ものづくり補助金平成25年度製造業神奈川県

超小型人工衛星向け耐宇宙環境マイコン基板の開発

相模通信工業株式会社

この事例のポイント

  • 信頼性の高い車載部品を使用して、耐宇宙環境マイコン基板の試作開発を行った。
  • ものづくり補助金を活用して試作開発したプリント基板「Waterbear」を契機に、宇宙事業を深耕している。

事業者のプロフィール

事業者名相模通信工業株式会社
所在地神奈川県
業種電子部品・デバイス・電子回路製造業
技術分野接合・実装

事業の背景

当社は以前から人工衛星に搭載する基板を大手企業に納めており、宇宙に関連する分野を深めたいと考えていた。宇宙用基板に取り組む企業は僅かで、高度なはんだ付けや細かな目視検査が必要なため技術的な参入障壁が高く、差別化できる分野だった。当社の強みは技能検定を取得した社員の高い作業レベルと、Class 1000の実力を有するクリーンルーム等である。

課題と取り組み

やったこと

信頼性の高い車載部品を使用して、耐宇宙環境マイコン基板の試作開発を行った。汎用性の高い市販のマイコンボードを使い、多くの人が宇宙用マイコンを活用して様々な用途開発につなげられることをコンセプトにした。設計にはJAXAが認定している設計基準を用いた。近隣の金属加工企業と連携し、自社製品として開発を進めた。基板には当社ブランドロゴ「Waterbear」をシルク印刷した。

新しい製品・サービス:超小型人工衛星向け耐宇宙環境マイコン基板「Waterbear」

事業の効果

ものづくり補助金を活用して試作開発したプリント基板「Waterbear」を契機に、宇宙事業を深耕している。この取り組みにより新たなビジネスチャンスにつながっている。宇宙用基板は技術的な参入障壁が高く、差別化できる分野として位置づけられている。取り組みを支えているのは、当社がこだわり続けている高い品質である。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.9 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性73%
  • これまでの取組との一貫性4

    以前から人工衛星搭載基板を大手企業に納めており、その実績を土台に宇宙分野の深耕へ進んだ流れが具体的に書かれている。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    宇宙用基板に取り組む企業は僅かで参入障壁が高いと認識し、高品質を支える強みで差別化する方針が読み取れる。

  • 課題の認識と解決3

    宇宙事業の深耕という方向性は示されるが、現状課題と解決に伴う事業計画の具体的な記述は薄い。

事業の実現可能性52%
  • 付加価値・賃上げの目標2

    高付加価値化や賃上げの目標値は書かれていない。新たなビジネスチャンスへの期待がわずかにうかがえるのみ。

  • 事業を進める体制4

    技能検定を取得した社員の高い作業レベルと、Class1000のクリーンルームを持つことが実施体制の強みとして具体的に示されている。

  • 顧客とニーズの裏付け3

    汎用マイコンボードを使い多様な用途へ広げる狙いや、宇宙用の高品質という価値は書かれているが、顧客ターゲットの整理は薄い。

  • 事業化までの道筋2

    中長期の遂行方法やスケジュール、課題解決の方法は書かれていない。試作開発の経緯が示されるのみ。

  • 財務と資金の調達2

    開発資金にものづくり補助金を活用できたという記載のみで、財務状況や金融機関からの資金調達は書かれていない。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    宇宙用基板に取り組む企業は僅かで、高度なはんだ付けや目視検査が必要という点で、同分野の中の高付加価値品と読み取れる。

公的補助の必要性47%
  • 波及効果・雇用2

    宇宙分野への進出や新たなビジネスチャンスへの言及はあるが、国が補助する積極的な理由や波及効果は書かれていない。

  • 費用対効果2

    補助金の投入額と付加価値増加の関係を示す数字や効果の記述はなく、費用対効果はわずかにうかがえる程度。

  • イノベーションへの貢献3

    JAXAの認定設計基準に沿った設計や、汎用マイコンボードの活用で多くの人の用途開発につなげる構想が示されている。

政策面60%
  • 成長分野への進出3

    宇宙分野という成長領域への進出は読み取れるが、日本経済の構造転換に資する点は具体的に述べられていない。

  • 地域経済への波及3

    近隣の金属加工を営む企業と連携して自社製品化を図っており、地域の事業者とつながる取組が読み取れる。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成25年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。