ものづくり補助金平成25年度製造業東京都

非接触三次元測定機を活用したリバースモデリングサービスの提供

Apex株式会社

成果表面偏差 1mm→0.01mm

この事例のポイント

  • 既存の機器・ソフトでは競合他社と比べて訴求力が不足していた。
  • 非接触三次元測定機として、丸紅情報システムズ株式会社扱いのGOM社製光学式非接触三次元測定機ATOS CS-5Mとデータ加工・検査ソフトGOM Inspect Professio…
  • 表面偏差 1mm→0.01mm。部品の大小を問わず作業効率が向上した。

事業者のプロフィール

事業者名Apex株式会社
所在地東京都 八王子市
業種輸送用機械器具製造業
従業員数25人
資本金1,175万円

事業の背景

当社は20年以上続く自社の自動車パーツブランドを持ち、マフラーや車高調、エンジンコントロールユニットなどを開発・製造・販売する自動車用チューニングパーツメーカーである。アメリカや中国など海外にネットワークを持つ。非接触三次元測定機を利用した3Dデータの活用は今後のものづくりに不可欠だが、中小企業は費用負担や技術力の課題から独自の利用拡大が難しい状況にあった。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 集客・繁閑既存の機器・ソフトでは競合他社と比べて訴求力が不足していた。
  • 生産能力モデリング(サーフェイス化)の工数が8時間以上かかりすぎる場合があった。
  • 品質・精度表面偏差を部分的に1mm以上大きくしなければ対応できない場合があった。
  • 品質・精度測定対象の形状が複雑な場合、工数以前にモデリング自体に対応できないことがあった。
  • 新製品・新技術保有の多関節式三次元測定機では形状の再現が難しい顧客支給品があった。
  • 品質・精度ノート型ワークステーションはスペックに限界があり、データ保存も二重化できず信頼性のサービス向上が課題だった。

やったこと

非接触三次元測定機として、丸紅情報システムズ株式会社扱いのGOM社製光学式非接触三次元測定機ATOS CS-5Mとデータ加工・検査ソフトGOM Inspect Professionalを導入し、専任担当者のトレーニングを受けて各種サイズのテスト部品測定による操作演習を行った。3Dモデリングソフトとして、東京貿易テクノシステム株式会社扱いのアルモニコス社製spScanを導入し、様々な形状のテスト部品でモデリングの演習を行った。ワークステーションはHP社製デスクトップ型Z440を導入し、3D-CAD、3Dモデリングソフト、強度解析ソフトをインストールした。レーザー式と光学式の非接触三次元測定機で同一対象物を測定して統合テストを行い、データ統合の手順と各機器の使い分けを確立した。さらに、保有ソフトと新規ソフトを横断的に使い、リバースモデリングから強度解析までの工程演習を実施した。

検査測定ATOS CS-5M(光学式非接触三次元測定機)
ソフトGOM Inspect Professional(データ加工・検査ソフト)
ソフトspScan(3Dモデリングソフト)
その他HP Z440(デスクトップ型ワークステーション)

新しい製品・サービス:非接触三次元測定機と3Dデータを活用したリバースモデリングサービス(トータル技術ソリューション)

事業の効果

  • 表面偏差 1mm→0.01mm
  • モデリング工数 1倍→0.2倍
  • 作業時間 1倍→0.5倍

部品の大小を問わず作業効率が向上した。曲面作成では測定データに対して偏差0.05mm以内での対応が容易になり、表面偏差全域0.01mm以内のサーフェイスデータ作成が可能になった。作業時間は以前の半分以下に短縮され、ワークステーションの導入によりデータの二重化保存も可能になった。高精度のリバースモデリングを提供できるようになり、後付け自動車部品の事業者や3Dプリンタの販売・造形受託を行う事業者などを新たな顧客として想定し、他社との差別化を図ることができた。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.9 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性73%
  • これまでの取組との一貫性3

    自動車部品の開発・製造・販売を行い、3D技術を後付け自動車部品業界向けのリバースモデリングに広げる方向性は読み取れるが、経営戦略上の位置付けの記述は薄い。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    自社の強み(マフラー等の高い技術、海外ネットワーク)と、既存機器では訴求力に欠けた課題、他社との差別化を図る記述がある。

  • 課題の認識と解決4

    モデリング工数8時間以上、表面偏差1mm以上などの課題を挙げ、工数を1/5程度、作業時間を半分以下に短縮したと数字で示している。

事業の実現可能性60%
  • 付加価値・賃上げの目標4

    偏差0.05mm以内、全域0.01mm以内、工数1/5、作業時間半分以下など具体的な目標と成果が示されている。

  • 事業を進める体制3

    メーカー専任担当者によるトレーニングや工程演習を実施したとあるが、人材配置や事務処理体制の記述は薄い。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    中小企業の試作・商品開発や後付自動車部品事業者への需要、外部委託需要の増加を述べ、顧客ターゲットは具体的。

  • 事業化までの道筋3

    演習や検証の段階と今後の展開(多品種小ロット事業者、中小零細企業への展開)は書かれているが、スケジュールは詳しくない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性60%
  • 新しさ・高付加価値3

    リバースモデリングは専門知識が必要な分野で需要増が見込まれるとあるが、普及度や高水準化を数値で示していない。

公的補助の必要性60%
  • 波及効果・雇用2

    中小企業の競争力強化やものづくり産業の発展を目的に掲げているが、波及効果や雇用創出の具体的記述は少ない。

  • 費用対効果3

    試作の期間と費用を飛躍的に改善すると述べ、工数・時間の短縮率は示すが、補助金額に対する費用対効果の記述はない。

  • イノベーションへの貢献4

    3Dデータ活用や光学式とレーザー式の併用、強度解析までの一貫工程によるリバースモデリングで、ものづくりのイノベーションに寄与し得る。

政策面30%
  • 成長分野への進出2

    3Dプリンタ等のものづくり技術の不可欠性に触れるが、日本経済の構造転換に資するとの記述は限定的。

  • 地域経済への波及1

    公開されている事例からは読み取れません。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

非接触三次元測定機とモデリングソフトは導入コストに加え専門知識が必要であり、三次元測定とリバースの外部委託サービスの需要は増え続けると見込まれる。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成25年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。