ものづくり補助金平成27年度製造業岩手県

小ロット、多品種製造に特化した製本・加工による製品開発事業

杜陵高速印刷 株式会社

成果機械の調整時間 20分→5分

この事例のポイント

  • 印刷後に加工を伴う製品は価格面での競争力が弱い。
  • 加工工程の歩留まり向上のため、カット機能付き筋入れ機を導入した。
  • 機械の調整時間 20分→5分。予備紙を削減したことで製造コストを抑えることができ、加工を伴う小ロット品でも安価に提供できる可能性が広がった。

事業者のプロフィール

事業者名杜陵高速印刷 株式会社
所在地岩手県 盛岡市
業種印刷・同関連業
従業員数51人
資本金9,500万円
設立1965年

事業の背景

当社は県内では後発の印刷会社だが、デジタル化に伴う設備投資に力を入れてきた。顧客ニーズが多様化する中、多品種小ロット生産に対応している。1枚ずつ異なる画像や文字を連続して印刷する技術を持つが、印刷後に加工を伴う製品では価格競争力が弱いという課題があった。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • コスト・採算印刷後に加工を伴う製品は価格面での競争力が弱い。
  • 人手・技能製本・加工技術が対応できない受注案件が増えている。
  • コスト・採算折れ線加工と切り取り線加工の際、加工位置調整のための予備紙が発生しコストダウンを妨げていた。
  • コスト・採算製本時に背表紙を糊付けする際の予備紙が発生し、コストダウンを妨げていた。
  • 品質・精度顧客から資料を長期保存できる丈夫な製本方法や、見開きページ用の広開性の高い製本方法を求められていたが、自社では対応できない案件があった。

やったこと

加工工程の歩留まり向上のため、カット機能付き筋入れ機を導入した。印刷済みの用紙をセットすると、損紙を出さずに折れ線、切り取り線、断裁などの加工をすべて行い、作業指示用の目印をセンサーが判別して適切な位置で加工する。製本工程では、PUR(反応型ポリウレタン系ホットメルト接着剤)を使用するPUR対応自動無線綴機を導入し、従来のEVE系ホットメルトからPURに変更した。これにより背表紙に柔軟性が生まれ180度の見開きが可能になり、耐寒性・耐熱性・接着性も向上した。機械の調整はコンピュータ制御で自動化され、機械の調整時間は従来の20分から5分に短縮された。

加工機カット機能付き筋入れ機
加工機PUR対応自動無線綴機

新しい製品・サービス:PUR製本による、見開きが可能で長期保存に適した製本製品、および特殊用紙の製本製品。

事業の効果

  • 機械の調整時間 20分→5分

予備紙を削減したことで製造コストを抑えることができ、加工を伴う小ロット品でも安価に提供できる可能性が広がった。機械の調整作業が自動化され作業時間も短縮された。その結果、小ロット化できる生産品目が拡大し、サービスの拡大につながったことが最大の成果である。PUR製本は古紙リサイクル適性がAランクで、糊部をカットせず再生可能なため環境配慮を重視する顧客にも応えられるようになった。見栄え・見やすさ・使いやすさを実現し、社内のデザイン力・技術開発力の向上にもつながった。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.5 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性73%
  • これまでの取組との一貫性3

    デジタル化に伴う設備投資に力を入れ、多品種小ロット対応を続けてきたと書かれており、過去の取組との連続性はうかがえるが、経営戦略上の位置付けは明示されていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    県内では後発の印刷会社と自己認識し、1枚ずつ異なる画像を連続印刷する技術を差別化点として挙げ、加工品の価格競争力の弱さも課題として具体的に述べている。

  • 課題の認識と解決4

    予備紙の発生やPUR導入後の機械調整時間が20分から5分に短縮されたことなど、課題と解決策が具体的に示されている。

事業の実現可能性44%
  • 付加価値・賃上げの目標2

    機械調整時間の短縮や小ロット品目の拡大は書かれているが、付加価値額や賃上げの数値目標は示されていない。

  • 事業を進める体制2

    社内のデザイン力・技術開発力の向上に触れているが、補助事業を遂行する人材や事務体制の具体的な記載はない。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    小ロット品を安価に提供できること、PUR製本の見開きや耐久性、古紙リサイクル適性Aランクなど、製品価値と選ばれる理由が具体的に整理されている。

  • 事業化までの道筋2

    事業化の方法や課題解決の進め方は述べられているが、スケジュールや中長期の検証内容は示されていない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性60%
  • 新しさ・高付加価値3

    多品種小ロット印刷や製本の付加価値を述べているが、一般的な普及度や分野内での高価格化の水準までは示されていない。

公的補助の必要性47%
  • 波及効果・雇用2

    環境配慮の顧客ニーズへの対応や地元のお客様の活性化への貢献が述べられているが、波及効果や雇用創出の数字はない。

  • 費用対効果3

    予備紙削減による製造コスト低減や調整時間短縮が書かれているが、補助金額に対する付加価値増加の数値は示されていない。

  • イノベーションへの貢献2

    コンピュータ制御による糊付けの自動化やデジタル印刷技術が触れられているが、サプライチェーンへの貢献は具体的に書かれていない。

政策面30%
  • 成長分野への進出1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 地域経済への波及2

    地元のお客様の活性化への貢献が述べられているが、地域の経済成長や雇用創出に関する具体的な数字は示されていない。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

今後も地元のお客様の活性化に貢献できるよう努めていく。お客様の視点に立った情報サービスを追求していきたい。

事業者の声

印刷知識の豊富な会社が地元にあって良かった

公式の事例集より(原文のまま)

業種と困りごとが近い成果事例

大阪府製造業平成25年度

ねじ寸法自動計測システムの試作開発

平成25年度ものづくり補助金を活用し、人手に依存せず検査精度と生産性を向上させる「ねじ寸法自動計測システム」を試作開発した。

効果:計測面の焦点深度 2mm→5mm

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成27年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。