁防止装置TM-120を導入した。印刷されたページの一部をあらかじめカメラで読み込み、丁合の際に異なる折丁が混入すると自動的に除外する仕組みである。また、株式会社正栄機械製作所製の紙折機『コンビ32菊全判PPバンド結束2台付』を2台導入した。従来の8ページ折りから32ページ折りに対応し、折り終わった紙を束ねる自動結束装置を備えている。

検査測定CCDカメラ型乱丁防止装置TM-120
加工機コンビ32菊全判PPバンド結束2台付

事業の効果

  • 折りページ数 8ページ→32ページ

検査装置の導入により、経験の浅い人でも検査を任せやすくなり、新たに人を採用してシフト制が可能になった。その結果、丁合機の稼働率を大幅に上げられるようになった。丁合工程で不良を出すことは従来からなかったが、検査装置の設置により大手印刷会社からの信用評価がいっそう高まり、印刷製本業務の受注増につながった。紙折機の自動結束装置により作業効率が向上し、リードタイムを短縮できるようになった。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.3 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性67%
  • これまでの取組との一貫性3

    印刷から製本まで手掛け、ISO9001を平成14年に取得し品質管理を重視してきた経緯が書かれ、製本だけの受注増にも触れている。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    製本事業者の倒産・廃業が相次ぎ外注先に困る印刷業者から製本だけの依頼が増えたと、外部環境と強みが示されている。

  • 課題の認識と解決4

    丁合の検査を2人の熟練工に頼っていた課題を、検査装置導入で解消し、シフト制で稼働率を大幅に上げた点が具体的。

事業の実現可能性44%
  • 付加価値・賃上げの目標2

    受注増に備えたとあるが、付加価値額や賃上げの数値目標は書かれていない。

  • 事業を進める体制3

    ISO9001の運用や熟練工の不在を補うための新規採用に触れ、体制の確保がうかがえる。

  • 顧客とニーズの裏付け3

    大手印刷会社からの信用評価が高まり受注増につながったと書かれ、選ばれる理由は一部読み取れる。

  • 事業化までの道筋2

    今後は全工程に検査装置が必要になると展望はあるが、スケジュールや課題解決の方法は具体的に書かれていない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性40%
  • 新しさ・高付加価値2

    CCDカメラ型の乱丁防止装置やLIMEX対応など新技術に挑戦しているとあるが、普及度や市場での水準は示されていない。

公的補助の必要性40%
  • 波及効果・雇用2

    外注先の減少という業界課題に触れるが、雇用や波及効果など国が補助する積極的理由は示されていない。

  • 費用対効果2

    従来は不良を出していなかったと書かれるが、補助金投入額に対する付加価値増や生産性の数値は示されていない。

  • イノベーションへの貢献2

    CCDカメラによる検査や自動結束装置を導入したが、デジタル技術のサプライチェーン貢献までは書かれていない。

政策面30%
  • 成長分野への進出1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 地域経済への波及2

    東京都内の工場と墨田区の製本事業部に触れるが、地域の特性を活かした成長牽引としての記述は限定的。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

製本だけの依頼が業界内のPRにより増えており、中小規模で印刷から製本まで手がける事業者は少ないため、今後も積極的にアピールしていく。印刷機を新たに導入する際は検査装置付きの製品を購入し、新しい技術にも挑戦する。リサイクル可能な新素材LIMEXは通常の紙のようには製本できないが、最適な方法を確立できたので、これから売り込んでいく。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成25年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。