ものづくり補助金平成25年度製造業愛知県

不可能とされてきた幼児向け絵本の少部数発行、書店流通のための試作開発

株式会社三恵社

この事例のポイント

  • ハードカバーの絵本を製本できる業者が、職人の高齢化などを理由に少なくなってきていた。
  • ものづくり補助金(平成25年度補正中小企業・小規模事業者ものづくり・商業・サービス革新事業)を活用し、ハードカバーの製本ラインを構築した。
  • ハードカバーの製本ラインを構築したことで、少部数の絵本を製本できるようになった。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社三恵社
所在地愛知県 名古屋市北区
業種印刷・同関連業
従業員数21人
資本金1,000万円
設立1969年

事業の背景

三恵社は昭和38年に印刷業としてスタートし、飲食店のメニューブックなどを中心に手がけていた。平成に入るとIT化やペーパーレス化が進み、バブル経済崩壊による顧客の廃業も続いて打撃を受けた。そこで出版事業に挑戦し、大学向けテキスト出版では全国の3分の1以上の大学と取引があるまでに成長し、これまでに1500点以上の出版実績を上げている。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 人手・技能ハードカバーの絵本を製本できる業者が、職人の高齢化などを理由に少なくなってきていた。

やったこと

ものづくり補助金(平成25年度補正中小企業・小規模事業者ものづくり・商業・サービス革新事業)を活用し、ハードカバーの製本ラインを構築した。製本ラインは5台の機械で構成され、100〜200部程度を製本する少部数向けである。1冊単位の製本にも対応できるため、表紙を1冊ずつ変えることができ、「世界に1冊だけの絵本を作ること」が可能になった。製本のマニュアル化も進め、少部数の製本であれば他社の仕事を請けることも視野に入れている。

加工機ハードカバー製本ライン(機械5台で構成)

新しい製品・サービス:世界に1冊だけの絵本(表紙を1冊ずつ変えられるハードカバー製本)

事業の効果

ハードカバーの製本ラインを構築したことで、少部数の絵本を製本できるようになった。世界に1冊だけの絵本や、出産祝いのギフトとして子どもの名前入りの絵本といった新たな受注の種が生まれた。製本ラインを活用した仕事の受注も始まっている。製本のマニュアル化も進み、今後の事業拡大が期待されている。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.3 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性60%
  • これまでの取組との一貫性3

    昭和38年の印刷業開始から出版へ挑戦し、大学向けテキストや絵本で事業を広げた経緯が書かれ、過去の取組との一貫性がうかがえる。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    ペーパーレス化や顧客廃業で打撃を受けた一方、大学テキストで全国の3分の1以上の大学と取引があるとされ、強みの記述がある。

  • 課題の認識と解決3

    ハードカバー絵本の製本業者が減る課題を認識し、製本ラインを構築したと書かれているが、収益計画の数値は示されていない。

事業の実現可能性40%
  • 付加価値・賃上げの目標1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 事業を進める体制2

    社員の提案やマニュアル化を進めている点はうかがえるが、補助事業の遂行体制や人材の具体は書かれていない。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    世界に1冊だけの絵本づくりや、100–200部の少部数向け製本で表紙を1冊ずつ変えられる点など、価値と選ばれる理由が具体的に書かれている。

  • 事業化までの道筋2

    製本のマニュアル化を進めている点が書かれているが、スケジュールや課題解決の方法は示されていない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性60%
  • 新しさ・高付加価値3

    少部数のハードカバー絵本製本は手間がかかり業者も減っているとあり、希少性がうかがえるが数値での裏付けはない。

公的補助の必要性40%
  • 波及効果・雇用2

    地方の情報を絵本で全国に発信し、地産品の販促や集客につなげる取組が書かれ、地域への波及がうかがえる。

  • 費用対効果1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • イノベーションへの貢献3

    AR技術やQRコードを用いた絵本を採用した例が書かれ、デジタル技術の活用は読み取れるが、業界全体への貢献は示されていない。

政策面40%
  • 成長分野への進出1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 地域経済への波及3

    名古屋港水族館や八丁味噌など地域の特性を活かした絵本を出版し、地域の魅力発信につなげたことが書かれている。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

製本ラインを活用して少部数の製本の仕事を広げ、他社の仕事を請けることも視野に入れている。

事業者の声

製本ラインを活用できる仕事を広げていきたい

公式の事例集より(原文のまま)

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成25年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。