ものづくり補助金平成25年度製造業神奈川県

水に強く・燃えない多孔質シリカ被膜付き段ボールハニカムで紙の弱点を克服し建築材として試作開発

有限会社秦永ダンボール

成果強度 1倍(従来比)→5倍(従来比)

この事例のポイント

  • 紙素材のダンボールは水に弱く燃えやすいという弱点があった。
  • 産総研と共同でハニカム構造の表面に多孔質シリカを被膜する加工を開発した。
  • 強度 1倍(従来比)→5倍(従来比)。多孔質シリカ被膜加工により、ダンボールの軽さや低コストを活かしつつ、水や燃えやすさの弱点を克服した。

事業者のプロフィール

事業者名有限会社秦永ダンボール
所在地神奈川県
業種パルプ・紙・紙加工品製造業
技術分野材料製造プロセス,表面処理,複合・新機能材料

事業の背景

ダンボール業界は競合が多く、下請け企業は厳しい状況だった。差別化のため高付加価値なダンボールを作れないかと考えていた。その中で産業技術総合研究所(産総研)の特許技術「多孔質シリカ被膜加工」を知った。ハニカム構造の表面を多孔質シリカで被膜すると、強度、耐水性、難燃性が飛躍的に向上する。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 新製品・新技術紙素材のダンボールは水に弱く燃えやすいという弱点があった。
  • 販路・情報発信ダンボール業界は競合が多く、下請け企業は厳しい状況にあった。
  • 新製品・新技術差別化のために高付加価値のダンボール製品を作る必要があった。

やったこと

産総研と共同でハニカム構造の表面に多孔質シリカを被膜する加工を開発した。この加工により、強度は従来の5倍、耐水性は300倍、難燃性は1300℃でも燃えにくいという性能を実現した。当社の設計により、水に強く燃えない段ボールハニカムを建築材として商品化した。芯がダンボールなので再生でき、シリカもリサイクル可能である。

その他養生槽

新しい製品・サービス:多孔質シリカ被膜付き段ボールハニカムを使った建築材。防災グッズの自社ブランドも立ち上げた。

事業の効果

  • 強度 1倍(従来比)→5倍(従来比)
  • 耐水性 1倍(従来比)→300倍(従来比)

多孔質シリカ被膜加工により、ダンボールの軽さや低コストを活かしつつ、水や燃えやすさの弱点を克服した。強度や耐水性は大きく向上し、難燃性は1300℃でも燃えにくい水準に達した。建築材として商品化でき、環境に配慮した製品として他社との差別化につながった。新素材の世界が開けたと評価している。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.3 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性73%
  • これまでの取組との一貫性4

    既存のダンボール事業の技術に産総研の特許技術を組み合わせ、「当社既存技術と産総研の特許を結集」して新素材を開発した経緯が書かれている。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    ダンボール業界は競合が多いとしたうえで、強度5倍・耐水性300倍・1300℃でも燃えにくい性能を差別化点として挙げている。

  • 課題の認識と解決3

    下請け企業の厳しい状況という課題と高付加価値化による解決の方向は書かれているが、具体的な計画や時期は述べられていない。

事業の実現可能性32%
  • 付加価値・賃上げの目標2

    高付加価値化の方向性はうかがえるが、付加価値額や賃上げの具体的な目標値は書かれていない。

  • 事業を進める体制1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 顧客とニーズの裏付け3

    強度・耐水性・難燃性の数値と環境配慮、再生可能な点が特徴として示されているが、顧客ターゲットは明確ではない。

  • 事業化までの道筋1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    段ボールの弱点を多孔質シリカ被膜で克服し、従来の5倍の強度や300倍の耐水性など高水準の性能を実現した点が示されている。

公的補助の必要性40%
  • 波及効果・雇用2

    環境に優しいリサイクル可能な建築材として、毒性物質を使わない点が示されているが、国が補助する理由までは書かれていない。

  • 費用対効果1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • イノベーションへの貢献3

    産総研との共同開発によるシリカ被膜技術の応用と、芯がダンボールでリサイクル可能な点が示されている。

政策面30%
  • 成長分野への進出2

    紙の弱点を克服した新素材を建築材として商品化した点はうかがえるが、産業構造の転換までは示されていない。

  • 地域経済への波及1

    公開されている事例からは読み取れません。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成25年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。