ものづくり補助金平成26年度製造業茨城県

次世代革新的医療用コーティング技術の開発と生産体制の構築

株式会社 沢平

成果耐熱温度300度以上の高周波電流の高電圧に耐えるコーティング部品製造に成功した

この事例のポイント

  • 従来の有機コーティングは耐熱性が不十分で、高周波電流を通電させる医療用微小部品には使えなかった。
  • 医療器具や処置具などの医療用微小部品に対し、耐熱温度300度以上の高周波電流の高電圧に耐えるコーティング技術を開発した。
  • 耐熱温度300度以上の高周波電流の高電圧に耐えるコーティング部品製造に成功した。医療用微小部品へのマスキングや絶縁コーティング技術を開発し、量産体制を確立した。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社 沢平
所在地茨城県 日立市
業種輸送用機械器具製造業
技術分野表面処理
従業員数43人
資本金3,000万円
設立1959年

事業の背景

同社は1959年の創業以来、機械部品の切削やプレスなどの金属加工から、コーティングおよび部品組み立てまで対応してきた。これまではバルブやシャフトなど自動車部品を主に受注して業績を上げてきたが、近年は価格競争に強い海外へ発注がシフトしているという。そこで直径10ミリ以下の微細製品を手掛けた金属加工のノウハウと極細線コーティング処理技術を生かし、新分野として医療用微小部品へ参入することにした。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 新製品・新技術従来の有機コーティングは耐熱性が不十分で、高周波電流を通電させる医療用微小部品には使えなかった。
  • 生産能力医療用微小部品を量産する体制がなく、新分野へ参入するには量産の仕組みを作る必要があった。
  • 品質・精度医療用であるため、コーティング塗料の安全性も高い条件をクリアしている必要があった。
  • 集客・繁閑自動車部品の受注が海外へ発注がシフトし、価格競争で厳しくなっていた。

やったこと

医療器具や処置具などの医療用微小部品に対し、耐熱温度300度以上の高周波電流の高電圧に耐えるコーティング技術を開発した。コーティング膜種として緻密性の高い無機セラミックを使用し、組み立て前の段階で極微小部品一つ一つに均一かつ密着性の高いコーティングを施した。通電部のみをマスキングしてコーティングする、またはコーティング後に通電部のみ剥離する技術を確立した。コーティングの塗装装置や焼成炉、膜厚や膜質をチェックする高性能マイクロスコープを導入し、トライ&エラーを繰り返して最適な焼成条件を確立した。作業効率のいい治具立てにも独自の工夫を施し、医療用微小部品を量産する体制を構築した。

加工機コーティングの塗装装置
加工機焼成炉
検査測定高性能マイクロスコープ
その他治具立て

新しい製品・サービス:医療器具や処置具などの医療用微小部品へのマスキングや絶縁コーティング技術と量産体制

事業の効果

  • 耐熱温度300度以上の高周波電流の高電圧に耐えるコーティング部品製造に成功した

医療用微小部品へのマスキングや絶縁コーティング技術を開発し、量産体制を確立した。通電部により電気が集中するため切れ味が格段に上がる効果も得られた。今年6月に医療機器開発・製造展に初出展し、9月から量産に取りかかる予定である。今後は国内受注を手始めに、アジア圏も視野に入れ、数百セットから万単位まで受注を増やすことを目指している。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.9 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性73%
  • これまでの取組との一貫性3

    過去の極細線コーティング技術と金属加工ノウハウを生かし医療用微小部品へ参入すると書かれており、一貫性はうかがえるが戦略上の位置付けは詳述されていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    自動車部品が海外発注にシフトしたとあり、コーティング技術で切れ味を上げ耐熱300度以上に対応する競争優位が具体的に書かれている。

  • 課題の認識と解決4

    自動車部品の価格競争という課題を認識し、医療用微小部品の量産体制確立で主力部門化を目指すと具体的に書かれている。

事業の実現可能性60%
  • 付加価値・賃上げの目標3

    受注を増やして万単位まで伸ばす目標が書かれているが、付加価値額や賃上げの数値目標は示されていない。

  • 事業を進める体制3

    創業以来の加工・コーティング実績や従業員43名は読み取れるが、補助事業の遂行体制の具体的な配置は書かれていない。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    医療用微小部品の切れ味向上や耐熱温度300度以上という機能、競合の少ない市場での選ばれる理由が具体的に書かれている。

  • 事業化までの道筋4

    約5年前からの構想、医療機器開発・製造展への初出展、9月からの量産開始、アジア圏への展開と時系列が示されている。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    従来の有機コーティングに代わる耐熱・絶縁の高付加価値品を、競合の少ない特殊な医療機器向け部品市場で手掛けると書かれている。

公的補助の必要性47%
  • 波及効果・雇用3

    国内外の受注や医療用部品という分野の創出が示唆されるが、経済波及や雇用創出の数字は書かれていない。

  • 費用対効果2

    投資額や付加価値額の増加など費用対効果を示す数値は書かれておらず、わずかに量産体制の効果がうかがえるのみ。

  • イノベーションへの貢献2

    高周波電流に対応する耐熱絶縁コーティングという技術革新はうかがえるが、サプライチェーン全体への貢献は書かれていない。

政策面40%
  • 成長分野への進出2

    医療機器分野という成長市場への進出はうかがえるが、日本経済の構造転換に資するとの記述はない。

  • 地域経済への波及2

    日立市の所在は分かるが、地域の特性を生かして雇用や地域成長を牽引するという記述は乏しい。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

国内の受注を手始めに、近い将来はアジア圏を視野に入れ、数百セットから万単位まで受注を増やして同社の主力部門に成長させる目標。競合他社の少ない特殊な医療機器向け部品市場で確固としたシェアを築いていく考え。

  • 目標:数百セットから万単位まで受注を増やして主力部門に成長させる目標

事業者の声

代わり得る他社のない企業

公式の事例集より(原文のまま)

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成26年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。